ドイツ語との付き合いは長いのですが、最近までは、主にドイツ歌曲を歌うために親しんできたようなものです。そして、ドイツ人は比較的しっかりした英語を話す人も多く、母国語にこだわらない人も少なくないためか、一向に上達しません。

 

しかし、今回は久々にインパクトのある生き生きとしたドイツ語に触れる機会がありました。それはドイツのメルケル首相のテレビでの歴史的演説です。内容が素晴らしいので、6回に分けて、少しずつ訳してみました。メルケル首相の演説原稿を元にドイツ人の若き友人ハンス(東工大建築学科博士課程在学中)と毎週議論しながら進めていくことにします。

 

Presse- und Informationsamt der Bundesregierung

 

Mittwoch, 18. März 2020

2020年3月18日水曜日

 

Fernsehansprache von Bundeskanzlerin Angela Merkel

アンゲラ・メルケル首相のテレビ演説(その1)

 

- es gilt das gesprochene Wort -

 

Liebe Mitbürgerinnen, liebe Mitbürger,
das Coronavirus verändert zurzeit das Leben in unserem Land dramatisch. Unsere Vorstellung von Normalität, von öffentlichem Leben, von sozialem Miteinander - all das wird auf die Probe gestellt wie nie zuvor.

 

親愛なる国民の皆様、

コロナウイルスは目下わが国の生活を劇的に変化させています。私たちが思い抱いて

いる日常性や公的生活、社会的な付き合い ― こうしたものすべてがかつてない試練に

曝されています。

 

 

Millionen von Ihnen können nicht zur Arbeit, Ihre Kinder können nicht zur Schule oder in die Kita, Theater und Kinos und Geschäfte sind geschlossen, und, was vielleicht das Schwerste ist: uns allen fehlen die Begegnungen, die sonst selbstverständlich sind. Natürlich ist jeder von uns in solch einer Situation voller Fragen und voller Sorgen, wie es weitergeht.

 

何百万人という方々が出勤できず、子どもたちは学校や保育園に通えず、劇場や映画館や商店は閉まっています。そしておそらく何よりも困難なことといえば、当たり前の人の行き来ができなくなっているということでしょう。もちろんこのような状況にあっては、これからどうなるのか誰にとっても疑問や心配だらけです。

 

 

Ich wende mich heute auf diesem ungewöhnlichen Weg an Sie, weil ich Ihnen sagen will, was mich als Bundeskanzlerin und alle meine Kollegen in der Bundesregierung in dieser Situation leitet. Das gehört zu einer offenen Demokratie: dass wir die politischen Entscheidungen auch transparent machen und erläutern. Dass wir unser Handeln möglichst gut begründen und kommunizieren, damit es nachvollziehbar wird.
Ich glaube fest daran, dass wir diese Aufgabe bestehen, wenn wirklich alle Bürgerinnen und Bürger sie als IHRE Aufgabe begreifen.

 

今回私は常になく異例な形で皆様に話しかけようと思っています。それは、この状況が、連邦首相である私をはじめ連邦政府の同僚たちを何に導いているのかを皆様にお伝えしたいからです。開かれた民主主義に必要なこと、それは、私たちの政治的決定をも透明性あるものとして説明することです。それは私たちの行動の根拠を可能な限り十分に示してお伝えし、納得していただけるようにすることです。私には以下の確信があります。それは、この試練を国民の皆さんが御自分たち自身の課題として真に受け止めるならば、私たちはこれに打ち勝つことができるということです。

 

 

Deswegen lassen Sie mich sagen: Es ist ernst. Nehmen Sie es auch ernst. Seit der Deutschen Einheit, nein, seit dem Zweiten Weltkrieg gab es keine Herausforderung an unser Land mehr, bei der es so sehr auf unser gemeinsames solidarisches Handeln ankommt.

 

そこで私から皆さんに申し上げたいことがあります。事態は深刻です。国民の皆さんもこれを深刻に受け止めてください。東西ドイツ統一以降、いいえ、第二次世界大戦以降、わが国には市民の一致団結した行動がこれほどまでに重要になるような試練が降りかかってきたことはありませんでした。

骨訴訟症の治療指針(杉並国際クリニック2020初版)

 

A. 非薬物療法: 生活習慣の改善(栄養・食事療法、生活・運動療法)

 

<栄養・食事療法>

骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2011年版(ライフサイエンス出版、2011)および、五訂増補日本食品標準成分表より作成
嗜好改善:禁煙(受動喫煙防止も含む)⇒動脈硬化症予防に必須
喫煙・アルコールのとりすぎには注意しましょう。

 

喫煙は女性ホルモンの作用を妨げ、カルシウムの吸収を減らし、体外に排出させる作用があり、骨折リスクを高めます。

 

アルコールは多量にとりすぎると転倒しやすくなるだけでなく、カルシウムの吸収を悪くし、体外への排出を促し、骨折リスクを高くします。

 

骨に必要な栄養素をバランス良く摂取

骨の形成に必要なカルシウム、ビタミンD、ビタミンKなどを含む食物を意識しながら、栄養バランスの良い食事を心がけましょう。

カルシウムは、ビタミンDと一緒にとると、吸収されやすくなるので、食べ合わせに工夫しましょう。

 

カルシウム薬やカルシウムサプリメントは、食事からとるカルシウムとは特徴が異なるため、1日500mgを超えてとらないこと。

 

【カルシウムを多く含む食品】1日摂取目標量:700~800mg

 

【ビタミンDを多く含む食品】1日摂取目標量:400~800IU

 

【ビタミンKを多く含む食品】1日摂取目標量:250~300μg

 

 

食事療法のまとめ

① 制限すべきもの:

脂肪(飽和脂肪酸・トランス脂肪酸・コレステロール)、エネルギー・アルコール・糖質


② 摂取すべきもの:

適量のビタミン、ミネラル、食物繊維の摂取、高カイロミクロン血症では中鎖脂肪酸

 

<生活・運動療法>

適度な運動を行い、骨量を保つとともに、筋力をつけて転ばない体づくりをしましょう。

家の中での体操など、体を動かす習慣をつけましょう。

骨を作るには、必要な栄養をとるとともに、適度な運動をして骨に負荷をかけることが必要です。

また、筋力をつける運動、バランス感覚をつける運動をすることで、転倒を防止することもできます。

 

水氣道は、浮力に助けられた跳躍運動が含まれていて、関節軟骨に過剰な負荷をかけずに骨に垂直成の負荷を掛けることができます。また、水の抵抗・粘性や波動による揺らぎの力が作用するためバランス感覚を養うためには格好の運動です。

 

骨や関節、筋肉などが衰えて「立つ」「歩く」といった動作が難しくなり、寝たきりなどになりやすい状態は「ロコモティブシンドローム」と呼ばれます。

 

ロコモティブシンドロームを予防するためにも、適度な運動を行い、骨量を保つとともに、筋力をつけて転ばない体づくりを心がけましょう。

 

また、転ぶことを過剰に恐れるあまりに前かがみの姿勢で杖に頼りきってしまう状態になることは望ましくありません。

 

水中では、転倒による打撲などの外傷などのリスクはとても小さいので、正しい健康的な姿勢で安心して運動を続けることができます。

 

ロコモチェック(「ロコモ チャレンジ!」推進協議会)

ロコトレ(「ロコモ チャレンジ!」推進協議会)

 

転倒を防ぐ工夫を生活の中に取り入れましょう

住まいや身につけるものなど、さまざまな工夫を生活に取り入れることも、転倒を防ぐために大切です。

 

住まいの工夫

・家の内外の段差をなくす

・足元を明るくする

・階段や浴室・トイレなどに手すりやすべり止めをつける

・電気のコード類は壁に沿わせておく 

など

 

身につけるものの工夫

・滑り止めのついた靴下を履く

・スリッパやサンダルを履かない

・眼鏡の調整をこまめにする 

など

 

運動療法のまとめ

❶ 有酸素運動:

中強度、≧150分/週、≧3回/週

運動をしない日が2日以上続かないように実施

 

❷ レジスタンス運動:

2、3回/週、連続しない日程で実施

心身医学療法:

水氣道®

<解説>

レジスタンス運動、あるいは両者を組み合わせた運動は、血中脂質を改善させることが実証されています。

特に水氣道®は有酸素運動、レジスタンス運動の両者を組み合わせた優れた運動プログラムであり、血圧や血糖の降下効果の他に、血中脂質を改善し動脈硬化予防効果、筋肉量および骨量増加等の実績があります。

 

 

B. 薬物療法:

栄養・食事療法や生活・運動療法を前提としない薬物療法の効果は限定的です。

 

❶ 薬剤選択の原則

第1選択薬:

ビスホスホネート製剤

ステロイド骨粗鬆症の場合は、

アレンドロン酸(ボナロン®)、リセドロン酸(ベネット®)

 

副作用:

顎骨壊死、非定型大腿骨骨折
  

高齢患者(大腿骨近位部骨折のリスクが高い例)

BP製剤 アレンドロン酸、リセドロン酸

ゾレドロン酸(リクラスト®)

デノスマブ(プラリア®)←関節リウマチに伴う骨びらんの進行抑制にも
  

 

骨折の危険性の高い骨粗鬆症(複数の椎体骨折例、BP製剤使用中に骨折を生じた例)
        

副甲状腺ホルモン製剤テリパラチド(テリボン®)
  

活性化型ビタミンD₃製剤(椎体骨折抑制作用、骨密度上昇、新規椎体骨折発生抑制)
         

エルデカルシトール(エディロール®)  
         

注意:

妊婦、授乳婦には禁忌

選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)閉経後骨粗鬆症
ラロキシフェン(エビスタ®)骨量減少例に対する新規椎体骨折防止
          

副作用:

静脈血栓塞栓症、抗リン脂質抗体症候群
  

抗RANKLモノクローナル抗体(デスマノブ)
          

強力な骨吸収抑制作用、骨折予防効果(椎体、非椎体、大腿骨近位部)
          

副作用:

低Ca血症(投与早期)、顎骨壊死、非定型大腿骨骨折
副甲状腺ホルモン製剤(テリパラチド):投与期間2年
フォルテオ®(椎体骨折、非椎体骨折に対する予防効果)

抗スクレロスチン抗体(ロモソズマブ):投与期間12カ月、月1回

イベニティ®
適応:骨折の危険性の高い骨粗鬆症
副作用:心血管系事象の発現

再発予防策❷ 心原性脳塞栓症

 

心原性脳塞栓症

非弁膜症性心房細動(NVAF)患者への脳卒中再発防止

クマリン系抗凝固薬ワルファリン(ワーファリン®)が強く推奨されています。

ただし、ワルファリン投与中に大出血を来すことがあり、その場合にはプロトロンビン複合体(ケイセントラ®)の使用を考慮します。そのためワルファリンの使用に当たっては血中濃度モニタリングが必要で、また他の薬物やビタミンKを含む食品など食物との相互作用が多いため使いにくい側面があります。

標準化プロトロンビン時間(PT-INR)を2~3、70歳以上では1.6~2.6にコントロールします。

 

なおNVAF患者では虚血性脳卒中および全身性塞栓症の発症が懸念されますが、これらの発症抑制のためにDOACが適応になりました。

これらは血中濃度モニタリングの必要がなく、また薬物や食物との相互作用が少ないため使いやすい薬剤です。

 

・トロンビン阻害薬ダビガトラン(プラザキサ®)

 

・直接Xa阻害薬リバーロキサン(イグザレクト®)、アビキサバン(エリキュース®)、エドキサバン(リクシアナ®)

 

 

杉並国際クリニックでの臨床応用

非弁膜症性心房細動(NVAF)による心原性脳塞栓症の再発予防のためには、ワルファリンより出血性合併症の少ないDOACを考慮します。また出血の危険度の高い処置が予定されている場合は、ヘパリンではなくDOACへの置き換えを考慮します。ただし、処置当日のみはDOAC内服は中止とします。

ロシア語はキリル文字で書かれます。

 

以下がキリル文字のアルファベットで、上が大文字、下が小文字です。

 

АБВГДЕЖЩЗИЙКЛМ

НОПРСТУФХЦЧШЩЪЫЬЭЮЯ

 

абвгдежзийклм

нопрстуфхцчшщъыьэюяё

 

 

私はチャイコフスキーの歌劇『エフゲニー・オネーギン(Евгений Онегин』のレンスキーのアリアを言語で歌うための稽古をしています。

 

そこで、ほとんどがお馴染みのアルファベットに対応していることを知りました。

 

そして、いつしか興味を覚えるようになり、NHKテキスト「まいにちロシア語4月号」を手にしました。

 

当然、入門編からですが、4月の応用編はドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』です。

 

 

以下、アクセント記号の付け方がわからないので、単純に書きます。

 

 

1)作者:ドストエフスキー

 

キリル文字:Достоевский

 

英文字変換:Dostoefsky

 

発音:ダスタエフスキィ

 ⇒ロシア語の母音oは、アクセントが付かないところではаのように発音されます。

 

 

2)作品名:カラマーゾフの兄弟

 

キリル文字:Братья Карамазовы

 

 英文字変換:Bratya Karamazof

 

発音:ブラーチャ カラマーザフ

 

英語翻訳:Brother Karamazof

 

⇒ロシア語のBratya(ブラーチャ)は英語のBrotherとよく似ているのが面白いです。

 

 

3)冒頭

ロシア語原文:Эпилог-Речь у камня

 

英文字変換:Epilog-Pizhi u kamnya

 

英語翻訳:epilogue(米語では、しばしばepilog)-speech by the rockfall

 

⇒ロシア語のEpilogは英語でも同じ表記です。

 

 

4)ロシア語原文の中で使ってみたい表現

露文)

Господа,

мне хотелось бы вам сказать здесь,

на зтом самом месте,

одно слово.

 

和文)

皆さん、

僕は、あなた達にここで、

まさにこの場所で、

一言お話したいと思います。

 

 

かつての無知な私であれば、これは国後島か択捉島で、是非、言ってみたいセリフだったでしょう。

その前に、国連憲章の中で、敵国条項とされる第53条、第77条1項b、第107条を排除・削除するよう戦勝国をはじめ諸外国に強く要求すべきではないでしょうか。

 

そもそも、The United Nationsを<国際連合>と訳したのは欺瞞であり、日本国民に大きな誤解を与えました。

これは<戦勝国連盟>に他なりません。

日本が戦勝国によって敵国とされたまま、憲法九条を改正しても、国際的には何の意味もありません。こうした意見が国会の場に出てこないのは、すこぶる残念なことです。

再発予防策❶

 

脳卒中の再発予防には、1)高血圧、2)糖尿病、3)脂質異常症、メタボリックシンドロームなどの生活習慣病の管理が重要ですが、その管理を成功させる前提条件は、禁煙、節酒などの生活習慣の改善にかかっています。

 

1) 高血圧
脳卒中罹患患者では、血圧管理の目標を140/90㎜Hg未満とします。ただし、脳出血・くも膜下出血・ラクナ梗塞の患者さんや抗血栓薬を服用している患者さんでは130/80㎜Hgとさらに低い目標設定が可能であれば、それを目指します。

推奨される降圧薬は、Ca拮抗薬、ARB、ACE阻害薬、少量の利尿薬です。

 

2) 糖尿病
血糖のコントロールが基本です。しかし、血糖コントロール単独ではなく、1)血圧管理、3)脂質管理が不可欠です。

脳卒中再発予防のためには糖尿病治療薬のなかでもピオグリダゾン(アクトス®)が有効です。

 

3) 脂質異常症

脂質異常症のなかでも高コレステロール血症(総コレステロールやLDLコレステロールが高い場合)は、スタチンが推奨されています。

スタチンは血清脂質改善作用ばかりでなく、抗酸化作用、抗炎症作用、内皮機能改善作用などがあり、動脈硬化巣の退縮あるいは安定化作用があります。

スタチン抵抗性高コレステロール血症では、PCSK9阻害薬エボロクマブ(レバーサ®)、ありロクマブ(プラルエント®)が検討されていますが、脳梗塞患者における有用性は確立されていません。

 


杉並国際クリニックでの臨床応用

脳卒中の再発予防法について学んでおくと、脳卒中の一次予防の大切さがより良く理解できると思います。

当クリニックでは、肥満の分類・メタボリックシンドローム評価からはじめることが多く、上記の1)高血圧、2)糖尿病、3)脂質異常症についても、それぞれ具体的なフォーマットを完備し、患者の皆様にも、個々の状況に応じた簡易な生活行動記録表を作成していただいております。

上記の他にも慢性腎臓病(糖尿病性腎臓病用は、別建て)、高尿酸血症・痛風、心不全、骨粗鬆症、関節リウマチなどを整備し、改訂も行っております。

 

脳卒中の予防のための高血圧管理の成績はほとんどの皆様が良好ですが、糖尿病の管理については、必ずしも徹底できていないため、更なる工夫と努力を要するところです。

 

そこで、脳卒中の再発防止に有効な糖尿病治療薬ピオグリダゾン(アクトス®)の当クリニックでの使用法について説明します。この薬剤の特性は、動脈硬化リスク因子を改善させるメリットにあります。

ただし、体重増加や体液貯留のリスクもあります。

この薬剤が使用できる条件は、2型糖尿病に限定されます。ただし、2型糖尿病であれ ば処方できるのかというと、そうではなく、以下の場合に限ります。
  

❶ 食事・運動療法のみ、または加えて一定の糖尿病治療薬(SU類・αGI・BG類)で効果不十分な場合
  

❷ 食事・運動療法に加えてインスリン投与で効果不十分な場合

  

それから薬剤の処方においては禁忌を確認しておく必要があります。この薬剤は、心不全、重症ケトーシス、糖尿病性昏睡・前昏睡、重篤な肝・腎障害、重症感染症、手術前後、重篤な外傷、妊婦、が禁忌とされます。

ですから、心不全発症の恐れのある心筋梗塞、狭心症、心筋症、高血圧性心疾患などの心疾患のある方には慎重に使用しなければなりません。

他に1型糖尿病も禁忌の一項目ですが、適応が2型糖尿病であるので、糖尿病の正しい診断が鍵となります。また、膀胱癌治療中の患者にも投与を避けるべきとの注意があります。

  

食事療法・運動療法では効果が十分ではなく、インスリン抵抗性が推定される2型糖尿病が良い適応となる他、他の糖尿病治療薬でコントロールが十分でなく、インスリン抵抗性があると思われる例も適応となります。
  

<食事療法・運動療法では効果が十分ではなく>とありますが、実際には、効果が十分でないのではなく、十分に実施していないことがほとんどなので、やむなく薬物療法に踏み切らざるを得ないのです。

とくに水氣道®は、多くの糖尿病患者さんのための生涯エクササイズとして理想的なのですが、なかなかご参加いただけていないのが残念です。水氣道は内臓脂肪蓄積量を減少させることによってインスリン抵抗性を低下させる効果があります。
  

<インスリン抵抗性が推定される>とは、どのような目安での推定なのでしょうか?

実際にはBMI≧25㎏/m²、空腹時血中インスリン≧10μU/mL、インスリン抵抗性指数(HOMA-IR)≧2.5などの指標を参考にします。

このデータは、75g糖負荷試験を実施することで得ることができます。

杉並国際クリニックでは、この試験のための指針を作成して、診療フォーマットに基づき着々と症例を重ねています。
  

そして、アクトス®を処方するためには、予め一定の糖尿病治療薬(SU類・αGI・BG類)のいずれかが使用されていることが前提ですが、当クリニックでは近年SU類の処方は減少しています。

その理由は、スルフォニル尿素(SU)類で血糖コントロールが不十分である場合に追加薬としてアクトス®を併用すると低血糖を起こすことがあるからです。

とくに脳卒中後遺症がある糖尿病患者には低血糖に至ることはとても危険です。そのため、当院では、α-グルコシダーゼ阻害薬(α-GI:ベイスン®、グルコバイ®、セイブル®)もしくはビグアナイド(BG:メトグルコ®、グリコラン®、ジべトス®)類を選択することが増えています。
  

またアクトス®は、妊婦で禁忌とされるだけでなく、女性には使いにくい側面があります。それは水・ナトリウムの貯留作用があるために、しばしば体重が増加し、女性ではそれが顕著となり易いからです。

むくみ(浮腫)が強い場合にはフロセミド(ラシックス®)などのループ利尿薬を用います。

その場合でも水中有酸素運動である水氣道®を継続している方に限れば、利尿剤なしでも体重増加もなく、浮腫も発生せず、ナトリウム貯留による血圧上昇も見られません。

水氣道®は水中での水圧による自然な加圧トレーニングであり、水深に比例して水圧が高くなるため、下半身のむくみが改善しやすいというメカニズムを有効に活用できるメリットは大きいと思います。
  

杉並国際クリニックは、日常診療は継続しているものの、将来に向けて重要な活動である聖楽院は完全に休止状態にある他、水氣道は辛うじて火曜日の夜間の稽古(鷺宮室内温水プール)のみを繋いでいる状況のまま年度末を迎えようとしています。

 

一年の計は元旦にあり、といいますが、一年の計を正月気分で立てているようでは失敗します。それと同様に、新年度の計は遅くとも3月には仕上がっていなければならないことでしょう。NHKの語学番組も4月からではなく、3月末に始まっていました。

 

さて当クリニックでは、英語による外国人診療を行っているほか、ホームページ上では、英語の他に、ドイツ語、フランス語、イタリア語で紹介を行っております。

 

しかし、実際には、中国語、ロシア語、スペイン語、ポルトガル語を母国語とする外国人旅行客の訪日が増えています。目下進行中の新型コロナウイルス(COVID-19)はパンデミックとなり、人類共通の危機として、国境を越えて世界中で猛威を振るっています。

 

私たちは身の回りの無事だけを祈っていれば済まされる状況ではないことを深く認識しつつ、諸外国語をよりどころに毎週、世界一周の旅をすることにしました。

 

以下が、一週間の旅程です。

 

月曜日:中国語

火曜日:ロシア語

水曜日:ドイツ語

木曜日:フランス語

金曜日:イタリア語

土曜日:スペイン語

日曜日:ブラジル(ポルトガル)語

 

 

3月23日(月)

中国語旅行

 

私は日本東洋医学会が認定する漢方専門医の有資格者なので、「傷寒論」などの原書に触れる機会があります。そこで、少しばかり中国語には親しみを感じます。しかし、現代の中国語は簡体字です。

台湾で用いられている繁体字は、かつて日本で用いられていた旧漢字なので判読しやすいのですが、普通話は、文字のつくりの情報量が少ない分だけ判りにくいです。

街角や交通機関などの公共の場やレストランなどで最近、中国語がたくさん目に入ります。漢字なので何となくわかりそうですが、最初は勘違いしていたものもあります。

 

それは「加油!」です。ガソリンスタンドかキッチンでの話かと思いきや、

「加油日本!」で「日本頑張れ!」という意味になります。最近では、パンデミックに対して、賢明な初動の決断に引き続き、わが国より遥かに賢明な行動を継続している台湾に声援をおくるべく、「加油台湾!」と叫びたくなるところです。

 

さて・・・

 

山川異域、

風月同天、

寄諸佛子、

共結来縁

 

これは中日の仏教交流史上の逸話に由来する唐詩です。唐王朝の全盛期、日本からは仏教を学ぶために多くの僧侶が派遣されました。その際、日本の長屋王が千着の袈裟を縫わせ、唐の高僧への贈り物として持たせました。その袈裟の縁に刺繍されていたのが、この詩です。

その意味するところは、

 

自然の風物が異なる別々の国土に暮らしていても、

 

風や月のような自然は天ではつながっている。

 

この袈裟を仏弟子である皆さんに贈ります。

 

共に来世での縁を結ぼうではありませんか。

 

 

これは四句で仏の功徳を説くのが一般的とされる偈頌(げじゅ)という詩の形式です。この偈頌は『全唐詩』の中にも「繍袈裟衣縁」という題で収録されました。日中間の交流史に名高い「鑑真和尚」は、この詩に感動したことがきっかけで日本に渡ることを決めたと伝えられています。

 

中国語用のフォントに変換困難なため、註を加えます。

 

この詩の漢字のうち、異、風、は現代中国語では少し違った形です。

 

また、結、縁はほとんど似ている感じなので班別は容易です。

 

偶然ですが、「異風」には大きな相違がありますが、「結縁」はほとんど同じです。

 

水氣道の仲間の方はお馴染みの形変換のステップ「起・承・転・結・縁」で、最後の「結と縁」は、「結縁(けちえん)」という熟語を形成します。

 

これはもともと仏語(フランス語ではなく仏教用語です!)で、仏道に入る縁を結ぶこと、成仏・得道の因縁を結ぶことを意味しました。転じて、関係がつくこと、縁故を結ぶこと、の意味で用いられます。

 

水氣道では、前の動作と後の動作とが無関係ではなく、結びついているように、水氣道の道を得ることの喜びと感謝とに御縁を感じることができますように、という願いが込められている、と受け止めていただけたら素晴らしいです。

 

この詩は日中友好のシンボルとして、江蘇省揚州市の大明寺、鑑真記念堂前の石碑に刻まれているとのことです。

ただし、日本は現状のままのチャイナと友好関係を築くべきではないと同時に、日本人も自ら再覚醒して世界の真実を知らねばならないと考えます。

後遺症に対する治療

 

脳卒中の慢性期(慢性期脳卒中)の治療においては、脳卒中後遺症に対する治療、再発予防対策が中心となります。後遺症のうち、運動麻痺、失語症などの神経症状は主にリハビリテーションが中心となります。

 

これらの脳卒中後遺症に対する治療について 原則として脳循環・代謝改善薬の中から適切な処方薬を選択していきます。

ただし、これらは概して即効性はなく、通常では使用開始後2週間を経た頃から効果が出現し、4~8週頃に明確になってきます。

そこで、重度の副作用がない限り、4~8週をめどに継続投与して効果を判定することになります。

逆に、8週投与しても効果が無ければ他薬に切り替えます。いずれも漫然と長期連用せず、途中で休薬して症候の動きをみることが重要とされます。

 

脳循環・代謝改善薬の中には多少なりとも抗血小板作用をもち、単剤で脳梗塞再発防止も示されているものがあります。

ただし、頭蓋内出血後止血が完成していないと考えられる患者には禁忌です。こうした薬剤の中から、臨床症状を勘案してより適切な選択をすることができます。

 

たとえば頭痛めまいなどの自覚症状の改善のためには、脳循環改善薬が有効です。特に脳梗塞後のめまいにはイブジラスト(ケタス®)、イフェンプロジール(セロクラール®)が推奨されています。

そして脳梗塞後の意欲低下には脳代謝改善薬ニセルゴリン(サアミオン®)が有効です。

 

また脳代謝改善薬としてアマンタジン(シンメトレル®)は脳血管障害慢性期の意欲・自発性低下に有効であり、作用発現も比較的早いとされます。ただし、アマンタジンは催奇形性があります。

妊婦、授乳婦、透析を必要とする重篤な腎障害例では禁忌です。

また、てんかん・既往歴・痙攣素因では発作を誘発または悪化させるとの報告があります。そして、自殺傾向患者、精神障害者または中枢神経系作用薬投与中では慎重投与とされます。

 

一方、高齢者では幻覚が出やすいので維持量を低く保つ必要があります。禁忌例ではなくとも、起立性低血圧を起こしやすく、めまい、ふらつき、立ちくらみ、霧視が生じることがあるため危険作業をしないよう指導します。

さらに急激な減薬、中止による悪性症候群(高熱、錐体外路症状、意識障害、筋組織酵素CK上昇など)の出現に注意します。

 

そして脳卒中後にはしばしばうつ状態になりますが、その場合には抗うつ薬の投与が推奨されています。

 

 

杉並国際クリニックでの臨床応用 

イブジラスト(ケタス®は、二つの顔を持っています。

最初の顔は、脳循環改善薬としてのものです。薬理学的にはピラゾロピリジン誘導体であり、脳血流増加に伴う脳循環改善作用をもちます。脳梗塞後遺症に伴う慢性循環障害によるめまいの改善に用います。

 

また、この薬剤の二つ目の顔は、抗アレルギー薬であるメディエーター遊離抑制薬として使用されることもあります。そのため気管支喘息に対しても保険適用があります。

 

メディエーター遊離抑制薬とは、マスト細胞(肥満細胞ともいい、粘膜組織などにあって、炎症や免疫反応などの生体防御機構に重要な役割を持つ)からIgE依存性の機序によりヒスタミン、ロイコトリエン、血小板活性化因子、プロスタグランジンなど種々のメディエーター(伝達物質)が遊離するのを抑制します。

ヒスタミン、ロイコトリエンはアレルギー反応を引き起こす伝達物質であるため、抗ヒスタミン薬、ロイコトリエン受容体拮抗薬は代表的なアレルギー治療薬です。また血小板活性化因子という伝達物質が遊離するのを抑制することが脳梗塞後遺症に伴う慢性循環障害によるめまいの治療に役立つことになります。

 

杉並国際クリニックでは、主として気管支喘息の患者さんにケタス®を処方することがあります。

たとえば、気管支喘息とともにめまいを起こしやすい方、あるいは脳卒中の血族が複数いるという家族歴のある気管支喘息の方などが代表的です。

気管支喘息だけでなくめまいの改善に役立っています。そして、将来の脳卒中発症の予防をも期待して処方しています。

 

アマンタジン(シンメトレル®は、抗パーキンソン作用、抗A型インフルエンザウイルス作用、ドパミン放出促進作用、ジスキネジア抑制作用があります。

そのためこの薬剤は臨床実務上では三つの顔を持ちます。最初の顔は、脳梗塞後遺症に伴う意欲・自発性低下の改善薬として、二番目の顔は、パーキンソン症候群に対する治療薬としての、三つ目の顔はA型インフルエンザウイルス感染症に対する抗A型インフルエンザ剤としての顔です。

 

現在では、主としてパーキンソン治療薬として用いられています。

とくに軽症・若年発症患者の治療導入薬(初期治療薬)として有効です。さらに本格的なパーキンソン治療薬であるレボドパ補助薬としても広く使用されています。

 

パーキンソン治療薬としては、現在主流となっている非麦角系アゴニストでは突発性睡眠の副作用が問題となるため、シンメトレル®などを治療開始の選択肢として考えるべきとされます。

 

杉並国際クリニックでは、パーキンソン治療薬としての処方でシンメトレル®が選択肢にのぼるようなケースではL-ドパを用います。L-ドパでの効果の確認は、パーキンソン病の診断を確かにするという効用もあるからです。

 

またインフルエンザ治療目的でシンメトレル®を処方することはありません。その理由は、現在のA型インフルエンザの大部分が抗A型インフルエンザウイルス剤に耐性(薬が効かないこと)を獲得しているからです。

また、インフルエンザに罹患すると、抗インフルエンザウイルス薬の有無・種類に関わらず、異常行動の報告があります。そこで自宅療養時は少なくとも発熱から2日間、転倒等の事故防止を講じる必要があるので、起立性低血圧を起こしやすく、めまい、ふらつき、立ちくらみ、霧視が生じるシンメトレルを新規に使用することはデメリットの方が大きいと考えています。

 

予防への使用はワクチンの補完であることを考慮することになっていますが、予防のために用いることすらナンセンスであると考えます。

 

第一部では、聖楽療法の理論の背景としての心身医学について概説し、そのうえで新しい心身医学の考え方を明確にします。

 

第二部は、聖楽療法の拠点としての聖楽院とは何かについて、その起源を述べ、いくつかの心身医学的アプローチをどのように応用して発展してきたかを省察します。

 

第三部は、心身医学の理論に根ざした聖楽院の哲学的な基礎概念を示し、心身医学療法の領域において水氣道の考えが心身医学療法の一般的な理論となりうるかを論じます。

 

第四部では、聖楽療法理論の一般的理論としての側面について、その概略を述べます。

 

 

第一部 心身医学療法における聖楽療法理論のコンテクスト(その1)

 

第1章 理論の性質

 

第2章 心身医学療法における理論

 

従来の心身医学療法における理論の役割

 

聖楽療法の概念的役割

 

前回は聖楽療法の固有理論の問題、ということで輸入理論との関係について述べました。

 

そして、音楽分野からの輸入理論や専門概念が新しい心身医学療法の固有理論となり得るという立場であることを紹介しました。

 

さて、今回のテーマは

 

聖楽療法の一般理論の問題です。

 

一般理論が聖楽療法においてどのような性質と役割をもつのかについて述べます。

 

一般理論に基づく実践は、指導者自らの基礎的信念をあたかも一般理論であるかのように扱ってしまったり、そのために療法すべてに押し付けてしまったりするとうな存在だとしたら問題です。

 

筆者はレッスン生が他では得ることができない独自の経験を聖楽療法の中で提供したいと願うものであり、レッスン生自らが独自の存在でいられることや自分の真の性質や才能を見出すことを願っているからです。

 

また、あまりに科学的なアプローチを追求していくことが最優先になると、レッスン生などの参加者に多大な利益があっても実験的な方法での評価が不可能という理由で除外されてしまうメソッドがあります。

 

そのアプローチが特定の対象者のみに配慮した性格を持っていたり、効果を誰にでも運用可能なものとして定義したりすることができないという理由によってです。

 

 

聖楽療法は新しい心身医学療法ですが、言い換えれば新しい心身医学を基盤とする音楽療法であるといえます。

そしてすべての音楽療法の実践に適用される最も大きな共通性は、音楽を用いることです。

 

ただし、聖楽療法が他の器楽を用いる音楽療法と異なるのは歌詞としての詩の言葉をも用いるということです。

つまり、新しい心身医学の土壌の上で音楽と言葉を一体的に用いることになります。

 

 

いずれにしても、音楽療法において最も一般的な要素は、私たちが個人として、できるだけ独自であろうとする動機づけを持っているということです。

 

ノードフ・ロビンスは、それぞれのクライエントなりレッスン生が療法や稽古を通じて独自の発達の道を拓いていくために、音楽が独自に用いられているということでした。

セラピーなりレッスンのグループの輪の中で創成されていく共通の力から個々の特性を伸ばしていくことになります。

このプロセスは一つの作品にも言えることであるし、個人の成長にも言えることです。

 

そこで、私たちが、音楽的発展という力を用いて一人一人の個性を自己の成長に向けて整合させていくことが、音楽療法としての一般理論の要素となるのです。

 

 

聖楽療法の理論である臨床聖楽法は、音楽療法の一般理論への基盤として提示するものです。

聖楽療法の指導者の価値観・信念・実践の在り方は、それらによって形成され理論と同等に重要な要素です。

 

音楽療法が存在するすべての国々で、音楽療法サービスを受けるあらゆるタイプの対象者に、あらゆる音楽の提示方法(生演奏、録音、即興、既成曲、受容的・能動的など)で、あらゆるスタイルの音楽を、あらゆるタイプの音楽活動(聴く、奏でる、作曲、録音、演奏)を用いて活動がなされています。

このような多様な応用性を併せ持つという基準を聖楽療法は持っています。

 

 

音楽療法の枠組みとしては、分析的音楽療法、コミュニティ音楽療法、美的音楽療法、分化中心音楽療法、GIM=音楽によるイメージ誘導法、ノードフ・ロビンス音楽療法など幅広いアプローチがありますが、これらのうちの多くは新しい心身医学的アプローチをとっていて、臨床聖楽法に近い本質を例示してくれます。

 

<はじめに>

 

 

前回は「動悸」に効果のあるツボを紹介しました。

 

 

「膻中」は乳頭を結ぶ線と胸骨の正中線と交わるところにあり、

 

 

「太淵」は親指の付け根の手のひら側にある手首にできるしわのある場所にあり、

 

 

「神門」は手のひら側で小指側のしわのできる部位にあるというお話でした。

 

 

 

今回は「胃痛・胃もたれ」に効果のあるツボを紹介しましょう。

 

 

<胃痛・胃もたれに効果のあるツボ>

2020-02-18 16-51

2020-02-19 16-20

 

 

 

今回は「中脘(ちゅうかん)」「足三里(あしさんり)」を紹介しましょう。

 

 

「中脘」は お臍から指4本分上にあります。

 

 

「足三里」は膝のお皿の下の外側にあるくぼみから指4本下にあります。

 

 

中脘は仰向けに寝た状態で息を吐きながら痛くない程度に押しましょう。

 

 

足三里はテニスボールやゴルフボールで正座をした状態で押し当ててみましょう。

 

 

毎回下手な絵で申し訳ないです。

 

 

 

杉並国際クリニック 統合医療部 漢方鍼灸医学科 鍼灸師 坂本光昭

<土曜日特集:統合医学(心身医学・漢方医学)カンファランス>

中国で新型コロナウイルス肺炎のガイドライン第6版(新型冠状病毒肺炎诊疗方案(试行第六版))が発表している文書は、先週ご紹介いたしました。

 

今回のガイドラインでは、治療薬として抗マラリア薬であるリン酸クロロキン(磷酸氯喹)が有効としています。日本では認可されないと思われます。また抗インフルエンザ薬のアルビドール(阿比多尔)の記載あります。日本の保健処方では「ラピアクタ®」です。ただし、新型コロナウイルスの治療目的では保険が効きません。


また中医(漢方)治療では漢方の注射薬も追加されたり、清熱への配慮に力が入れられたり、いろいろ変更がありました。

 

中医治療は「医学観察期」「軽症」「通常型」「重症」「重篤」「回復期」に分けて行ないます。

今回は、医学観察期の処方の一部についてその他の処方を紹介いたします。

 

1 医学観察期

 

臨床表現2:乏力伴発熱

推奨中成薬

金花清感顆粒 

金銀花、石膏、麻黄、杏仁、黄金、連翹、貝母、知母、牛蒡子、青蒿、薄荷、甘草


連花清瘟膠嚢(顆粒) 

連翹、金銀花、麻黄、杏仁、石膏、板藍根、貫衆、魚腥草、藿香、大黄、紅景天、薄荷、甘草

 

疎風解毒膠嚢(顆粒) 

虎杖、連翹、板藍根、柴胡、敗醤草、馬鞭草、芦根、甘草

 

<解説> 

臨床表現2:乏力伴発熱 

推奨中成薬とは、臨床症状として発熱を伴う倦怠感がある場合の推奨薬ということです。
 

上記3処方の中で、日本で何とか処方可能なものは金花清感顆粒のみでしょう。

これらも漢方の刻み調剤が可能な薬局では保険処方可能です。

エキス製剤での処方は、複数の処方を組み合わせても無理があります。

 

金花清感顆粒の構成生薬のうちで、以下は日本での表記と異なります。

金銀花=忍冬、黄金(黄金花)=黄芩、青蒿(セイコウ;クソニンジン)=茵陳蒿

 

連花清瘟膠嚢については、漢方の刻み調剤が可能な薬局でも保険調剤は困難です。

自費での処方であってもかなりの困難が伴うことでしょう。

連花清瘟膠嚢の構成生薬のうち、魚腥草(ぎょせいそう)とはドクダミのことで日本では十薬とも呼ばれ入手可能ですが、保険適

応外です。

 

板藍根(ばんらんこん)=細葉大青、貫衆(かんじゅう)きじのお、紅景天(こうけいてん)=ベンケイソウ、

これらの薬味を日本で適切に揃え調剤することも困難でしょう。

 

疎風解毒膠嚢(顆粒)についても、連花清瘟膠嚢と同様で、

虎杖=イタドリ、スカンポ(酸模)、板藍根(ばんらんこん)=細葉大青、敗醤草=女郎花、馬鞭草=熊葛、芦根=芦の根など保険調剤対象外の材料が多数を占めています。

 

 

杉並国際クリニックが推奨する漢方薬
中国政府の推奨資料をもとに、新型コロナウイルス感染症のPCR検査基準に達していないが、感染を否定できない段階で、初期症状の特徴に相応する漢方薬を挙げてみることにします。

 

胃腸の不調を伴う倦怠感がある場合 

第一候補:

「藿香正気散(かっこうしょうきさん)」(市販OTC薬)

 

第二候補:

朝食前「香蘇散」、昼食前「半夏厚朴湯」、夕食前「苓姜朮甘湯」
     

時間薬理学的発想による処方例、いずれも健康保険適応漢方エキス製剤

 

発熱を伴う倦怠感を伴なう場合

第一候補:

「銀翹散(ぎんぎょうさん)」(市販OTC薬)

 

第二候補:

朝食前「麻杏甘石湯」、昼食前「辛夷清肺湯」、夕食前「滋陰至宝湯」
     

時間薬理学的発想による処方例、いずれも健康保険適応漢方エキス製剤