<尿検査>で何がわかるというのか?No1

 

「まっとうな」政治を、と訴えながら、口先だけの某野党党首がいらっしゃいますが、本当にまっとうな政治を期待するのであれば、国民自らが「まっとう」な
健康管理をはじめておくのが賢明だと思うことがありました。


 平成の30年間、フリーアクセスの高円寺南診療所では、禁煙指導と初診時の尿検査の重要性を強調してきましたが、予約なしのコンビニ受診の患者さんの中には、いずれも拒否される方が少なくありませんでした。特に尿検査を拒否するような方は、麻薬常習者か医療不信の方に多かったです。「ここは金もうけ主義なんですね!」などと見当違いなことをいわれることも度々ありました。


ちなみに一般尿検査の保険点数は26点、したがって、一割負担の方の自己負担額は30円、三割負担でも80円です。この30円なり80円なりの検査費用を負担に感じてしまうような方々に対して、「まっとうな」医療を施すことはできるでしょうか。

 

このような方には、責任をもった「まっとうな」医療を提供することはできませんし、また、このような方が「まっとうな」政治家に「まっとうな」一票を投じることは期待できないとまで考えていました。
 

幸い、令和の新時代の幕開けとともに杉並国際クリニックは、予約制を導入してからは、結果的に上記のようなレベルの方はほとんど来院されなくなりました。待合室に危険をもたらしたり、静かな落ち着いた雰囲気を、理不尽にも破壊したりするようなレベルの方も滅多にお目にかからなくなったため、杉並国際クリニックに相応しい「まっとうな」医療が実現し易くなってきたことには感謝しております。
 

もっとも、意味のない検査に対しては10円だって支払いたくない、という方は、むしろ歓迎いたします。なぜならば、ひとたび尿検査の意義と価値を理解していただければ、この検査以上にコスパの良い検査を見出すことは困難であることに気づいていただけるはずだからです。

 

 

『尿検査』って何のため?

 

おしっこ(尿)は健康状態や生活環境によって、日々変化しています。毎日の尿の色や量、においをみるといったセルフチェックは大切ですが、それだけに頼っていては体のトラブル信号を見逃しかねません。 病気によっては、かなりトラブルが進んでいても、見た目での尿には何の変化もなく、わからないこともあります。

 

尿は私たちの目にもわかる大きな変化を起こす前に、静かにかすかな変化を敏感に反映する貴重な生体情報です。ミクロの世界でトラブルを知らせいます。病院や健診で行う「尿検査」は、言いかえると「尿の成分チェック」。どんな成分がどれだけ含まれているかを丹念に調べるものです。いつもとちがう、ヘンな尿が出る前に、ミクロの世界で起こっている小さな変化をとらえて、トラブルを未然に防ぐことができるのです。

 

 

どんな病気がわかるの?

 

まず、尿に直接かかわる病気として、腎臓病、膀胱・尿管・尿道の病気。そのほか血液の病気や心臓病、肝臓病、膵臓病。ホルモンバランスの崩れによる病気や体内に腫瘍ができたこと。ストレスなど精神神経科の病気の一部や赤ちゃんができたことも、尿の成分を調べればわかります。これだけ多くのことがわかるので、初診時に必ず尿検査を行う病院もあります。
 

しかも、検査はきわめて簡単で、他の検査と比較しても安価。決められた時間におしっこを採って提出するだけで痛みも何もありません。コスト・パフォーマンスの上でも優れています。

 

もっとも手軽な健康チェックとして、あなたも定期的に受けてみましょう。
尿検査で気をつけることは?
検査前日に気をつけたいこと

 

食事や飲み物は自由にとってかまいませんが、ビタミン剤やビタミンCが入っている風邪薬、ドリンク剤などをとらないように気をつけてください。尿の成分の測定に影響が出て、誤った結果になることがあります。

 

 

尿の採り方

 

健康な人でも、出始めの尿にはバイ菌が混じることがあります。
正しい検査のためには、出始めの尿ではなく、中間の尿を採るようにします。
主治医には正確な情報を!

 

医師が尿検査結果を正しく判断するためには、あなた自身の情報が必要です。熱や痛みなどの症状はあるか、月経(生理)の時期、運動をしているか、どんな薬を飲んでいるか・・・など、聞かれたことには正しく返事をしてください。
一般尿検査項目(尿検査結果の読み方早分かり)

 

 

項 目
正常値
異常値で考えられる病気
健康でも異常値になる場合

 

尿糖検査


陰性(-)

まず考えられるのは糖尿病。ただし、尿糖が陽性でも糖尿病とは限らず、血糖値等によって判定する必要があります。腎性糖尿などで陽性となります。重症になると尿から甘いにおいがすることもあります。この場合は、尿中のケトン体を同時に調べます。
妊娠中の女性や中高年の方は糖が出やすくなります。また若い人でも疲れている時や、ストレスを受けている場合に糖が出ることがあります。

 

 

尿たんぱく検査

陰性(-)

慢性腎臓病、腎炎(腎盂腎炎、ネフローゼ症候群、糸球体腎炎など)、尿路感染症(膀胱炎、尿道炎など)など腎臓や尿路等の病気発見の手がかりになります。また高熱が出た時の熱性蛋白尿や起立性蛋白尿、一過性の過労等で陽性となることがあります。
生理(月経)前後や激しい運動の後、またストレスにさらされている時などは健康な人でも異常値が出ます。入浴後の尿にもたんぱくが出やすいです。また、子供~20代ぐらいまでは腎臓の位置の関係で健康でもたんぱく尿が出やすい場合があります(体位性たんぱく尿)。

 

 

尿潜血反応

陰性(-)

尿の通り道に異常があると、尿の中にわずかに赤血球が混じることがあります。目には見えなくても尿に血がまじっている状態です。腎炎や腎結石などの腎臓病か、尿管結石など尿管の病気、膀胱炎・尿道炎や前立腺炎など尿道の病気が考えられます。また前立腺炎や泌尿器系の悪性腫瘍等でも陽性となることがあります。
 一時的な潜血は誰でも起こりやすく、女性では月経(生理)(の前後なら陽性と出ることもあります。

⇒ ただし、一過性でなく持続性なら問題になるため、まずはもう一度検査を受けてみましょう。

 

 

尿のpH検査

pH6前後


尿が酸性(pH4.5)やアルカリ性(pH8)のどちらに偏っていてもよくありません。しかし食べたものの影響で、一時的な異常が出やすいものです。継続的にアルカリ性である場合は膀胱炎などの尿路感染症が、酸性の場合は糖尿病や痛風などが考えられます。発熱や下痢をしている時も尿は酸性になります。
野菜不足の人、肉食中心の人、お酒を飲む人、睡眠不足や疲労、糖尿病や痛風のコントロールが不良な方、精神的なストレスを抱えている方の尿は酸性になりがちです。

 

 


尿ケトン体検査

陰性(-)

下痢、嘔吐など胃腸の消化吸収のトラブルが起きている時出るほか、糖尿病か甲状腺の病気の可能性も。また熱がある時も異常値が出ます。
妊娠している時、ストレスにさらされている時、過剰なダイエットをしている時にも異常値が出ます。

 

 


尿ウロビリノーゲン

(±)が正常


「陽性」なら肝炎、肝硬変、肝がんなど、
「陰性」なら胆石などによる総胆管閉塞の可能性があります。
(尿試験紙では正確な陰性の判定はできません)
飲酒や肉食のあとは異常値が出ることがあります。また激しい運動の直後や疲労時、便秘時も異常値が出やすいです。急性・慢性肝炎や胆管結石など肝臓や胆のうの疾患を疑います。
⇒ 確定診断には血液一般検査、生化学検査などが必要です。