8月18日(火)
世界では現在、20種類以上のワクチンの臨床試験が進んでいます。有効なワクチンの発見に向けた競争には健康面にとどまらない世界的な影響があり、開発や製造に成功した企業に膨大な収益が入る可能性もあります。
このような現状の中で8月11日、ロシアのプーチン大統領は国内で開発された世界初の新型コロナワクチンを正式に承認したと発表し、すでに娘が接種を受けたことを明らかにしました。
接種後には一時発熱したが「それだけだった」という。プーチンが娘について言及するのは、極めて珍しいことです。このワクチンは「スプートニクV」と名付けられ、9月から大量生産が始まる見通しです。プーチンはワクチン開発に国の威信を懸けていることがうかがわれます。
ただし、このワクチンの臨床試験の開始から2カ月弱で、最終段階となる第3段階は始まったばかりです。
従来、米国をはじめWHO加盟の各国が認めてきたワクチンの場合は「厳格な」第3相試験を実施し、高い基準を適用してきました。
つまり、ロシアのワクチン開発試験は未完了で、一部の専門家からはロシアの主張に懐疑的な声も上がっていて、早さと引き換えに安全性と効能が懸念されています。
米国立アレルギー・感染症研究所のアンソニー・ファウチ所長は「ワクチンを開発したと言うことは誰にでもできるが、その安全性や効能を証明しなければならない」と言います。
ホワイトハウスのマクナニー報道官は13日、トランプ大統領がロシアの新型ワクチンについて報告を受けたと説明しました。米国ではロシアのワクチンは完成度が不十分とみられているため、真剣な関心を引くには至らなかった模様です。
ここで、6月のこのコラムで紹介した記事を再掲します。ロシアでは6月上旬にヒトでのワクチン試験開始の計画を報告していたことを確認することができます。いずれにしても、ロシアでの開発が速かった要因は、そもそも、ロシアでは、欧米より早く基礎研究が進んでいて、その基礎の準備の上に開発されたものだからです。これに対して、欧米では、これに遅れて初歩から研究開発を始めているからであると考えます。
また、ロシアのワクチンに関する米国の冷淡な態度は、外交・政治経済的利害関係が絡んでいる可能性は否定できません。
世界中が、医学・医療の領域で、生命の尊重を最優先課題として、体制を超えて一致協力することが可能であれば、新型コロナパンデミックに留まらず、広範な分野での緊張緩和が進むのではないかと思わざるを得ません。
世界初の新型コロナワクチンは成功するか否かは、こうした国際協力が実現できるかどうかということにも大いに関わってくることでしょう。
Всемирной организации здравоохранения (ВОЗ) известны 125 потенциальных вакцин от коронавируса, находящихся в разработке, 10 из них проходят клинические испытания, указано в проекте плана организации. Россия передала ВОЗ шесть вакцин-кандидатов, передает «РИА Новости» слова представителя ВОЗ в России Мелиты Вуйнович. Ранее научный центр вирусологии и биотехнологии Роспотребнадзора «Вектор» в Новосибирской области сообщал о планах начать испытания своей вакцины на людях в начале июня.
世界保健機関(WHO)は、開発中の125の潜在的なコロナウイルスワクチンを把握しています。そのうちの10は組織の草案計画で示された臨床試験中です。ロシアがWHOに6種類の候補ワクチンを引き渡したと«RIA Novosti»が報じている、ロシアのWHO代表メリタ・ブイノビッチ氏。これに先立ち、ノボシビルスク地域のウイルス学とバイオテクノロジーの "ベクター "(註1)科学センターは、6月上旬にヒトでのワクチン試験開始の計画を報告した。
註1:
べクター(Вектор):別名、ロシア国立ウイルス学・生物工学研究センター。ノボシビルスクの都市型集落コルトソボにあるウイルス学・生物工学を研究する研究所。冷戦中は生物兵器の開発拠点として知られていた。
Коронавирус в Москве к 28 мая был обнаружен у 173 497 человек, за последние сутки врачи выявили 2054 новых случая, сообщает федеральный оперативный штаб. Лечение от COVID-19 продолжают почти 100 000 человек. Всего в России выявлено 379 051 случаев заражения.
5 月 28 日までにモスクワでは17 万 3,497 人にコロナウイルスが検出された。最終日には、連邦運用本部によると医師は、2054 の新しいケースを識別している。10万人近くの人びとにCOVID-19の治療を続けている。ロシアでは合計37万9,051例の感染が確認されている。
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