特集:シリーズ『新型コロナウイルス罹患者の体験から学ぼう』症例10:本当に治っているのか?不安は現実に… ①

6月15日(月)

取材報道<NHK特設サイト 新型コロナウイルス>から学ぶ5症例の研究

 

症例が増え10症例目に入ります。

 

新型コロナウイルスに感染したとき、どんな事態に直面するのか。感染した人や家族の話を通して、その一端を知るため、NHKが行ったインタビューの内容をできるかぎり詳細にお伝えします。

 

以下は、取材記事を下敷きとし、加筆や編集部分は赤もしくは緑文字として区別しました。


5月1日、3日取材横浜放送局 寺島光海

神奈川県に住む30代の会社員の女性は新型コロナウイルスに感染しましたが軽症のため自宅療養となりました。健康観察期間は終了したものの陰性を確認する検査はなし。「私は本当に外に出ていいのか…」 不安は現実となりました。

 

第1節:感染対策はとっていたが

女性が発症したのは4月上旬。感染対策は意識していたが、それがかえって感染の原因になったかもしれないと今は考えている

 

発症したときはまだ緊急事態宣言が出されていない時期で、連日、安倍さんや小池都知事が「3密(註:3密というより、<集・近・閉(しゅうきんぺい)と覚えておくと便利です)を避けてください」と言ったり、週末の(外出)自粛を呼びかけていたので緊張感はかなり高まっていたと思います。

手洗い、うがい、帰ってきたらすぐにお風呂に入ってウイルスを落とそうとしたり、空間除菌だったりとかで対策は十分にとっていた(註:標準防衛策に心掛けていても感染してしまうため、皆様には玉弊風散その他のホームレメディを推奨しているのです)とっていてもと思っています。


その中で、除菌用品とかがかなり品薄だったので買わないとという思いがあって、発症する10日ぐらい前から除菌用品を探し回っていました。

除菌用品を売っているところは人が集まっていたので、ドラッグストアとか。それを何軒も探し回っていたので、混雑しているところに自分から行っていたのではないかなと思っています。買い物する中で感染したかもしれないです。

 

コメント:

この女性と同様に勤勉に感染予防・蔓延防止に努めようとするあまり、かえってリスクを高めかねなかった方が、杉並国際クリニックの患者の皆様の中にも少なくありませんでした。

とくに日頃から勤勉で誠実で正義感が強く、しかも潔癖症、完全主義で不安感が強いタイプの方が少なくない方の行動を心配していました。

こうしたタイプの皆さまは、自分が納得できて安心できるまで、積極的に防衛資源を探し求めるのですが、いくら努力しても安心が得られず、きりが無くなってしまうくらいです。実際に、そのような兆しや報告を受けることによって、私はある決定をしました。

その一つは、より正しく助けになる情報をHPだけでなく、紙媒体でも一人一人に説明を加えて手渡し、もしくは郵送しました。これは、不正確で無責任な情報に振り回されないようにするためです。

二つ目は、情報だけを提供するのではなく、具体的なマテリアル(現物)を窓口に準備することにしました。対コロナ秘策第一弾(五点セットの常備生薬)は、私が推薦した材料を探し求めるために、あちこち探し回らなくても済むようにするためです。

三つめは、個人単位でなく家庭単位で共通の認識と行動をとることの重要性を理解していただくことです。感染症の場合、同居の家族は、必然的に互いにとっての濃厚接触者となるため、家族を守ることは自分を守るうえで不可欠の前提になるからです。対コロナ秘策第一弾(五点セットの常備生薬)に加えて対コロナ秘策第二弾(生薬マスク)をご家族ぐるみでご活用いただいていることの意義は少なくないことでしょう。

私自身は、4月、5月の2か月間は、直接の患者さんの相談だけでなく、ご家族のための相談にも応じてきました。そのような活動は薬剤師である事務長が、随分以前から行っていて、しばしば私もアドバイスしてきました。

名前と家族構成は知っているが私の患者さんではない方のアドバイスを彼女は今でも続けており、多くの方々に感謝され尊敬を受けていることを最近になって再認識しました。彼女のそうした地味なボランティア活動の継続によって得られた経験や知恵の蓄積が、今回の当クリニックで展開しているコロナ対策において大きく貢献していることは皆様方のご評価がよく証明してくれているものと思われます。

 

<明日へ続く>