5月25日(月)特集:シリーズ『新型コロナウイルス罹患者の体験から学ぼう』症例6:故郷に戻れず逝った父 ①

取材報道<NHK特設サイト 新型コロナウイルス>から学ぶ11症例の研究

 

新型コロナウイルスに感染したとき、どんな事態に直面するのか。感染した人や家族の話を通して、その一端を知るため、NHKが行ったインタビューの内容をできるかぎり詳細にお伝えします。

 

以下は、取材記事を下敷きとし、加筆や編集部分は緑文字として区別しました。


症例6:故郷に戻れず逝った父

 

4月11日・12日取材 社会部 山屋智香子
名古屋市に住む81歳の男性は2月末に新型コロナウイルスへの感染が確認され、3月、ふるさとから遠く離れた東京の病院で亡くなりました。1人で父を見送った息子、夫をみとることができなかった妻。亡くなるまでの1か月を語りました。

 

症例6(その1)

第1節:健康のために通っていたスポーツジムで~妻の話~ 

 

男性は妻と2人暮らし。ゴルフが趣味でスポーツジムに通うなど81歳という年齢を感じさせない活動的な人(註1:高齢者でも行動体力に優れている方がいらっしゃいます。しかし、行動体力は直接、防衛体力には結びつかないことがあります。これは、高齢者に限らず、若手のアスリートも例外ではありません。ウイルス感染防御に関係があるのは、防衛体力です。ゴルフもスポーツジムも行動体力の増強には確かに有用です。しかし、これからは『防衛体力をいかに増強するか』ということがポイントになります。水氣道®をヒントにしてください!また、勤勉な杉並国際クリニックの皆様であれば、『玉弊風散(ぎょくへいふうさん)』を内服して予防することができます。)だった


2月18日にジムに行ったんですよ。ジムには土日をのぞいて毎日行ってて。その日は行ったら消毒してたんですって、ジム(註2:スポーツジムでの集団発生が注目されています。室内にあるジムは空気の動きが淀みやすいのと、空気が乾燥していること、有酸素運動とはいっても、激しく頑張って運動する熱心な感染者が無数のウイルス粒子を拡散させてしまう可能性があります。またウイルスが空中から床に落ちても失活しにくい環境にあるため、そこで複数の方が体操したり、ダンスを踊ったりすれば、再びウイルス粒子は空中に巻き上がることが考えられます)ね。コロナにかかった人がいる(この段階で、接点があったすべての人のチェックが実施できていることが望ましいのですが・・・)っていうことで。


19日に朝起きたら「なんか、ひざがおかしい」(註3:ウイルス感染症にともなう関節炎の可能性があります。インフルエンザでも観察されます。初期の軽度の異変に警戒すること:ステップ1をクリア)って、熱を測ったら38度(註4:客観的な身体情報を確認すること:ステップ2をクリア。ただし、平熱の記載がないのではありますが、この方の平熱が36.5℃だとしたら、この時点で『地竜(じりゅう)』を服用しておくと、熱さまし効果だけではなく、今後の血栓形成予防に役立った可能性があります。)

 

ジムに電話したんです。「コロナにかかった人がいるって聞いたんですけど、その方は何曜日の何時にジムに行ってたんですか」って聞いた(註4:この方の対応は、模範的です。初期のうちから正確な情報を収集すること:ステップ3クリア)ら、「同じ時間帯に同じスタジオの中に2日間いました」って。


それでもうスポーツジムの方が「病院へ行ってください」って言われて。病院に電話をかけた(註5:即、行動に移す。まずは外部資源との連絡をとること:ステップ4クリア)ら、保健所のほうに相談するように言われて、病院へ行きましょうということ(註6:行動の途中で諦めない。遠慮せず外部資源と確実にアクセスを果たすこと:ステップ5クリア)で。

もう行った時点でエックス線で肺炎になってることが分かったのでそのまま入院ていう形になって、あくる日に陽性(註7:ここまでは最速・最短で手続きが進行しています)って分かりました。


熱だけで元気だったんです。食欲もあって。入院してからだいたい1日3回ぐらいは電話かけていますので、「熱下がってきてるよ。でも食事がまずい」とかって言ってたんですけどね。そんなに深刻な状態じゃないと思ってました(註8:そのように判断することは、この時点では已むを得なかったと思います。)けどね。そこからあっという間に悪くなった(註9:これが新型コロナの最も恐ろしい特徴の1つです)んですけどね。

 

<明日に続く>