特集:シリーズ『新型コロナウイルス罹患者の体験から学ぼう』症例10:本当に治っているのか?不安は現実に… ④

6月18日(木)

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症例10(その4)


第3節:不安は続く

翌日以降、通常の生活に戻っていいと説明されたというが、女性は自主的に自宅待機を続けた

 

会社の方に「(窓口から)こういうふうに言われています」と言ったら、「治ったかどうか分からない人を、即復帰させるわけにはいかない」と言われてしまって。

いつからだったら大丈夫なんだろうという不安と、実家に行っている主人もいつから同居できるんだろうとか、いつ帰って来られるんだろうなっていうのがあります。それから陰性(の検査結果)がもらえないかぎり、コロナ差別だったり、コロナハラスメントみたいなのを受け続けるんだろうなという不安にかられています。

 

さらに言うと、傷病手当の申請面で病院のサインが必ず必要な書類があるんですけど、病院は(療養期間を)いつまでと書いてくれるんだろうと。2週間できっかり区切られてしまうと、社会復帰できていない私はこれからの生活もどうしていくんだろうと。金銭面もありますし、かなりいろいろな問題が生じてきます。症状が治まっても別のことでずっと悩んでいる状態です。

 

健康観察期間が終わったと連絡のあった2日後、女性は再び発熱した
外には出ていないです。買い物は主人や主人のお母さんに頼んで、自宅にいる状態です。周りにうつしては絶対にダメだなと思っているので、なるべく出ないようにしているのですが、どの判断で出ていいのか、それも分からないです。まだ体の中にウイルスが残っているかもしれないという状態ですよね。それで外出してしまうと、ますます感染者が出てしまう。それによって、懸念されている医療崩壊につながるのではないかと素人ながらに思うので、それは食い止めなければいけないと思います。

 

医療従事者の方や、働いて下さっている方には本当に感謝しています。医療現場も保健所もひっ迫しているのは重々承知のうえで言わせていただくと、どんな軽症の患者でも感染した以上、治してから外に出るのが務めだと思っているので、終わりの検査が必要ではないかなと思っています。

 

コメント:

仰ることは痛いほどよくわかります。大切な論点でもあります。国会において野党に存在意義があるのだとしたら、まさにこのような問題点を追及してほしいものです。

 

第4節:不安は現実に

ここまでの話しは、5月1日に女性から聞いていた。ところがその翌日、女性から「再び陽性と確認された」と連絡が入った。熱が心配で専用の外来に行ったところ、医師の判断で検査が行われたという

 

1回目のときよりもショックでした。なぜかというと、ぬか喜びではないですけど、2週間で治ったと認定されていたのに、まだ治っていなかったんだっていうショックと、あの熱はやっぱりそうだったんだっていうショックでした。

自主的に自粛をしてなければ本当にどうなっていたんだろうと思います。私は何人にうつしていたのかと想像したら怖いですし、逆にもっと悪化していたかもしれないですし、いろんな面で不安です。家にいてよかったなと思います。

 

やっぱり、終わりの検査がないというのはおかしいのではないかなと思います。どれだけ軽症者でも2週間で区切るのはおかしいかなと思います。それで外に出て、買い物でもしたら感染者が増えるでしょうし、そうなっていくと医療崩壊にもつながるのではないかと改めて思いました。

 

コメント:

一般市民だけでなく超濃厚接触者であって、すでに発症している医療従事者すら検査は受けられずに死亡した方もいます。他者を助けることは義務だが、誰にも助けてもらえない医療従事者は「特攻隊」か「奴隷」の扱いです。それどころか、家族までもが不当な扱いを受けることすらあります。
そうした現状にある医療従事者の応援という大義名分を派手に演出して応援するだけの偽善的なパフォーマンスやお祭り騒ぎは金輪際行わないでいただきたいというのが私の偽らない気持ちです。それよりも将来のために真正面から矛盾の解決のために団結できる国民に成長していただきたいと思います。
麻生副総理が言うように日本人の民度は高いどころか、愚かな為政者にとって都合の良い隷属民にすぎないのではないでしょうか。人を助ける人を真っ先に支援すべきなのが行政の役割なのであり、それが出来なかった国の国民は皆、散々な目にあっていることはだれの目にも明らかです。

 

(5月1日、3日取材横浜放送局 寺島光海)

 

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