週間特集: <コロナ蔓延下での実母入院騒動の顛末記>No2

 

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第二日:116日(土)午前10時頃、ようやく私自身が現地に赴くことができました。私が到着するまでは、兄が母に定時に『地竜』を飲ませてくれていました。

 

母が3カ月に1回、定期的に通院しているS病院の外来受診に付き添いました。診察の前にMRI検査を受けましたが、「病変が全く見いだせない。何もかも正常。」という担当医の判断によって、神経内科の受診を勧められました。そこで、私がすかさず「診療情報提供書」の作成を依頼したところ、担当医はH病院あてに、それを書いてくださいました。不安は募るばかりでしたが、他に良い方法が見いだせないため、何とか車いすをレンタルして、自宅待機することになりました。

 

S病院に行ってMRIでまったく異常がないとの情報を得たので、それ以降は母に「地竜」はのませないことにしました。

 

ただし、処方をされていた薬が服用されずに残されていたため、薬ののみ忘れにより、いろいろな症状がでているのではないかと考えました。そこで、残されていた錠剤をのませようとしたところ、舌で押し出すように拒否して内服不能であるため、錠剤を粉々にして高齢者用のゼリーに混ぜて食べさせると抵抗なく食べてくれました。

 

 

<JCSでは

刺激しないでも覚醒している状態1桁)

 

0清明

 

1意識清明とは言えない

 

2時・人・場所がわからない(見当識障害)⇒辛うじて病院の名前が言えた。

 

3自分の名前・生年月日が言えない

 

Restless(不穏)

 

昨日の(推定)JCS評価『3R』⇒本日のJCS評価『2R

 

 

わずかな変化ですが、若干、改善に向かっているのではないかと期待しました。

 

JCSで一桁スコア『2』であると、軽症扱いされてしまうことになります。

 

 

GCSでは

〇 開眼機能:自然に開眼・・・E

〇 言語機能:見当識がある・・・V

〇 運動機能:病的屈曲(除皮質硬直)・・・M3、上肢の震え

GCS12EVM3

 

昨日の(推定)GCS評価GCS7E13 M3

 

本日のGCS評価GCS12EVM3

 

GCS評価法では15点が満点で、点数が低いほど重篤ということになります。

 

昨日が7点であったのに対して本日は12点まで増えているので、JCSより明確に変化を把握することができます。開眼機能と言語機能が改善したにもかかわらず、運動機能に変化が見られなかったことが気がかりです。

 

本日の経緯を電話で院長に報告したところ、母が定期的に通院している「S病院の外来受診時の担当医の診断レベルは救急隊員のそれと大差ない」という意見でした。その理由は、①JCSレベルでの評価に基づく判断に過ぎず、GCSでより詳細に評価する視点に欠けているということと、全国的にありがちなことではあるが、②肝腎の神経学的所見を省略し、画像診断のみで判断してしまっている、ということです。たとえば、脳卒中の場合、発症直後はCT等の画像検査には異常所見が現れないことは医学の常識(専門医レベルではなく医師国家試験レベルの知識)であるため、神経学的診察(ペンライト、ハンマー、音叉などを用いた日常的検査)が必須となるからだそうです。

 

院長のこうした指摘通りであったことが、後に明らかになっていくのでありました。