COVID-19に対する鍼灸治療介入に関するガイドライン(第2版)速報No3

新型コロナ対策:世界最強の鍼灸マニュアル(疑い症例用)

 

現論文タイトル:中国针灸学会 新型冠状病毒肺炎针灸干预的指导意见 (第二版)

 

The China Association of Acupuncture and Moxibustion issued Acupuncture Treatment Guidelines for COVID-19

 

 

日本語翻訳・解説:杉並国際クリニック 飯嶋正広

 

二、针灸干预的方法

 

二.鍼灸治療介入の方法

ガイドラインでは治療法を予防期(診断が未確定な疑い症例)、治療期(診断が確定し症状出現した症例)、回復期の三つに分けています。

中国の研究ではコロナウイルスの悪化予防、治療に対して漢方や鍼治療が有効であるとしています。そして、本文中には脈の状態や、舌の状態によって使用するツボを選択する方法が掲載されていますが、鍼灸師が新型コロナウイルス患者の舌診を行うことは感染のリスクを高め極めて危険であるため省略しました。

 

杉並国際クリニックでは、<予防期>と<回復期>のみを治療の対象とします。<治療期>は、入院の上、厳格な感染防御対策を講じることが可能な場合に限って実施すべきであると考えます。

 

 

(一) 医学观察期(疑似病例)的针灸干预

 

(一)<予防・医学観察期> (疑い症例)の鍼灸ケア

 

 

目标:激发人体的正气与肺脾脏器功能,溃散分离和去除疫邪,
使脏器御邪能力增强。

 

目標:予防期では主に生気、肺・脾の機能を上げることまた、疫病の病原体を駆逐し、分離し除去して、病原体に対する内臓の防御力を高めること

 

 

主穴:

(1)风门、肺俞、脾俞;

(2)合谷、曲池、尺泽、鱼际;

(3)气海、足三里、三阴交;

 

主穴:

(1)風門(BL12)、肺兪(BL13)、脾兪(BL20)

(2)合谷(LI4)、曲池(LI11)、尺沢(LU5)、魚際(LU10)

(3)気海(CV6)、足三里(ST36)、三陰交(SP6)
每次每组穴位可选择1-2穴使用。
 

予防期に使われるツボは以下の3群の中から1、2つ選択します。

 

 

配穴:

兼发热、咽干、干咳,

 

配大椎、天突、孔最;

兼呕恶、便溏、舌胖苔腻、脉濡,

 

配中脘、天枢、丰隆;

兼疲乏无力、食欲不振,

配中脘、脐周四穴(脐中上下左右各旁开1寸)、脾俞;

兼流清涕、肩背痠楚、舌淡苔白、脉缓,

配天柱、风门、大椎。

 

 

追加治療穴(以下の症状によって追加するツボ)

発熱、喉の乾き、乾性咳嗽がある場合:

大椎(GV14)、天突(CV22)、孔最 (LU6)

 

吐気・嘔吐、軟便/舌苔厚、脈軟の場合:

中脘(GV12)、天枢(ST25)、豊隆(ST40)

 

疲労倦怠、食欲不振:

中脘(CV12)、臍傍4穴(臍から1寸、上下左右)脾兪(BL20)、

 

透明な鼻汁、肩こり、背中の痛み/舌色淡・苔白、緩脈:

天柱(BL10)、風門(BL12)、大椎(GV14)

 

 

 

杉並国際クリニックでの鍼灸活用法

鍼灸治療は、大昔から、いわゆる風邪の初期の際にも大変重宝されてきました。しかし、現代では、よほど通でない限り、風邪を鍼灸で治そうという方はいません。これは、とても勿体ないことだと思います。

 

それでは、どんな方が、鍼灸治療の恩恵に預かっているのかというと、それは第一に、体の一部もしくは全身に慢性的な痛みのために鍼灸治療に通っている方、第二に、治療によって難病を克服できたあとにも、再発防止と日頃の健康の維持・増進のために一定の間隔でのメインテナンス治療を続けている賢明な方たちです。

 

そうした方々は、次第に風邪をひかなくなり、仮に風邪をひいても短期間に回復し、しかも爽やかな治り方を体験されています。鍼灸をはじめとする東洋医学(中医学・日本漢方)は、「未病を治す」といって、症状があらわれないうちに、あるいは、初期の軽い症状のうちに病気の種を取り除くことを大切にしているからです。

 

たとえば、腰痛や肩こりの治療のために来院された方が、臨機応変に処方された漢方薬を内服したり、坂本先生の鍼灸治療によって、本人が気付いていないうちに風邪や病気の種が取り除かれていたりすることは、ごく当たり前に行なわれているのです。

 

ですから、風邪を引いたから鍼灸治療をはじめるというより、何らかの心身の違和感を感じた段階で、早めに鍼灸治療を受けていただくことをお勧めします。