さすがは慶應の研修医!長期戦に備えた計画的戦略と見たり!!

すわ研修医による一斉蜂起か、責任放棄か、はたまた法規違反か?

 

集団感染が発生した慶応病院 ©文藝春秋

 

慶応病院(慶應義塾大学病院)で、10名を超える新型コロナウイルスの感染者が出た問題で、 その一因が研修医約40名が開いた懇親会だったことが「週刊文春」の取材でわかった。 

 

懇親会が開かれたのは、3月26日。小池百合子・東京都知事が緊急会見で外出自粛を要請した翌日だった。

研修の修了を受けて、慶応病院の研修医約40人が都内のダイニングバーで「お疲れ様会」なる懇親会を開催。

関係者によれば、会は三次会まで続き、最後はカラオケだったという。出席者の中に新型コロナウイルスの感染者がいたとみられ、クラスターが発生。 これまでに、懇親会出席者のうち少なくとも8人がコロナウイルスの陽性反応を示している。

 

 



慶應病院の発表を知って、ふと以下の言葉が浮かんできました。

 

<燕雀(えんじゃく)安(いずく)んぞ鴻鵠(こうこく)の志を知らんや>

 

註:

「史記」より、ツバメやスズメのような素人の大衆やマスゴミの凡人には、オオトリやコウノトリのようなエリートの卵たちの大きな志は理解できない、というたとえ。
しかし、いかなる背景や意図があるにせよ、慶応病院長は、以下のように発表するしかないでしょう。

 

 

慶應義塾大学病院公式サイトより
新型コロナウイルス感染症に関する当院の状況について

 

2020年04月06日

3月26日にご報告いたしました、他院から転院された患者さんを発端とする新型コロナウイルス感染が当院にも波及し、患者さんをはじめとして、関連する皆様に大変な不安をおかけしておりますことをあらためましてお詫び申し上げます。

 

本日4月6日時点での当院の状況と取り組みについて皆様にお伝えします。

 

・院内感染については、接触者対応を行い管理下において感染拡大を防止しています。

 

・院内感染の発端となった他院に業務上関連があった医師についても調査を行っており、陽性者や接触者については行政の指導に基づき適切に対処しております。PCR陰性者も最終勤務から14日間の自宅待機をしております。

 

・当院において初期臨床研修医の集団感染が発生いたしました。すでに報道されていますように、3月31日に当院での研修を修了した初期臨床研修医1名がPCR陽性であることがわかりました。研修医は行動をともにすることが多いことから、当院での研修を終えて4月1日から他の施設での後期研修を開始する予定であった者も含めて、当院における初期臨床研修医99名を即座に14日間自宅待機とし、接触者調査を行いました。本日までに待機を命じた初期臨床研修医全員にPCR検査を施行したところ、現時点で99名中18名がPCR検査で陽性となり、現在当院入院の上厳重に管理しております。PCR検査において陰性となった研修医も全員14日間の自宅待機を続行し、感染拡大の防止に努めております。

 

 また、接触者調査を進めていく中で、初期臨床研修医のうち約40名が集団での会食を行っていたことがわかりました。この事実は、直ちに行政に報告し、すでにその指導の下対策を講じております。会食に参加していない初期臨床研修医も陽性となっていることから、現在、さらなる接触者調査を行っております。

 

 当院では、全ての教職員に対して会食を行わないよう再三再四厳しい注意を行ってまいりました。例年行っております初期臨床研修(研修医課程)の修了式を集合する形で実施することも取りやめ、その後の懇親会も行わないよう注意喚起を行ってきました。今回の初期臨床研修医のとった行動は、患者さんを守るべき医療者として許されない行為であり、医師としての自覚が欠如していたと言わざるを得ません。初期臨床研修医の指導を行う大学病院として今回の事案を大変重く受けとめております。

 

 ご迷惑、ご心配をおかけした関係の皆様、社会全体に深くお詫び申し上げますとともに、初期臨床研修医には引き続き厳正な注意と指導を行ってまいります。市中感染が急速に拡大する中、医療者としての行動規範をより一層周知徹底し、再発防止に努めてまいります。

 

2020年4月6日

 

慶應義塾大学病院

 

病院長 北川 雄光

 

 

<本件に関する連絡先>

 

(患者さん)

新型コロナウイルス感染症発生に関するお問い合わせ専用ダイヤル

 

03-5363-3373 (月曜日〜金曜日 8:40〜16:30)

 

(報道関係)

 

慶應義塾広報室

 

m-pr@adst.keio.ac.jp

 

 

 

杉並国際クリニックの視点
集団で会食した約40名の初期研修医の皆様、未曽有の国難の中にあって、たいへんな研修医生活を続けてこられたことでしょう。本当にお疲れ様でした。
 

COVID-19は、感染者であっても必ずしも発症するわけではなく、しかも、その段階で他者に感染させることがあることも明らかになってきました。

もし、皆さんの行動が社会的に非難されるのであるとしたら、感染している可能性があるにもかかわらず毎日診療を続けているほとんどの医師も同様の非難を受けるべきではないでしょうか。

本来であれば、臨床医は感染のリスクが高いので、全員が優先的に定期的にPCR検査を受けるべきなのに、それが制度化されていません。

 

私は皆さんの病院の院長とは違い、皆さんがとった行動が必ずしも「患者さんを守るべき医療者として許されない行為であり、医師としての自覚が欠如していた」とは考えていません。

 

むしろ、長期戦に備え、すべてを覚悟の上での勇気ある集団決起であると推定しています。

激しいオーバーシュートが生じて入院ベッドが不足してから、皆さんが感染してしまったら、イタリアのような惨状を招くことになり、結果的に良いタイミングであったといえるのではないでしょうか。

とくに、PCR検査で陽性になった18名の皆さんは、いずれCOVID-19に対する免疫を獲得されることになるでしょう。

その暁には慶応病院その他の研修病院で対コロナ戦の最前線に立って立派に戦い続けてくださることでしょう。それによって、多くの患者さんを守り、その生命を救うことに貢献できたとしたら、皆さんはむしろ英雄でさえあります。

 

対コロナ戦は第三次世界大戦というより、いわばスターウォーズです。全員が地球防衛軍の一員です。

それにしても長期戦となる可能性が高いことを知りつつ、国は、国民全般に対して短期決戦であるかのような印象操作を与え続けてきました。国のリーダーは、太平洋戦争の教訓を何も学んでいないのと同然です。

 

『下医は病を治し、中医は人を治し、上医は国を治す。』と記した漢籍については、皆さんもご存じのことと存じます。皆さんは是非、上医として国を治すエキスパートとしてご活躍してくださいますことを心底より期待いたします。