4月2日(木)木曜日:フランス語旅行

週間<外国語>旅行

去年の3月に一週間滞在したパリのホテルの名前は、何と偶然にもCorona Operaでした。

このホテルのフロントで手にした新聞が『ル・フィガロ』 (Le Figaro) でした。

これは、フランスの日刊紙。フランス国内では最も古い歴史を持つ1826年に発行された日刊紙です。

 

論調は中道右派、もしくは右派とされ、発行部数は約31.7万部(2015年)。フィガロという名前はカロン・ド・ボーマルシェの戯曲『フィガロの結婚』の登場人物です。プッチーニのオペラで有名です。

 

以下が先週の電子版の記事です。

 

Le confinement s’installe dans la durée, Macron s’entoure d’experts

封じ込めには長期間を要し、マクロンは専門家を周囲に集めている

 

Le chef de l’État s’entoure d’un nouveau comité de spécialistes pour renforcer la lutte contre l’épidémie de coronavirus

Head of state surrounds himself with a new committee of experts to strengthen the fight against the coronavirus epidemic

国家元首自らをコロナウイルス流行対策強化の新規専門家委員会に取り巻かせている

 

 

これに対して、ル・モンド(フランス語: Le Monde)は、フランスの新聞(夕刊紙)で、紙名は「世界」を意味します。

発行部数は約29万2054部(2015年)。 前身は《Le Temps》(時代報)。ユベール・ブーヴ=メリーが1944年12月19日に、当時のシャルル・ド・ゴール将軍の助力で創刊しました。

 

その報道姿勢は世界的に高く評価され、1995年12月19日に電子版の発行を開始しました。 ルモンドの編集方針はリベラル(中道左派)といわれてきましたが、今ではル・フィガロとの対比のためか穏健派とするのが一般的のようです。

 

 

以下が先週の電子版の記事です。

 

• SANTE

• CORONAVIRUS ET PANDEMIE DE COVID-19
La France face au coronavirus : un confinement jusqu’à la fin du mois d’avril préconisé par le conseil scientifique
Selon les derniers chiffres officiels, le Covid-19 a fait au moins 1 100 morts, dont 240 depuis lundi soir, en milieu hospitalier. Le conseil scientifique estime « indispensable de prolonger le confinement ».
Le Monde avec AFP Publié hier à 04h54, mis à jour hier à 22h11

 

健康欄

コロナウイルスとCovid-19の世界的流行

フランスはコロナウイルスに直面している:科学者委員会によれば封じ込めは四月末まで

最近の公式数値データによると、Covid-19は少なくとも1,100人以上を死亡させ、月曜日の夜から240人を病院で死亡させている。科学者委員会はこの事態を受けて「更なる封じ込めが不可欠」と考えている。

『ル・フィガロ』 (Le Figaro)がl’épidémie de coronavirus、他方『ル・モンド』(Le Monde)がpandémie de Covid-19と表記しているのが興味深く感じられます。

 

 

 

コロナの世界的流行のような情報であればリベラルな新聞が有用であることが多いようですが、政治や外交、軍事などが経済問題や環境問題に関わってくる場合には慎重にしています。

それは私は、個人的な信条としてはともかく、外国の政治的本音を知るには保守的な新聞の方が有用である場合が多いことを経験してきたからです。

 

今日リベラルという言葉は、民主主義という言葉以上に警戒しなければならないとさえ感じています。

どちらも理念先行型であり、しばしば事実を理念に摺り寄せて記事にしてしまう傾向が世界中に、それこそコロナのパンデミックのように蔓延しているように思われます。

 

その結果、大手の新聞その他の有力メディアに操作されてきた世間一般の意識の方が次第に変わっていくことが考えられます。依然として左派、あるいは中道左派としての本質は変わらないままであっても、世間から穏健派と評されるに至ることもあるのではないか、という仮説を立てているところです。

 

英文紙でいえば、ニューヨーク・タイムズとジャパン・タイムズのコンビは毎日読んでいますが、批判的に読むことにしています。明かに政治的意図があり、また操作性も随所に認められ、盲目的に信用してしまうことは甚だ危険だからです。