これからも警戒しておきたい感染症No3


厚労省も努力はしている!しかし、その方向性は如何?

 

定期の予防接種率を向上させるのは、果たして行政の側のみの責任でしょうか。

行政が推奨しているにもかかわらず国民が動かないのだとすれば、理由はいくつか考えられます。

第一に接種に要するコストです。

第二に行政や医療機関に対する信用です。

第三に無知に基づく自己過信です。コスト要因が大きいと考えるのは、かつては自己負担がゼロであったものが突然有償となれば当然に生じる意識ではないかと思います。

そして、国民皆保険が当然のわが国では、国民の権利意識が一方的に肥大して、自分たちが受けている医療の原価(諸々の意味で)意識が薄弱だからです。

これは、第二の要因にも繋がってきます。国民の心理としては、かなり思いきったサービスの向上があっても特別な感動をもたらしにくいのに対して、既得権がわずかにでも狭められると、猛然と不満を発する傾向になりがちだからです。

第三はスマホ社会の弊害です。部分的な情報、それも自分の先入観に合致する些末な情報を過大評価・拡張解釈して自己判断はまだしも自己診断して譲らない病人が増えていることも嘆かわしいことです。

ここで、なぜ病人という言葉を使うかというと、病人と患者とを明確に区別する必要があるからです。少なくとも、杉並国際クリニックに一年以上通院されている方は患者ではあっても、ただの病人ではありません。初診の患者さんの中には、ただの病人ということは今でも避けられない現実です。

 

 

第三 予防接種に関する施策の総合的かつ計画的な推進に係る目標
に関する事項  

 

一 基本的考え方
 

国は、予防接種の効果的な推進のため、予防接種の現状及び課題について、予防接種に関わる多くの関係者と共通認識を持った上で、科学的根拠に基づいて目標を設定するとともに、国民及び関係者に対してその目標及び達成状況について周知する。
 

これらの方針に基づき、いわゆる「ワクチン・ギャップ」の解消、定期の予防接種の接種率の向上、新たなワクチンの開発並びに普及啓発及び広報活動の充実を当面の目標とする。
 

なお、本計画は、今後の状況変化等に的確に対応する必要があることから、法第三条第三項に基づき、少なくとも五年ごとに再検討を加え、必要があると認めるときは、これを変更するものである。ただし、予防接種施策の実施状況並びにその効果、意義及び成果については、工程表を策定した上で分科会等の場で一年ごとにPDCAサイクル (計画・実行・評価・改善) による定期的な検証を行い、当該検証の結果を踏まえ必要があると認めるときは、五年を待つことなく本計画を見直すよう努めることとする。

 

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厚労省と民間の役割分担が必要だと思います。

国民が厚労省の勧告に耳を傾け、指導に応じるようにするためには、勤勉な努力によってこの国を支えている国民や医療機関をだまし討ちにしないことが前提です。

「国民や保健所が勘違いしていた」などという破廉恥な大臣がトップに座っている間は、誰も素直に厚労省の指針に従おうとはしないのではないかと思われます。

 

<明日へ続く>