新型コロナウイルス蔓延下での海外遠征・出張・赴任No1

 

東京オリンピックは安全に開催できるのか:まさに「選手生命」の問題?

 

新型コロナウイルス感染症が世界中に蔓延している中、果たして東京オリンピックは安全に開催できるのでしょうか。世界中の海外選手たちにとって、日本に渡航することになる海外遠征にはいくつかのハードルがあります。また、このような状況下にあっても国際企業は業務を継続していかなければなりません。

 

杉並国際クリニックは、主に英語による診療も実践していますが、彼らは旅行者ではなく日本定住者もしくは、長期滞在者ばかりです。なお、トランジットや短期の海外旅行者は新患としてお受けいたしておりません。

 

こうした時代の到来を予測して、私が入会している専門医学会の一つに、日本旅行医学会があります。他に日本渡航医学会という学会もありますので、今週の特別シリーズの中でご紹介いたします。

 

本日は、大多数の皆様に直接かかわってくる課題である<東京オリンピック>と選手の予防接種についての記事をご紹介いたします。

 

 

東京オリンピック開催の可否で状況緊迫か。選手団の「ワクチン優先接種」無理なら中止の可能性

 

川村 力 [編集部]
Jan. 07, 2021, 01:30 PM 

 

東京オリンピックの開催可否について緊迫した動きが出てきた。


海外メディアが7月開催予定の東京オリンピックについて、国際オリンピック委員会(IOC)幹部の発言として、異なるいくつかの、しかしいずれも判断のタイミングが迫っていることがわかる「見方」を伝えている。

 

1月6日(現地時間)の米ニューズウィークは、IOC幹部が「(参加する)選手たちに優遇措置が与えられ、新型コロナワクチンの優先接種が認められなければ、東京オリンピックは中止になる可能性がある」と警告を発したと伝えた。

 

また、その見方について、IOCの最古参ディック・パウンド委員(カナダ)も、東京オリンピックを予定通り開催するために「実行可能な唯一の方法」だと支持していることをつけ加えた。

 

このパウンド委員発言については、英スカイニュース(1月6日)が最初に報じ、その後世界中のメディアによって急速に拡散されている。

 

 

 

英ガーディアン報道は深刻さをより強調

 

匿名IOC委員の発言を伝える英ガーディアンの記事(2021年1月6日付)。


一方、英ガーディアンは同日(現地時間)、匿名を条件に取材に応じた情報筋の発言として、「2021年7月に安全に東京オリンピックを開催するために、IOCは現在、この新型コロナの第二波、第三波が吹き荒れるなかでも、選手たちが優先的にワクチンを接種できるよう働きかけている」と報じている。


IOCは「(ワクチン接種を待つ)列に横入りするつもりはない」が、「医療従事者などエッセンシャルワーカーや高齢者、基礎疾患を持つ人たちへの接種に続いて、選手たちを(接種待ち)リストの上位に引き上げてほしい」と考えているという。

 


ガーディアンが記事冒頭で強調しているのは、「情報筋からもたらされた情報により、IOCは現時点で7月に東京オリンピックを開催する方針をいまだ維持していることが再確認された」点だ。


記事全体を読むと、カナダ国内で選手団に優先的にワクチン接種する措置に「世論は反対しないだろう」とする先述のパウンド委員の意見について、「状況はもっと微妙だ」とする(情報源の)委員の指摘を強調するなど、オリンピック開催がきわめて危ぶまれる状況であることが示唆されている(以下原文)。

 

"IOC sources stressed to the Guardian that the situation was more nuanced than Pound had made out."


なお、日本の時事通信は1月6日、前出のスカイニュース記事を引用しつつ、「すでにイギリスでは、同国選手団が7月までにワクチンを接種できるよう、政府と五輪委員会が協議している」と報じている。

 

しかし、上記のガーディアン記事は「(オリパラへの戦略的投資を担当する政府機関の)UK Sportと議論しただけで、イギリス政府との具体的・積極的な対話や交渉が進んでいるわけではない」と、楽観的な見方を否定した。