ウイルスから身を守るドイツの食事療法(臨床栄養学)

 

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記事は短か目で、写真やグラフもよく使われて、ドイツ語の勉強をしながら、実用的な知識を吸収するうえでとても役に立ちます。今月は栄養学をテーマとしました。具体的な疾患対策を考える場合の栄養学は「臨床栄養学」と呼びます。

ご興味のある方は、この機会に、「わかりやすい臨床栄養学(第6版)」(三共出版)をお読みください。杉並国際クリニックでお分けすることができます。

 

 

Vitamin-BombenGesund bleiben:
Diese 6 Lebensmittel stärken das Immunsystem

 

ビタミン爆弾 健康維持法:
これらの6つの食品は、免疫システムを強化します

 

 

Um Infekte abzuwehren ist es besonders wichtig, den eigenen Körper gesund zu halten. Ernährungswissenschaftlerin Eva-Maria vom Bruch erklärt, mit welchen Lebensmitteln Sie Ihre Abwehrkräfte stärken.

 

感染症を防ぐためには、自分の体を健康に保つことが特に重要です。栄養学者エヴァ・マリア・フォム・ブルッフは、あなたの防御力を強化するために使用する食品を説明します。

 

 

Wenn es überall schnieft und hustet, sollten Sie Ihr Immunsystem gut wappnen. Denn es kann Erreger nur dann abwehren, wenn es gestärkt ist und Haut und Schleimhaut intakt sind. Ernährungswissenschaftlerin Eva-Maria vom Bruch vom BerufsVerband Oecotrophologie e.V. rät deshalb, im Winter auf besonders vitaminreiche Kost zurückzugreifen. Dazu zählen etwa folgende Lebensmittel:

 

それはどこでもくしゃみや咳をする場合, あなたはご自分の免疫システムを十分に強化する必要があります。これは、病原体から身を守ることができるのは、防禦が強化され、皮膚や粘膜が傷ついていない場合にのみだからです。したがって、職能連合である協会生態栄養学e.V.の栄養学者エヴァ・マリア・フォム・ブルッフとしては、冬に特にビタミンが豊富な食品に頼ることをお勧めします。これらには、例えば、次の食品が含まれます。

 

 

Spinat: Spinat ist reich an Vitamin A, das Haut und Schleimhäute gesund hält und damit die Barriere gegen Viren aufrechterhält. Außerdem enthält er viel Eisen.

 

ほうれん草:ほうれん草はビタミンAが豊富で、皮膚や粘膜を健康に保ち、ウイルスに対する障壁を維持します。また、鉄の多くが含まれています。

 

 

Karotten: Karotten stecken neben Vitamin C auch voller Carotinoide. Diese wirken antioxidativ und unterstützen so das Immunsystem.

 

ニンジン:ビタミンCに加えて、ニンジンもカロテノイドでいっぱいです。これらは抗酸化作用を有し、したがって、免疫システムをサポートしています。

 

 

Fisch: In Fisch stecken gesunde B-Vitamine, außerdem viel Zink und Selen. Letztere zählen zu den essenziellen Spurenelementen und stärken die Abwehrkräfte.

 

魚:魚は健康なビタミンB群だけでなく、亜鉛やセレンの多くが含まれています。後者は、不可欠なトレース要素の一つであり、防御を強化します。

 

 

Nüsse und Samen: Nüsse und Samen enthalten wertvolle Nährstoffe wie Vitamin E, Zink, Selen und Kupfer. Sie wirken einem schwachen Immunsystem entgegen.

 

ナッツと種子類:ナッツや種子には、ビタミンE、亜鉛、セレン、銅などの貴重な栄養素が含まれています。これらは弱った免疫システムを回復させます。

 

 

Kohl: Kohlgemüse, also zum Beispiel Grün- oder Rotkohl, hat im Winter Saison und ist reich an Vitamin A, Vitamin C und Selen.

 

キャベツ:緑や赤キャベツなどのキャベツ野菜は冬に季節があり、ビタミンA、ビタミンC、セレンが豊富です。

 

 

Kartoffeln: Auch Kartoffeln sind wahre Vitamin C-Bomben, auch E-Vitamine findet man darin. Diese unterstützen den Körper im Kampf gegen Viren.

 

ジャガイモ:ジャガイモも真のビタミンC爆弾であり、ビタミンEも含んでいます。これらは、ウイルスとの戦いで体をサポートします。

 

 

Allgemein sollten Sie auf eine ausgewogene Ernährung achten. Eva-Maria vom Bruch erklärt: „Unterernährung beeinträchtigt die Immunabwehr und die Infektanfälligkeit. Auch Übergewicht und besonders eine hohe Fettaufnahme führen zu einer verschlechterten Immunfunktion.“

 

一般的に、バランスの取れた食事に心掛ける必要があります。エヴァ・マリア・フォム・ブルッフは、「栄養失調は免疫系と感染に対する感受性に影響を与えます。肥満と特に高脂肪摂取もまた、免疫機能の悪化につながる。」と説明しています。

取材報道<NHK特設サイト 新型コロナウイルス>から学ぶ4症例の研究

 

以下は、取材記事を下敷きとし、加筆や編集部分は赤い文字として区別しました。

症例2:高熱や息苦しさ 味覚もなくなる…どこで感染したか分からない

 

3月27日取材 (高知放送局 山嵜雄大 宗像玄徳)

新型コロナウイルスに感染したとき、どんな事態に直面するのか。どこで感染したのか心当たりがないという高知市に住む50代の男性の話です。

 

第2症例(その4)

第4節:退院後も続く不自由さ


男性は2週間余りで退院。取材したときは、健康観察が続いていた

「退院してから外出自粛が4週」あるもんで、本当に買い物だけにしてですね、どこも行かないと。買い物したらすぐ帰ってきて部屋におると、それから帰ってきたら手洗いですね。手洗いとうがい。で、1時間ぐらい空気の入れ替えですね。体温も毎日測るように言われてます。体温と、咳、息苦しさ、鼻水鼻づまり、のどの痛み、頭痛、下痢、あったら報告をするということで。これは4月の23日までですね、保健所さんに報告するということです。(以上の下線を施した部分の指示は、的確なので是非、参考にしてください!)


退院する前に先生に言われたんですけど、「コロナウイルスにかかって入院していることを知ってる人もいるかもしれん、近所の人で。バッシング受けたときはどうするか」ということをおっしゃいましたんで。そのときは腹を立てずに保健師さんに連絡をしますということでしたね。

ちょっとそういう不安もありましたけど、帰ってきて今は実際ないもんでね、安心しています。(高知の皆さんの暖かい県民性が感じられますね!)


正直なところ、あしたにでも解放されたい気持ちはありますね。でも、そういうわけにはなかなかいかんもんでね、気持ちを切り替えてですね。

「ニュースを見て、自分だけじゃないと、みんなが困って、みんながたたかっていきゆうんや」(たとえ隔離されていても、孤立感から免れ、希望を失わないでいることが生存のために大切であることは、ナチスの強制収容所という極限状況から生還した神経学者のヴィクトール・フランクル博士が証明している通りです)と、うん、気持ちになりました。

 

「みんなでたたかわないかん」(その通りです。自分だけでなく、家族や仲間を守ろうという気持ちは戦いという言葉の意味を深め、その意義を再認識させてくれます)という気持ちでですね、「前向きになっていきたい」(ただ怯えて引き籠っているのではなく、積極的な気持ちと行動で開始しなければいけない、という意識は正解です)と思ってます。

 


(3月27日取材 高知放送局 山嵜雄大 宗像玄徳)
付記:コロナ・ハラスメント&風評被害について

 

幸いなことに、杉並国際クリニックの周辺では発声しておりませんが、日本看護倫理学会は声明を発表し、「病院や訪問看護ステーションなどの医療機関、およびそこで働く医療従事者が、誹謗中傷や風評など、不条理な被害を受けています」と訴えました。また、訪問看護ステーションでは、看護師が「お前は看護師か、なぜ看護師が外を歩いている。お前のせいで感染が拡がる。迷惑だから外を歩くな」という暴言をされたケースもあるとのことです。さらに、医療機関の職員の子供に対するいじめ、保育園への出入り禁止、職員や患者のタクシー乗車拒否、患者からの受診拒否、転院希望なども報告されています。 コロナ陽性患者を最初に診た診療所の医師が診療中止の張り紙を出したところ、嫌がらせの電話やいたずら書きを受けるといった事態も起きています。

 

<この項終わり>

 

Вчера, 22:55Общество
昨日, 10:55 p.m.

 

Коронавирус стал лакмусовой бумажкой, которая показала чудовищное разделение пациентов на состоятельных и «бедных», а медиков – на управленцев и рядовых врачей.
Ирина Мишина

 

コロナウイルスはリトマス紙になった。それは患者を富者と「貧者」とに、
そして医者も理事長と平の医者とに無慈悲に鑑別している。
イリーナ・ミシーナ

 

 

Режиссера Галину Неволину муж отвез на дачу еще в марте, оставив «заначку» продуктов на месяц.

 

病院理事長は、3月、ガリーナ・ネヴォリーナの夫を山小屋に連れて行き、1か月分の用品が入った「秘密の袋」を置いて去って行った。

 

 

«Мой муж – врач с 40-летним стажем, работает в 14-й психиатрической больнице, филиале ПКБ им.
Алексеева (Кащенко). Он знал, что так будет.
Знал, что каждый день будут тысячи зараженных и большое количество умерших. Поэтому приказал мне сидеть на даче и никуда не выходить. Он, как опытный врач, прекрасно понимал, что наша медицина не готова противостоять этой эпидемии и предвидел последствия. Сейчас муж рассказывает, что в 14-й психиатрической больнице – массовое заражение пациентов. Впрочем, как и во многих психиатрических больницах, где люди, в основном пожилые, лежат по 15-18 человек в одной палате», - рассказала «НИ» Галина Неволина.

 

「私の夫は40年の経験のある医師で、PCBの分院である第14精神病院で働いています。アレクセイェバ(カシュチェンコ)。夫はこうなるだろうことは知っていました。私も毎日、何千人もの感染者と多数の死者がでるだろうということは知っていました。そこで夫は私に国元にいて他所にはどこにも行かないように言いました。夫は経験豊かな医師なので私たちの医療はこの流行性感染症に耐えうるだけの準備ができていないことを十分に承知しており、結果を予見していました。今では彼女の夫は第14精神病院では感染症患者の巣窟であるといっています。しかし、他の多くの精神病院と同様に、入院患者のほとんどが高齢者で一病棟につき15から18人がベッドに横たわっています」とガリーナ・ネヴォりーナが「NI」に語った。

 

 

«Когда стали "гореть" с температурой все отделения Кащенко (психиатрической больницы – прим.редакции), больных начали перебрасывать в отделения ПБ №14, тем самым ускоряя распространение вируса. Стали подтверждаться диагнозы. Больные, которых по 18 человек в палатах, конечно, затемпературили. В отделении моего мужа возраст больных 77+! Представляете палаты по 18 человек?! При такой скученности не заболеть оказалось невозможным. Какие отдельные боксы? О чем это?», - пишет Галина Неволина на своей странице в Фэйсбуке.

 

「カシュチェンコ(精神病院)の全部門が高熱患者で燃え始めると、患者はPB第14部門に移送され、そこでウイルスの拡散が加速しました。その病棟の18名の患者も当然、高熱を発していました。私の夫の部門では、患者たちの年齢は77歳です!18人部屋の病室を想像できますか?そんなすし詰めの病室で病気にならないことが不思議です。個室はどうなっていますか?その点についてはどうですか?」とフェースブックのページにガリーナ・ネヴォリーナは書いた。

特集:シリーズ『新型コロナウイルス罹患者の体験から学ぼう』

 

取材報道<NHK特設サイト 新型コロナウイルス>から学ぶ4症例の研究

 

以下は、取材記事を下敷きとし、加筆や編集部分は赤い文字として区別しました。

症例2:高熱や息苦しさ 味覚もなくなる…どこで感染したか分からない

 

3月27日取材 (高知放送局 山嵜雄大 宗像玄徳)

新型コロナウイルスに感染したとき、どんな事態に直面するのか。どこで感染したのか心当たりがないという高知市に住む50代の男性の話です。

 

第2症例(その3)

第3節:感染経路に心当たりがない

入院中、男性がずっと考えていたのが、『どこで感染したのか』ということだった

「感染していると分かったときはショック」でした、正直言って。「まさか」と思いました。どこで感染したんやろうっていうことは常に考えてました。時間があったもんでね、考える時間。2月の行動を振り返っても、かかるような行動はしていないんですよね。たいがい部屋におりましたし、外へ出ても買い物程度なんでね。

 

保健所からも詳しく聞かれました。正直に全部答えてます。いい気分はしませんよね、自分の個人情報なもんで。

でも『他の方がかかられたときに困ります』(立派なお考えです。戦略2・3の立場と同じです。)ので、ちゃんと言うとかなと、正直な答えしてます。


多少あるとしたらね、免許証の更新のとき(30分以上の講習を受講したとすれば、密閉・密集・密接の3密のリスクを更に高めることでしょう。)ですかね。

 

2月の9日に行ったんですよ。

「日曜日なもんでね、結構人がおり」(3密の一つ『密集』に該当)まして。

「マスクはしている方もいましたけど、半分ぐらいはしてなかった」(無警戒・無防備集団)ですね。

「私自身もしてなかった」もんで。

なかには「せきこんだり、くしゃみしたりする方も」(飛沫・エアゾル発生)おりました。

 

症状が出るひと月も前のことですけど、病院の先生に「ひと月くらいの範囲で疑いを持て」(潜伏期は最大2週間と言われてきましたが、絶対的なものではないかもしれません。)と言われてますんで。早い人は感染してすぐ2日ぐらいで症状が出てくるみたいなんですけどね。


あとは2月26日ですかね、ちょうど入院する朝なんですけど、いつもはだいたい自転車なんですけど、そのときは用事があって、しょうがなしに「電車で行った」(電車の中は乗客が「密集」していたとしても、駅に停車するたびに換気ができていれば「密閉」には当たらないし、会話がなく、互いに無言であれば「密接」にも該当せず、空間感染リスクはそれほど高くはないようです。)んですよね。どこでもらったか分からないから、もう。思い当たることはないですね、自分でも。

 


参考:

1.密閉空間(換気の悪い密閉空間である)

 

2.密集場所(多くの人が密集している)

 

3.密接場面(互いに手を伸ばしたら届く距離での会話や共同行為が行われる)
という3つの条件のある場を3密といい、感染を拡大させるリスクが高いと考えられています。

 

<明日へ続く>

<新型コロナ対策:北京中医薬大学国学院院長、李良松大学院教授からのアドバイス!>

 

新型コロナウイルス肺炎蔓延制御に対する古代疫病対策からの啓発No1

 

古代瘟疫治验对新冠病毒肺炎疫情防控的启示
说天下

2020年02月11日

新型コロナウイルス肺炎蔓延制御に対する古代疫病対策からの啓発
2020年2月11日

 

 

在中华民族发展的历史长河中,根据历代文献记载,自公元前7世纪至公元20世纪,我国发生较大规模的瘟疫达700多次,如东汉末期不到50的时间里,死于疾疫达1500万人以上;又如公元1232年汴京大疫,50天内竟然死了95万人。因此,从政治、经济、军事和文化的视角来研究传染病对中国历史的冲击和影响,并探寻其规律和特点,为当代和未来的传染病防治工作提供历史的借鉴,具有极其重要的历史意义和积极的现实意义。

中国国家の長い成長の歴史(註1)において、史書(註2)によれば、紀元前7世紀から西暦20世紀まで、700件以上の大規模な疫病が中国内で発生し、東漢(註3)王朝時代末のように50年間以内に、病死者は1500万人以上に達していました。別の例では、1232年(註4)の卞京(註5)での疫病では、50日以内に死者が95万人にも達していました。したがって、中国史上での感染症の衝撃的影響を政治的、経済的、軍事的そして文化的側面から研究し、またその法則や特徴を探究することによって、現在および未来の感染症予防のための歴史的参考資料として提供します。

 

(註1)中国の歴史:中国の黄河文明は古代の世界四大文明の一つに数えられ、また、黄河文明よりもさらにさかのぼる長江文明が存在した。史書に記された中国最古の王朝は「夏」(紀元前1900年頃 - 紀元前1600年頃)である。ちなみに中国医学の始祖とされる黄帝(紀元前2510年~紀元前2448年)はそれより以前の伝説的皇帝であるが現在でも尊崇を集めている。その背景として後の漢の時代では著者不明の医学書を黄帝のものとして権威を付けるのが流行したためとされる。現存する中国最古の医学書とされ現代でも鍼灸医学の基本テキストとされる『黄帝内経素問』、『黄帝内経霊枢』は黄帝の著作とされている。

 

(註2)中国の史書:中国の最古の史書は、「書経(尚書)」とされる。『書経』は三代~春秋時代までを扱い、秦の穆公の記載があるため、成立は早くとも秦の穆公が在位を開始した紀元前659年以降であるさらに、書経の中の『洪範』で記されている政治学は五行説が基になっており、五行説の成立は戦国時代であることから、成立年代は早くとも戦国時代(紀元前5世紀以降)までに限られる。

また『春秋』は、魯国の年次によって記録された、中国春秋時代に関する編年体の史書である。儒教では、孔子の手が加わった、もしくは孔子が作ったとされ、その聖典である経書(五経または六経)の一つとされている。しかし、孔子が手を加える以前の『春秋』は既に散佚しており、孔子が『春秋』のどこに手を加えて経書の『春秋』にしたのか、不明なところも多い。その内容は王や諸侯の死亡記事、戦争や会盟といった外交記事、日食・地震・洪水・蝗害といった自然災害(伝統的には災異と呼ばれる)に関する記事などが主たるもので、年月日ごとに淡々と書かれた年表風の歴史書である。春秋時代(紀元前770年 - 紀元前403年)は、紀元前453年晋が韓魏趙に分割された時点、または紀元前403年韓魏趙が諸侯に列した時点をもって春秋時代の終わり戦国時代の始まりとする。

 

(註3)東漢(中国名):後漢(25年 - 220年)は、中国の古代王朝。漢王朝の皇族劉秀(光武帝)が、王莽に滅ぼされた漢を再興して立てた。都は洛陽(当時は雒陽)と称した。ただし後漢最末期には長安・許昌遷都へ遷都。五代の後漢と区別するため、中国では東漢と言う(この場合、長安を都とした前漢を西漢という)。また、ちょうどこの時代に活躍した華佗(?-208年)は麻沸散という薬を使って史上初の全身麻酔を行い腹部の大手術を行い「神医」として歴史に名を残す。また「五禽戯」と呼ばれる体操による健康法(導引)の発明者とも言われている。水氣道®は、現在この操体法を水中で応用するための研究を始めている。

 

(註4)1232年:日本では鎌倉時代で、この年に御成敗式目が制定された。その丁度40年後の1272年には、日本も下述の金朝と同様に第1回目の元寇(文永の役)で知られるモンゴル襲来を受けることになった。

 

(註5)卞京(中国古名):金(1214年-1233年)の都で、南京開封府と称した。現在の河南省開封市。中国でも最も歴史が古い都市の一つであり、11世紀から12世紀にかけては世界最大級の都市であった。金はモンゴルの攻略を受け燕京(現在の北京)から開封に遷都とし、河南地方で辛うじて命脈を保ったが、その後もモンゴルの南進を食い止められず、1232年に三峰山の戦いで大敗し、軍主力が消滅した。以後は抵抗もままならず、1234年に開封を包囲、占領された。皇帝哀宗は開封から脱出し蔡州への逃亡をはかったが、モンゴルと南宋の連合軍に挟撃されて自殺、後を受けた末帝も即位からわずか半日でモンゴル軍に殺害され、ここに金は滅亡した。なお、17世紀になって同じ女真族が「金」を名乗る王朝を建てたが、これは「後金」と呼ばれて区別される。後金はのちに「清」と改称し、大帝国を築いた。ちょうどこの当時を生き、後に医聖と称えられる張仲景 ( 150頃-219頃)は自分の一族を傷寒(感染性疾患)により失い、その不合理に憤慨して『傷寒卒病論』を著した。この書にはそれまでの研究を元に張仲景の研究の成果が載せられており、後世の中医学のバイブルとされた。日本の漢方界でも、特に古方派を中心に非常に重視されている。杉並国際クリニックも感染症対策としては「傷寒論」(内容は伝染性の病気に対する治療法が中心)の発想を尊重している。

取材報道<NHK特設サイト 新型コロナウイルス>から学ぶ4症例の研究

以下は、取材記事を下敷きとし、加筆や編集部分は赤い文字として区別しました。

症例2:高熱や息苦しさ 味覚もなくなる…どこで感染したか分からない

 

3月27日取材 (高知放送局 山嵜雄大 宗像玄徳)

新型コロナウイルスに感染したとき、どんな事態に直面するのか。どこで感染したのか心当たりがないという高知市に住む50代の男性の話です。

 

第2症例(その2)

第2節:医師たちも疑わなかった感染

私は『ただのかぜ』(現在では、そのように甘い判断する人は少なくなってきていることでしょう。)と思ってましたね、

ええ、「インフルエンザにもかかったことない」(この方には何の罪も責任もありません。ただし、今後は、それまでの常識は通じません。運動能力に優れたアスリートたちでさえ次々に感染しています。運動能力は必ずしも感染防御力には結びつかないことを十分に認識しておく必要があります。素人的な経験則に基づく思い込みによる油断が最も危険であり、周囲にウイルスをまき散らして感染を拡大させている可能性があります。)もんで。

「まさか新型コロナウイルスにかかっているとは夢にも思いませんでした。」

 

「熱が上がって」きて、【インフルエンザの検査も2回】(インフルエンザのキットによる診断法を主流にしてしまったことのデメリットは計り知れません。この検査の結果が陰性になると、保険診療では抗インフルエンザ剤は処方不能になります。臨床的にインフルエンザを強く疑った段階で直ちにタミフル®を処方すれば、A型でもB型でもインフルエンザには良く効きます。新型コロナウイルスに対しての効果の期待も皆無ではないし、無効であればインフルエンザを否定して、新型コロナを疑えば所要時間は短縮可能となり、メリットは少なくありません。)受けました。

【採血も2回】【おしっこの検査も2回】(妥当な検査です)というふうに。<インフルエンザで陽性が出なかった>もんで、先生方も、【「なんの病気やろ」と。「どっからの熱やろう」と原因を突き止めるのに必死やった】(この報告は現場の緊張感をよく伝えてくれています。東洋医学的治療戦略をもたずに、現代西洋医学理論に完璧に洗脳されてしまうと、患者の全体像や病態の把握をしてサポートすることの意義を理解することができなくなってしますのです。何が何でも診断を確定させてからでないと手当てができないという医学常識が多くの患者を苦しめていることに気づくことができないのです。)と思います。

看護師さんとはちょこっとね、冗談交じりに言いよったんですけどね。あくまで冗談で。まさか「自分が感染しているなんて思いもよりませんでした」(この方ばかりでなく、取材を担当したNHKの記者さんはともかく、その時点で、この病院の医師・看護師の方々も自分が感染する可能性があることをどれだけ認識できたでしょうか。認識はなかったように読み取れます。)ね。


「大人になってから1回も高熱なんて出たことない」(これは、とても素晴らしいことであり、自分の健康に不安を感じないで過ごせることは好ましことでさえあります。しかし。私たちは、この認識による思い込みや油断を警戒しなければならない時代に生きていかなければならなくなってきました。)んですよ、この病気になるまで。

「高熱が出だして5日目ぐらい」(この段階で入院していなければ助からなかった可能性があります。)から先生方も心配されまして、ちょっと大きい病院で診てもらったほうがいいんじゃないかということで、3月6日の午後に別の病院で診てくださいまして、

そこで【「肺炎にかかってます」と。「PCRの検査したほうがいいですよ」】(その通りだと思います)と言われまして。
検査の結果、感染が確認され指定医療機関に転院した。幸い、肺炎は比較的軽かった

私の場合、「よく食べてよく寝る」(これは大正解です‼)ということ、それが治療の1つやということでした。

「薬を飲んでも熱が38度から下がらなかった」ので、薬を変えてみようということで、違う薬を出していただいたんですね。

筋力の痛みとかを和らげる、<ロキソプロフェン>(これはロキソニン®という商品名で処方されることが多い鎮痛剤です。この薬は非ステロイド系の鎮痛薬の中でも効果と安全性のバランスが良いことから選択されたのではないかと思います。それまで出されていた薬はアセトアミノフェン系の解熱薬であった可能性があります。インフルエンザの場合は、アセトアミノフェン系の解熱剤を使用することが推奨されていますが効果は弱いです。)というやつですかね、それを出していただいて。

私の体とマッチしまして、「ぴったり熱は下がりましてね、37度ぐらいまで。」1錠飲んだらもう下がり始めましたね。すぐです。飲んで3時間後ぐらいですかね。

38度から37度に、1度ぐらいの差がありましたね。

「ものすごい体が楽になりました。」

ただ「息苦しさとたんは続いてました」ね。先生から話を聞いたもんで、「軽い肺炎で、それほどの治療をすることはない」と。

 

「それで安心したのかどうか分からないけど、味覚のほうが戻って」(安心すると食欲が戻ってくることが多いのは事実です。ですから、以下に患者さんを安心させ希望をもっていただくか、ということが大切だと思います。これは心身医学のメカニズムで説明できます。世界中の医療従事者にこうした大切な認識が欠如しているから、PCR検査が受けられるまで不安な患者を不安なまま放置することによって、病状の悪化を促進してしまうのです。)きまして。

転院した日の夕方の食事は「いりません。食べる気がしません、食欲がありません」って私は言いまして、「明日からにします」と言ったんですけど。

 

翌朝から食事が出てきたんですけど、もう、戻ってましたね。

「味覚が戻ってきて、多少の味はしてきまして、それから食事もとれるように」(安心して緊張が緩和すると副交感神経の活動が高まり食欲が回復すると同時に消化吸収機能も改善します。消化吸収機能が改善すると代謝解毒機能も向上するので、とても有利になります。中国では、このメカニズムを活用して、新型コロナウイルス感染症の患者さんに鍼灸治療を併用しています。これに対して批判的な専門家はどこにでもいますが、視野が狭いだけだと思います。)なってきました。

 

<明日に続く>

<特集:ポルトガル再発見>

Diário de Notícias はリスボンで発行されているポルトガルで最も有名な全国紙であり、内容は、政治から文化、スポーツなど多岐に渡っています。ポルトガル政府のスポークスマン的な存在の新聞です。しかし、これは単なる御用新聞以上の価値を持っているようです。

 

現在のポルトガルの首相は、アントニオ・ルイス・サントス・ダ・コスタ(ポルトガル語: António Luís Santos da Costa、1961年7月17日 - )で、弁護士でもあります。

かつては1997年から1999年まで国会担当相を、1999年から2002年まで司法相を、2005年から2007年まで国務・国内行政相を、2007年から2015年までリスボン市長をそれぞれ務めた人物です。2014年9月には社会党書記長に選出されました。

 

さっそく、最近のDaiario de Noticiasの記事を見てみましょう。

 

 

Primeiro passo para a normalidade... com risco de marcha-atrás

正常化への第一歩...後退するリスクと共に

 

Dois meses depois, os portugueses ensaiam na segunda-feira o regresso à vida normal, com abertura do pequeno comércio, cabeleireiros, livrarias e balcões das Finanças. No dia 18 reabrem os restaurantes, as crianças podem voltar à creche e os alunos dos 10.º e 11.º anos regressam à escola. O plano de desconfinamento, faseado até 1 de junho, será avaliado de 15 em 15 dias. Se correr mal, Costa garante que volta atrás.
Graça Henriques
30 Abril 2020 — 23:55
Daiario de Noticias

 

2か月振りの月曜日にポルトガル人は正常な生活に復帰し、小店舗、美容室、書店、銀行窓口が開く。18日にはレストランが再開し、子供たちは託児所に戻ることができ、10年生と11年生は学校に復帰する。閉鎖解除計画は6月1日まで、15日ごとに再評価される。もしうまくいかなければ、コスタは再び都市封鎖を指示する。

 

 

Grace Henriques
30 April 2020 - 23:55


António Costa apresentou esta quinta-feira o Plano de Desconfinamento, que terá três fases. © EPA/JOAO RELVAS

アントニオ・コスタは今週木曜日に都市封鎖解除計画を発表した。計画は3期によって成り立っている。

 

Não é o regresso à normalidade, porque "enquanto houver covid-19 a vida não será normal", como salienta António Costa, mas é um primeiro passo nesse sentido: segunda-feira, 4 de maio, os portugueses vão sai à rua e sentir a diferença. Poderão entrar em lojas de rua (os centos comerciais só reabrem a 1 de junho), poderão cortar o cabelo ou arranjar as unhas, ir à livraria, mas só terão os olhos à mostra quando andarem de transportes públicos e entrarem em estabelecimentos comerciais porque as máscaras passam a ser obrigatórias. O mar também regressa às nossas vidas, mas apenas para a prática de desportos náuticos individuais, pôr os pezinhos na areia e estender a toalha ao sol ainda é apenas uma miragem.

これは正常化へ復帰するのではない、なぜならば「Covid19が居続ける限り生活は正常にならないからである。」とアントニオ・コスタが指摘する通りだからである。しかし、これは正常化に向けての第一段階ではある:5月4日月曜日、ポルトガル人は通りに出て今までとの違いを感じるのである。通りの商店に入ることもできるであろう(6月1日には100件の商店のみが再開する)、髪を切ったり、爪の手入れをしたり、書店へ行ったりすることができるが、マスクの着用が義務付けられているので人々は公共交通機関で歩くときや商店に入るときはディスプレイを見ることくらいしかできないだろう。海も私たちの生活に戻ってくるが、ウオータースポーツの個人練習に限られ、太陽の下で足を砂の中に踏み入れたり、タオルを拡げたりすることはまだ憧れといった段階である。

 

O Plano de Desconfinamento apresentado esta quinta-feira pelo primeiro-ministro surge quase dois meses depois do primeiro caso de covid-19 em Portugal, a 2 de março. Desde então, o número de infetados subiu para mais de 25 mil e o número de óbitos está muito próximo das mil vítimas mortais. É um plano em três tempos, com as medidas a serem reavaliadas de duas em suas semanas - 4, 18 de maio e 1 de junho.

今週木曜日に首相によって発表された封鎖解除計画は、ポルトガルでの最初の症例が発生した3月2日から数えてほとんど2カ月を迎える。そのときから、感染者数は25,000人以上、死者は1000人に接近するまでに増加した。これは3期におよぶ計画で、2週間ごとの見直しが5月18日と6月1日に行われる。

<聖楽院>

臨床聖楽法(聖楽療法の理論)

第一部では、聖楽療法の理論の背景としての心身医学について概説し、そのうえで新しい心身医学の考え方を明確にしました。

 

第二部は、聖楽療法の拠点としての聖楽院とは何かについて、その起源を述べ、いくつかの心身医学的アプローチをどのように応用して発展してきたかを省察します。

それでは、「第二部 聖楽療法 理論と実践の性質」のアジェンダを示します。

 

第3章 臨床聖楽法の起源と基礎

第4章 臨床聖楽法における芸術音楽活動の価値

第5章 臨床聖楽法の理論的根拠、実践、意味

第6章 音楽療法モデルにおける臨床聖楽法の考え

第7章 現代の音楽療法の枠組みにおける臨床音楽法の考え

 

先月は第3章 臨床聖楽法の起源と基礎のなかで
音楽療法はどのように発展してきたのか?
そして臨床聖楽法は音楽療法の中でどのような立場と役割をもつのか?

について論じた後、媒体としての音楽―臨床聖楽法理論の一つの基礎というセクションに入りました。

 

そして、前回のタイトルは「審美的体験としての音楽体験」でした。

今回は、

第3章 臨床聖楽法の起源と基礎

をすすめていきます。

 

それでは本題に入ります。

 

第3章 臨床聖楽法の起源と基礎

媒体としての音楽―臨床聖楽法理論の一つの基礎

手段に内在する媒体としての音楽

 

音楽中心音楽療法の権威であるケネス・エイゲンは、音楽療法における音楽が手段であるか媒体であるかを考える際には、それが「誰にとって」のものであるかを明確にしなければならない、とします。その際、非音楽中心な理論は正当化されるだろうか?という命題を提示しています。

エイゲンの立場では、理論の役割についてどう考えるかをその答えの基準としています。

クライエントの体験は重要な意味を持つので、それが理論と合致すべきであるとのことから、認識的にも実用的・職業的見地からも非音楽中心な理論を使用することは正当ではないとします。エイゲンは、ここでも「非音楽中心な理論」について言及していますが、何をもって「非音楽的」とするかについては、その根拠を含めて十分に了解可能でないのが残念です。

 

エイゲンは、その一方で、セラピストのアプローチが完全に非音楽中心で、音楽体験を純粋に非音楽的な目標を達成する手段としてしか考えていない場合でも、クライエントにとっては、音楽は喜びをもたらす媒体であり、それ自体が存在理由であると感じていることもありうることを想定しています。

そして、特定の状況の模範として理論がどれだけ適切に役割を果たすかどうかは関係なく、理論はセラピストにとって実践的な知恵であると考えるなら、クライエントの体験とセラピストの解釈の間にズレがあったとしても何ら問題はないであろう、としています。

ただし、臨床聖楽法の立場では、エイゲンが指摘するような音楽体験を純粋に非音楽的な目標を達成する手段としてしか考えていない場合という例示は、非現実的で極端なまでに概念的であると考えます。「完全に非音楽中心」なアプローチは、そもそも音楽療法ではないはずだからです。

 

しかし、そのうえで、エイゲンは、こうした実践的な知恵が理論の主な機能であると考えるより、クライエントの体験を正確に捉えた理論の方がより効果的な療法の実践に繋がっていくという信念を表明しています。その理由として、もしセラピストがクライエントとの音楽的な係りを単なる手段としか考えていなければ、音楽の質が低下し、クライエントが可能な限り利益を得ることができなくなってしまうからであるとしています。

 

音楽は媒体か手段かという議論は音楽療法の目的と切り離して考えることはできません。

 

ノードフ・ロビンズ音楽療法のアプローチで臨床的ミュージシャンシップとして知られる即興活動を通じて行われる臨床的・音楽的な実践は、クライエントが楽しみを得て自己表現をする媒体であると同時に、より豊かな表現やコミュニケーションとしての音楽的スキルを発展させるための手段でもあります。

これは、クライエントが臨床的に有益な体験の媒体である音楽活動に参加することが、より深いレベルの包括的な音楽的体験を得るための手段となっています。

セラピストは深いレベルの体験の効果を得るために、クライエントの音楽への参加を拡大し、発展させ、区別していこうという実践をします。

 

このように厳密な意味で手段と媒体は分割できません。

デューイは、ある活動が手段と媒体の両方の作用をすることを認めています。

媒体とは、「何かをするため」の媒体です。それは、何かが起こる実態であり、プロセスであり、内容です。

この点において、外面的には媒体は手段と変わりがありません。ただし、手段が通常外的な目的のためのものであるのに対して、媒体は手段そのものの中に内在するものです。

これは、手段そのもののうちに目的が内在するような場合が媒体であるとすることができるからです。

たとえば学ぶことやレッスンを受けることそのものに楽しみを見出し、味わえている場合には、その活動が体験の媒体になるということです。

 

音楽中心音楽療法では、非音楽的な面での効果も多くもたらされることがあるし、音楽的体験が唯一の道であるということもありません。

しかし、それは音楽療法における音楽の機能が媒体であるということを否定するものではありません。

エイゲンは自らの考えを要約し、「音楽中心の実践では、音楽はクライエントにとって体験であり、だからといって、セラピストが将来的により深い音楽的体験へ導いていくために、クライエントの音楽を手段として用いることを否定しない」としています。

<線維筋痛症 JFIQの経過報告>

 (図1)

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JFIQは線維筋痛症の経過観察に欠かせない指標です。

 

 

最高点が100点で、20点未満が正常値になります。

 

 

 (図1)は左側が初期時の点数、右側が現在の点数でその2点を結んだものです。

 

 図2)

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(図2)は線維筋痛症の治療効果の割合を表したものです。

 

 

 50以上点数が下がると「著効」です。

 

 

 20以上50未満点数が下がると「改善」です。

 

 

 20未満の点数の低下は「無効」の判定となります。

 

 

<今回の考察>

 

正規性の検定で初期値、現在値共に正規性がありました。

 

 

その後、関連2群の検定と推定を行いました。

 

 

1)統計的にみて、JFIQスコアが有意に改善したことが証明されました。P(危険率)=0.001%でした(図1)

 

 

pが0.05以下であれば統計学的優位である。

 

 

pが0.01以下であれば統計学的に極めて優位である。

 

 

2)JFIQスコアの判定基準として、20点以上改善されると治療が有効、50点以上改善されると著効となります。

 

 

  今回、 9名の平均で    43.8点改善していたため、全体として鍼治療は   有効であったと言えます。

 

 

個別でみると、著効4名(44.4%)、有効3名(33.3%)、無効2名(22.2%)でした。(図2)

 

 

 

杉並国際クリニック 統合医療部 漢方鍼灸医学科 鍼灸師 坂本光昭

 

特集:シリーズ『新型コロナウイルス罹患者の体験から学ぼう』

取材報道<NHK特設サイト 新型コロナウイルス>から学ぶ4症例の研究

 

新型コロナウイルスに感染したとき、どんな事態に直面するのか。感染した人や家族の話を通して、その一端を知るため、NHKが行ったインタビューの内容をできるかぎり詳細にお伝えします。

 

以下は、取材記事を下敷きとし、加筆や編集部分は赤い文字として区別しました。


症例2:高熱や息苦しさ 味覚もなくなる…どこで感染したか分からない

 

3月27日取材 (高知放送局 山嵜雄大 宗像玄徳)

 

新型コロナウイルスに感染したとき、どんな事態に直面するのか。どこで感染したのか心当たりがないという高知市に住む50代の男性の話です。

 

第2症例(その1)

第1節:突如現れた さまざまな症状
男性に症状が出始めたのは2月末、<別の疾患で入院>(入院の理由となった別の疾患の診断名は明らかではありませんが、通常、事故や外傷は疾患とは区別されます。この方には、入院加療を要する程度の何らかの基礎疾患があったことが推測されます。基礎疾患のある方が罹患しやすく、重症化しやすいことが明らかになってきています。⇒戦略1/戦術1:慢性疾患にて入院すべき段階で、玉弊風散を1日2包内服を推奨します。)しているときだった
「まず寒気、それと節々の痛み」(普通感冒、インフルエンザと共通する新型コロナ感染症の初期症状⇒戦略1・2/戦術1・2:玉弊風散に加えて藿香正気散を直ちに開始)が起きました。

「腰と背中の脊髄あたりがちょっとずきずきと痛む」(普通感冒より重い感染症が疑われます。普段から玉弊風散を内服していると重症化の予防になると思います。)ような感覚と、「寒気が全身に、足元から首元ぐらいまで」ですね。

それから「微熱が37度ちょっとぐらい」出ました。明くる日、夕食終わって8時ぐらいから「38度以上の熱」になりまして、日に日に症状が悪化していきまして。3日目には「39度以上の高熱が出て、それが4日間ぐらい続き」(現在の体制であればPCR検査の適応ですね。ただし、感染拡大の防禦の一点張りで、その間の免疫力維持のための心身のケアに対するサポートは全く関心がもたれていないことは人類の大問題だと考えます。もし、この間に、玉弊風散と藿香正気散を内服していれば軽く済んだ可能性があります。)ました。


【お薬を処方していただいて1日3回飲んでました。】(処方内容が気になるところです。)それでも効き目なくて、

「薬飲んだときは37度6分とか38度ちょっとまで下がり」(解熱剤が処方されていた可能性があります)ましたけど、

また「2時間ぐらいたったら、ばあっと39度以上の高熱」(高熱の発熱と解熱を繰り返すことによって、体力の消耗は著しく低下します。短期間であれば発熱反応を強力に抑制しないことが予後の改善には重要であると考えます。50代であるという、この方は、比較的抵抗力が大きいタイプであった可能性があります。抵抗力が乏しければ、たとえ40代以下でも致死的な状況に至る可能性があります。)になりまして。

とにかく「だるさと体の熱さ」ですね。それから吐息の、なんて言ったらいいかな、「息苦しさ」(この段階で肺炎の発症が疑われます。入院中で幸いでした。)ですか。

「呼吸がちょっとしんどい、息が続かない。プールで顔をつけて上げるみたいな感じ」(実感のこもった表現です。片側のみでなく両側に拡大していた可能性があります。多くの肺炎は片側なので、急激に重篤化することは比較的少ないのですが、新型コロナ肺炎の特徴は、短時間のうちに両側の肺炎となることで、急激な呼吸不全を来すことが指摘されています。)で。

とにかく『食べて寝ることがいちばん』(基本的には妥当な判断です!)やと思ったんですけど、「食べることが全くできなく」(新型コロナ感染症では、食欲低下の持続による脱水と栄養障害が問題になります。これが続くと免疫力がさらに低下し、肺炎を難治化させ重篤になっていきます。)なりまして。

「味覚がなくなり、味も無くなった」(嗅覚・味覚の脱失は、新型コロナ感染症の特徴的な症状の一つです。)もんでね。

高熱が出た明くる日の朝ご飯、その病院はパン食なんですけど、「全然食べられない状態」(それでも、この方は、すでに入院中であったことが幸いしました。現段階では、受け入れ先に余裕がないため、とても危険な状態です。)で。パンにクリームとかいろいろあったんですけど、それに牛乳付きで。

パンを全く食べられない、味もないということで、そこで気付きました。お味噌汁を飲んでも全然味がしません。ダシの味も1ミリもしません。

白米の「においなんかも感じません。もう、1ミリもしない」(優れた表現力ですね。嗅覚・味覚の消失が相対的なものではなく、絶対的な激しいものであることを端的に表しています。)です。


それやったら「冷たい水を飲んだほうがずっとおなかも張るし、味がないけど気持ちいい」(これは、良い方法です。しかし、冷水ばかりを摂取するのではなく、間欠的に常温のミネラルウォーターを摂取することによって、消化管のコンディションを維持する必要があります。)ですよね。

うどんのときもありましたけど、「うどんだけやったら無理やり詰め込んで食べ」(この判断も間違いではありません。なるべく咀嚼をしていただくようにすれば、さらに望ましいです。)たり。

『お薬を飲まないといけないんで、どうしても食べとかないかん』と思って、「なんとかして無理やり詰め込みよった」(これができたのは、この方の持ち前の強い意志ばかりでなく、比較的強健な消化管をもっていらしたのではないかと推測できます。逆に言えば、普段消化管機能が低下しているような方は、感染症の悪化を阻止しにくい可能性が高いということになります。)ですね。

 

<明日に続く>