イタリアは新型コロナで今も大変です。その中心が1000万人の人口を擁するロンバルディア州で、ミラノは中核都市です。

 

ミラノといえばスカラ座ですが、昨年までの数年間は3月になると欧州医学・音楽研修で2週間ほどウィーンを中心に欧州各地で研修をしていましたが、この時期のスカラ座では観劇すべきオペラが開催されてなくて残念に思っていました。

 

今年は、資金不足のため欧州研修は控えていましたが、結果的には幸いでした。

 

さてミラノから遠くない港は、中世に海洋国家として栄えたジェノバです。

 

現在でもイタリア最大の港町です。新大陸を発見したコロンブス(1451~1506年)の出身地でもあります。市庁舎として使われる王宮や赤の宮殿、白の宮殿が並ぶガリバルディ通り、バルビ通りは世界遺産に登録されるが、栄光はもはや過去のもので寂寥感が漂う港町だそうです。

 

昨年3月、中国の習近平国家主席のイタリア訪問に合わせ、ジェノバ港とトリエステ港の開発について覚書が交わされました。先進7カ国(G7)の中で一帯一路を承認したのはイタリアが初めてです。

 

米国もEUも強い警戒感を示したが、低成長に苦しむ老大国には背に腹は変えられず、中国マネーを断ることができず、中国交通建設(CCCC)の投資を呼び込むことで港湾施設を再構築して貨物取扱容量を増やし、稼働率を上げる狙いがあったようです。

 

ここまで書けば、イタリアのロンバルディア州でなぜ爆発的なコロナ感染がおこったのかピンときた方も少なくないのではないかと思いますが、世界の大手メディアもイタリア政府もあえて触れようとはしていないようで恐ろしくもあります。

 

さて、こんな時でも語学と音楽は私たちに豊かな教養の源泉を与えてくれます。

 

NHKテキストラジオまいにちイタリア語応用編のテーマは、
イタリアで劇場に行こう!(Andiamo a teatro in Italia!)
です。

 

4月号の第3・4課(Lezioni3~4)から抜粋し、話題を提供させていただこうと思います。

 

テキストにも対訳が掲載されていますが、独立したセンテンスに合わせて訳しなおしてみました。

 

〇 La prima opera, Euridice, composta da Jacopo Peri, è stata rappresentata a Firenze nel 1600.
  

私訳:(イタリアの、というより世界での)最初のオペラ(歌劇)である『エウリディーチェ』は、ヤコポ・ペーリ作曲で、1600年にフィレンツェで上演されました。

 

コメント:1600年と言えば、日本では関ヶ原の合戦の年です。それで世界のオペラは概ね江戸時代の藝術であることがわかります。

また、この『エウリディーチェ』は現存する世界最古のオペラ作品です。フィレンツェで16世紀末から活動していた芸術家集団「カメラータ」による、古代ギリシア悲劇を再興させようとする試みの中で生み出されました。

作曲家のペーリは『エウリディーチェ』の序文で、語りの部分における音高の変化と、歌の音程のある動きとが古代ギリシア演劇の理論において区別されていたことに触れ、<語りと歌の中間をいく、古代ギリシアの人々が英雄詩の吟唱に用いていた>と考えられるものを見いだそうとしたと述べています。
   

私が歌うレパートリーの一つにはグルックの歌劇『オルフェオとエウリディーチェ』のアリア、Che farò senza Euridice「エウリディーチェを失って」という曲があります。
  

この作品の元になったのがギリシャ神話で、古事記の筋書きにとても似ています。エウリディーチェを伊弉冉命(イザナミのミコト)、オルフェオを伊邪那岐(イザナギのミコト)とすれば、日本版オペラ『イザナミのミコト』もしくは『イザナギのミコトとイザナミのミコト』そしてそのアリアは「イザナミを失って」となることでしょう。

 

〇 Adesso ci sono anche i sottotitoli, ma è moltoimportante leggere in anticipo il libretto o anche solo la trama, non solo per gli stranieri ma anche per gli italiani…
   

私訳:今では字幕もありますが、とても大切なことは事前に台本やあらすじだけでも読んでおくことです、外国人だけでなく、イタリア人にとってもです・・・
  

コメント:これは本当だと思います。私が観能するときは、必ず謡本(台本)を持参します。能楽には字幕がないからだけではありません。見どころ聴きどころや背景知識が得られるので、贅沢な楽しみができるからです。中世の日本語の美しさに触れることができるのはとても有難いことです。

 

さてカトリック信者でクラシック音楽家でもあるという、とある方が意外に感じたというお話を聞きました。それは信仰を見失い、オペラも知らないというイタリアの若者の多さです。

しかし、少し考えてみれば不思議はないと感じました。なぜなら、能や狂言に夢中になっている日本の若者をあまり見かけないのと同じことだからです。イタリアの若者も日本の若者も伝統芸能よりポップスに惹かれるのではないでしょうか。

 

 

追伸:

1)イタリアの聖職者が次々と死亡

   

2)イタリアでカトリック司祭28人死亡
       

3)パンデミック:教皇フランシスコ、全世界で「主の祈り」の呼びかけ
      

抗血栓薬(抗血小板薬、抗凝固薬)治療による薬剤起因性障害

 

内科診療においては、一般外来においても、専門外来においても、さまざまな薬剤を使用します。

一人の主治医が患者の全身管理を担当している場合は、まだ把握しやすいのですが、他の医療機関からも様々な薬剤を投与されている患者が初診の予約を希望されています。

そのときに、薬剤起因性障害発生予防のために事前にそれらの薬剤を把握しておくべき時代になりつつあると感じています。

 

医師や薬剤師ばかりに委ねることには限界があり、患者自身も、処方の追加や変更のたびごとに、それらの薬剤の副作用や、相互作用を理解しておかなければならなくなってきたのではないかと考えます。

 

超高齢化社会を迎え、投与される機会が増えている薬剤の一つに抗血栓薬があります。

近年、抗血小板薬、抗凝固薬の種類も増え、それらには種々の異なる特徴があり、使い分けや注意点が複雑です。

それらの薬剤が様々な臓器に与える影響や合併症も一様ではありません。こうした薬剤起因性障害についてリスクの少なくない

 

経口抗凝固薬は、心房細動患者の心原性脳塞栓症の予防に高い有効性がありますが、その反面、出血性の合併症を来すことがありまあす。

出血自体が致死的でなくとも、さまざまな有害事象を惹起し、予後不良に繋がります。そのため出血をできるだけ予防することと、出血時に迅速かつ的確に対処できなければなりません。

 

経口抗凝固薬は、従来から用いられてきたビタミンK拮抗薬(ワルファリン)に対して、2011年以降から、特に頭蓋内出血の頻度が少ない直接経口凝固薬(DOAC)が使用されるようになり、日常診療にも普及してきました。

しかし、DOACを処方されることが多い高齢者では概して多疾患併存例が多いため、必然的にポリファーマシー(多剤投与)となるケースの頻度が高くなります。

このポリファーマシーでDOACによる出血合併症が飛躍的に増加することが報告されています。

たとえば、抗血栓療法中に消化管出血を来すことにより、心血管疾患のみならず、死亡のリスクが増加することや、逆に、抗血栓薬の中止により、血栓症のリスクが有意に増加することが報告されています。

 

また、抗血栓薬起因性小腸粘膜傷害については、貧血や低アルブミン血症を来し、抗凝固薬併用による出血やDAPTによる粘膜傷害の増悪に注意が必要です。

そのため、可能な限りポリファーマシーを軽減・回避することが重要になってきます。

とりわけ、抗血栓薬による消化管出血は、単剤より抗血栓薬2剤併用療法、非ステロイド系消炎鎮痛薬(NSAIDs)の併用等によりリスクが増加します。

 

そこでDOAC使用中に生命を脅かす出血、緊急を要する手術や侵襲的処置時に使用できる特異的な拮抗薬(DOACの中和剤)の開発が進んでいます。

 

またトロンビン阻害薬については、特異的モノクローナル抗体製剤が使用可能となっています。

 

以下が、脳卒中治療薬の有害作用の一覧です。

・血栓溶解剤t-PA(アルテプラーゼ®)は4~5%に症候性脳出血、2~5%に口唇・舌の血管浮腫が報告されています。

 

・サリチル酸系NSAIDs(アスピリン®)、抗凝固薬ヘパリン(ヘパリンナトリウム®):
出血性合併症(消化管出血、脳出血)

⇒抗血栓薬起因性消化管傷害

 

・浸透圧利尿薬・濃グリセリン溶液(グリセオール®):腎不全、高ナトリウム血症

 

・脳梗塞治療薬(脳保護薬)エダラボン(ラジカット®):腎障害

 

・抗血小板薬(P2Y₁₂阻害薬)チクロピジン(パナルジン®):好中球減少、肝障害、
血栓性血小板減少性紫斑病

 

・抗血小板薬(P2Y₁₂阻害薬)クロピドグレル(プラビックス®)では、副作用が半減

 

・抗血小板薬シロスタゾール(プレタール®):頭痛、頻脈

 

 

杉並国際クリニックでの臨床応用
直接経口凝固薬(DOAC)は、血中薬物濃度のモニタリングの必要がないため使いやすい、という触れ込みが専門家からも流されていますが無責任なメッセージであり大いに疑問です。

 

利便性を追求する現代社会のトレンドが想定外のリスクの原因となることを肝に銘じておくべきだと考えます。

 

モニタリングの必要がないのではなく、モニタリングの指標がないことの危険性を明確に示すべきです。

 

P糖蛋白阻害薬やCYP3A4阻害薬との薬剤阻害作用や腎機能障害により作用が増強し過ぎて出血のリスクを高めるために注意が必要です。

 

消化性潰瘍合併症の頻度が少ないために整形外科やリウマチ科で頻用されている消炎鎮痛剤として使用される頻度の高い薬剤にNSAIDAs製剤があります。

NSAIDsの中でも消化管障害が少ないとされてきたCOX-2阻害薬のセレコキシブ(セレコックス®)でさえ、非選択的NASAIDsと同様に低用量アスピリン(LDA)の併用により、出血リスクが増強します。

ですから、NSAIDs併用のリスクについて、抗血栓薬内服患者に対して指導する必要があると考えています。

 

抗血栓薬起因性小腸粘膜傷害の診断にはカプセル内視鏡検査が有用のようですが、その結果、粘膜防禦製剤や乳酸菌製剤が有用なようです。

また、最近、ミソプロストール(サイトテック®)が有効であることが確認されました。

この薬は、プロスタグランジン製剤であるため、禁忌とされるプロスタグランジン過敏症や妊婦でなければ、NSAIDsの長期投与にみられる薬剤起因性消化性潰瘍(胃潰瘍および十二指腸潰瘍)ですでに用いられています。

昨日、午後8:00から1時間近く、youtubeのライブで、クリニックのデスクに居ながらにしてローマのフランシスコ教皇の御ミサに預かることができました。

 

はじめて教皇様の歌声を聴きました。

祈りの言葉は、アヴェマリアの聖歌と同じイタリア語で何度も繰り返され、すっかり覚えてしまいました。

こうして世界中で祈り合うことは大きな慰めと励ましになります。

 

すると、願ってもいなかった情報が先ほど届きました。

「COVID-19に関連する文献を一般公開する」

という日本リウマチ学会からの連絡です。

いずれも、トップクラスの一流誌ですので、異例のサービスです。

 

どの論文に関連論文が掲載されているかを知るだけでも一苦労だったので、とても助かります。

世界中の医師や医学研究者が一致して未曽有のパンデミックに立ち向かっていこうという素晴らしい方向性であり、現場の医療を担当する者にとっては、とりわけ大きな助けです。

 

神と世界中の同僚に感謝します。

 

 

日本リウマチ学会 会員各位

今般の新型コロナウイルスに関連した情報として
Modern Rheumatology/Modern Rheumatology Case Reportsを出版しているTaylor & Francisを始め世界の主要な出版社およびジャーナルが公衆衛生上の社会的義務としてCOVID-19に関連する文献を一般公開していますのでご参考までにお知らせいたします。

 

Taylor & Francis

 

 

Elsevier:

 

 

Wiley:

 

 

Springer 

 

Nature: 

 

Oxford Univ. Press:

 

 

The BMJ:

 

 

New England Journal of Medicine:

 

 

The Lancet:

 

本日、認定痛風医の証書が本日早めに届きました。

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そこで、あらためてこれまでの診療歴を振り返ってみると、高円寺南診療所(現、杉並国際クリニック)は痛風協力医療機関として

 

平成10年9月30日付けで認定されていました。

 

およそ20年余りの痛風協力医療機関として診療経験を重ねてきたことになります。

 

この間、痛風関連の医学は大きく変化してきました。

 

2018年12月に8年ぶりの改訂となる「高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン 第3版」が出され、去年(2019年6月)にはそのダイジェスト・ポケット版が刊行されました。

 

最近の研究では、尿酸値が基準値を超える「高尿酸血症」を放置すると、痛風だけでなく、メタボリックシンドローム(肥満・高血圧・高血糖・脂質異常症)や尿路結石、腎障害、脳・心血管障害の危険因子となる可能性も指摘されています。

 

ですから、痛風認定医は、代謝疾患としての痛風だけを診ていればよいのではなく、循環器系、脳神経系をはじめ腎臓・泌尿器系、整形外科系などの総合的な診療がますます必要となってきます。

 

杉並国際クリニックとしては、上記の各疾患ごとの個人シートをデザインして、実際に使用しているので、すでにこうした変化にお気づきの方も多いものと思います。

 

また、痛風や高尿酸血症は精神的なストレスによって増悪することは知られていますが、私自身が心療内科指導医であるにもかかわらず、この方面の研究に関与できなかったことを大いに反省しております。

 

証書が少し早めに届いたというのは、正式な認定開始が令和2年4月1日からだからです。

 

認定痛風医の認定番号は0066です。

 

これは国内で66番目の痛風認定医ということです。

 

現在、都内痛風認定医の数は13名なので、

 

4月1日には都内で14番目の痛風認定医になる予定です。

 

 

痛風患者数は2016年の国民生活基礎調査を元に算出すると110万人。

 

高尿酸血症の患者「尿酸値が高めだけれども症状が出ない人」はその十倍以上、少なくとも1,000万人以上と推定できます。

 

今後、中高年の人口が増え続ける間は、患者の増加傾向がしばらく続くことが想定されています。

 

糖尿病が予備群合わせて2,000万人に対して糖尿病専門医 4,555 名(平成24年)ですから、痛風診療のエキスパートも2000人以上は必要となるはずです。

 

14人の痛風診療エキスパートだけで都内のすべての痛風患者を診療することは不可能です。

そこで私の役割とそしては、数少ない開業医の立場のエキスパートとして、これまでの診療スタイルを堅持しつつ、将来に向けての痛風診療実践システムのモデルを構築していきたいと考えております。

 

なお運動療法として水氣道®による高尿酸血症・痛風の治療には長年の実績があります。

 

また、4月中旬には、食事療法のテキストとして

 

「わかりやすい臨床栄養学第6版(三共出版)」が刊行される予定です。

 4月中に改めてご紹介いたします。

 

 令和2年3月26日

 

 

フランスで健康行政を担当する厚生省は2017に連帯・保健省(Ministère des Solidarités et de la Santé)に改められたことを今回知りました。

 

そこで、さっそく、公式ホームページを検索してみました。

 

Coronavirus COVID-19
mise à jour23.03.20
MaladiesSanté

 

Les coronavirus sont une famille de virus susceptibles d’être à l’origine d’un large éventail de maladies. Chez l’Homme, ils provoquent des infections respiratoires, allant d’un rhume banal à une infection pulmonaire sévère, responsable de détresse respiratoire aiguë.

Deux coronavirus ont par le passé entraîné des épidémies graves chez l’Homme : le SARS-CoV responsable d’une épidémie mondiale de SRAS entre novembre 2002 et juillet 2003, et le MERS-CoV, identifié pour la première fois en 2012 au Moyen-Orient.

Début janvier 2020, un nouveau coronavirus (SARS-CoV-2) a été découvert et décrit en Chine. Ce nouveau coronavirus a depuis provoqué une épidémie mondiale (pandémie) de « maladie à coronavirus 2019 », appelée COVID-19.

 


コロナウイルスに関する基本的な情報を提供しています。

 

 

以下のように訳してみました。

コロナウイルス属は様々な病気を引き起こすことができるウイルスです。

ヒトには呼吸器感染をもたらすことがあり、通常感冒から重症肺感染症に及び、それが急性呼吸不全の原因となります。

2種類のコロナウイルスが過去に爆発的な流行をもたらしました。 

 

すなわち、SARSコロナウイルスは2002年11月から2003年7月までの間、世界的なSARS流行の責任病原体であり、そしてMERSコロナウイルスは、2012年に中東で初めて同定されました。

 

2020年1月の初めに、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)が中国で発見され記録されました。

この新型コロナウイルスはこの時以来COVID-19と呼ぶ「2019年コロナウイルス病」の世界的流行の原因となっています。

 

 

さてフランス政府の対応は、まず最初の封じ込め作戦では成功していました。

ところが次の感染拡⼤制御作戦のタイミングを外して失敗した模様です。

高齢者を守りつつ集団免疫の獲得を目指してきたものの、想定を超える爆発的なスピードで感染が増え、死亡者数も増加しています。
 

複数の疫学統計データ照合した結果、フランス国内の感染者数がほぼ1週間遅れでイタリアと全く同じ曲線で増加している事実を鑑み、これを受けて3月15日、フランスのエマニュエル・マクロン大統領は厳しいロックダウン(封鎖)へと方針転換をしました。

但し、致死率のみ伊仏で大きく異なります。

そうはいっても新型コロナウイルスに対するPCR検査の実施方針に各国で違いがあります。ですから感染者数・致死率の国際比較は意味がありません。

 

そのかわり情報が政府によって操作されずに公開され先進国間であれば死亡者数は確かな目安になります。

そこで各国の死者数を比較してみると、3月18日現在、フランスはすでに3ケタ台175人で、4ケタ台2503人のイタリアほどではありませんが、2ケタ台にとどまっているドイツ13人、日本28人より明らかに多数の方がなくなっています。

一方、程度の差はあれ、いずれの国も先進国特有の高齢化社会で慢性期疾患の有病率でもほぼ同様です。

 

各国間での違いはどこにあるでしょうか。病床定義の違いに着目している人がいます。

人口千人当たりの集中治療病床数を比較すると、フランスは3.1床でイタリア2.6床と比べて若干多いですが、ドイツ6床、日本7.8床に比べて少ないです。

このように病床数が多くなるにつれ死亡者数報告が低い傾向にあることは偶然ではないと考えます。

 

フランスにおける新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者数は、1月25日に第1号が発生し、ドイツ国境に近いオー・ラン県の教会での集団発生を源とするクラスター出現を経て、3月15日には5423名、死亡者数127名となりました。

これを受けてエマニュエル・マクロン大統領は、17日より、全国一斉休校・外出自粛から禁止へ厳格化すると同時に、生活上必要不可欠以外の商業・文化・娯楽活動の閉鎖と、EUの主翼国出入国審査なしでの移動を可能とするシェンゲン協定を結んでいる以外の国々との国境の閉鎖を宣言しました。 

 

フランスでも地域医療計画に基づく病床削減が進行中で、今回のケースには対応困難になっていました。

3月16日にはCOVID-19の治療指定医療機関であるオー・ラン県の中核病院であるミュルーズ病院のキャパシティーを超え、重症者のみSAMU介入による入院とし、軽症者は自宅隔離して市中のプライマリ・ケア開業医が管理することになりました。

 

この時点で、在宅での検査や診療が開始しました。ところが政府の約束していたマスクの供給は、全く足りず、保護服・ゴーグルの供給も病院優先のため、開業医は後回しとなっていました。PCR検査もなかなか実施できません。それを受けて3月7日にはオンライン診療を初診でも許されるように緩和されました。

 

次いで問題になったのはイタリアと同様に医療従事者の感染報告です。こうなると病院での集中治療ユニットの人・物が不足し、全ての患者を診ることができなくなりつつあったのでフランス軍が軍用機での医療移送や野戦病院を設営することで乗り越えようとしています。

いずれにせよ、方針変更の度に、現場の医療者は振り回され、困惑した様子が報告されています。

再発予防策❸ 非心原性脳梗塞

 

この10年の間の脳卒中に関する医学の進歩は目覚ましいです。脳梗塞の臨床病型には、ラクナ梗塞、アテローム血栓性脳梗塞、心原性脳塞栓症、その他の原因で生じるその他の脳梗塞があります。

その他の原因とは、奇異性塞栓症、動脈解離、本態性血小板血症ならびに可逆性脳血管攣縮症候群(RCVS)など、脳梗塞の新たな原因として明らかにされてきました。

それでも、心原性脳塞栓症を除く、これら種々の臨床病型は非心原性脳梗塞として一括りに論じられています。また、最近、塞栓性と考えられるが塞栓源不明な脳塞栓症(ESUS)という新しい概念が提唱されています。

 

非心原性脳梗塞については、急性期以降の再発予防として、抗血小板薬(アスピリン、クロピトグレル、シロスタゾール、チクロピジン)が強く推奨されています。

とくに、シロスタゾール(プレタール®)を含めた2剤併用が再発リスクの高い患者に長期間にわたって有効であることが示されています。

 

シロスタゾールの使い方としては、❶ 慢性動脈閉塞症に基づく潰瘍、疼痛及び冷感などの虚血性諸症状の改善、❷ 非心原性脳梗塞発症後の再発抑制、の際に適応となります。

ただし、出血、うっ血性心不全、妊婦には禁忌とされます。また、脈拍数増加、狭心症発現があるので、胸痛などの狭心症症状の問診を行なうべきことが警告されています。

その他、高血圧持続患者へは慎重投与、冠動脈狭窄を合併する患者で過度の頻脈数増加が現れた場合には適切な処置を行う旨の注意がなされています。

 

 

杉並国際クリニックでの臨床応用

読者の皆様は、すでにお気づきかもしれませんが、この領域の医学は、有能でかつ勤勉な現場の医師が日々研鑽を積んでも追いつくことが難しくなりつつある領域の一つです。

 

模範解答を限られた時間と報酬で、複雑でめまぐるしく変化する情報をアップ・ツー・デートに収集し、分析し、回答を提出することには限界が来ています。

 

AIとの共存の中で、精密な将来軌跡を予見すること(iPOP)に基づかなければ精密な健康管理は実現できません。

いわゆる生涯にわたる個人ごとのビッグデータをモニタリングして、互いにそれをシェアリングによりはじめて実現することになります。

 

我が国は、世界一の長寿国となって約20年が経過しましました。これは水氣道®の歴史とほぼ軌を一にします。そして、2019年には、高齢化率が28.4%となり、75歳以上の高齢者の割合も指標となる14%を超え、超高齢社会になりました。

これから増加するのは、75歳以上の高齢者、特に85歳以上の高齢者の人口比率です。

そして、いずれ85歳以上の高齢者が人口の1割を占め、人生100年時代が到来すると予想されています。

 

高齢化率が28%を超え、超・超高齢社会に突入し、100年後、100歳を超える人が半数に達する未来が実現すると見込まれています。

ユヴァル・ノア・ハラリは、2018年の「ホモ・デウス テクノロジーとサイエンスの未来」という講演で、「前例のない水準の繁栄と健康と平和を確保した人類は、次に不死と神性を標的とする可能性が高い」としています。

 

しかし、地球の温暖化や自然環境の破壊、新たな病原体や薬剤耐性を獲得した既存の病原体の出現によって、絶えず人類は生命の危機に脅かされています。

そのような現実の中にあっても、なかなか死ねなくなった人類が、死ぬまで幸福でいる(「幸福寿命」の延長)のためには、どのような対策をたてたらよいでしょうか。

 

それは死ぬまで、社会に対して、何らかの形で「働きかける」ことができる心身の活力を保持する方略が必要です。

医学的に言えば、心身医学と老年医学の発展と普及が求められますが、心身医学と老年医学を統合するならば、≪老年心身医学≫という専門分野の確立が必要になるのではないでしょうか。

この老年心身医学を医療として有効に生かすためには、老年期に入る前からの早期からの準備が肝要であるということです。

皆様の水氣道®や聖楽療法へのご興味とご関心、そして実際にご参加いただくことによって、私どもの全人的健康開発法の発展と普及が望まれる次第です。

令和2年3月24日(火)19:00~21:00

 

鷺ノ宮体育館温水プール(第5レーン使用)

 

参加者総数10名(先発7名、後発3名、早退1名)

 

進行指揮監督:水氣道正七段 飯嶋正広

 

支援員トレーナー:水氣道正弐段下 林亮博

 

修錬生インストラクター:水氣道2級 坂本光昭、同、高橋千晴

 

報告担当ファシリテーター:水氣道6級(初等訓練生)松田要

 

受付:主当番支援員・林亮博、副当番なし、副々当番訓練生・野口将成

 

 

<稽古内容>

1) 親水航法

 

2) 準備体操(イキイキ体操)一列縦列行進方式   
  修練生2名を頭尾位に配置し、支援員トレーナーがサポート
  稽古参加者全員に対し、「イキイキ体操」新項目の周知稽古をした。

 

・・・以後2班を編成し、班単位での稽古となる・・・

 

以下はA班(5名)の稽古内容です。

 

3) 基本五航法(短縮版):一列縦列行進方式
   動作確認に心掛けた。

 

4) 各種航法:名宣り稽古方式

実施航法(理気、調血、水拳、舞踊、経絡)の各航法
1枚目、2枚目は、2名の訓練生が分担して、それぞれ「脇伝」名宣り稽古を実施

 

理気、調血、舞踊、経絡の4つの航法からはじめた。

 

次いで、3枚目は、2名の修錬生が「中伝」名宣り稽古を実施。

 

途中で水拳航法が加わった。

 

指揮監督者の「皆伝」名宣りにより、4枚目、5枚目が披露された。

 

 

5) 整理体操(のびのび体操):3パート順次分担方式

 

 

【所感】

・誰もいない広々としたプールは寂しいと言うより清々しい雰囲気、いつものご婦人を中 心とした団体もまだ顔を見せていない。遅れて隣のコースの団体は2名だけで頑張っている。時間が経つと三々五々と、飯嶋先生も来られて10名になった。(K.M記)

 


・時間になって、水中に入ると先週より温かく感じる、監視員の方に尋ねると先週と比べると0.5~1℃位しか違わないそうだ、体感とは不思議なものだ。(K.M記)

 

・杉並、新宿、武蔵野と次々にプールのサービスが中止されるなか、中野区は偉い、立派だ、お陰で貴重な水気道の稽古が守られている、感謝❗(K.M記)

名古屋の医師、平田國夫先生からのメッセージが届きました。

 

そのまま掲載いたします。

 

ドイツのメルケル首相をはじめ、世界中のリーダーが結束と連帯を呼び掛けています。

バチカンのフランシスコ教皇様は国境を越えて蔓延するパンデミック・ウイルス感染症に対して、国境はもとより民族や宗教の壁を越え、世界中で一致して祈ることを呼び掛けております。

 

是非、お読みください。

 

 

名古屋の平田國夫です。

先生方は既にご存知かと思われますが、念のためにメールさせていただきました。

日本時間今夜8時に全世界で心を合わせて主の祈りを捧げましょう、という教皇様からのメッセージが発せられております。

急なことですので出来るだけ多くの方々へお伝えした方が良いのでは思われます。

新型コロナウイルス感染症の終息を主にお願いする意向でお祈り致しましょう。

イタリアでは死者が昨日の段階で6千人を超えています。

多くの医療関係者も亡くなられておりますが、それ以上に司祭が既に28人亡くなられています。

何十人もの終油の秘跡を危険を顧みず行われた為で殉教者とも言えるのではないでしょうか。

 

教皇フランシスコ、全世界で「主の祈り」の呼びかけ

 

令和2年3月24日(火)19:00~21:00

 

鷺ノ宮体育館温水プール(第5レーン使用)

 

参加者総数10名(先発7名、後発3名、早退1名)

 

進行指揮監督:水氣道正七段 飯嶋正広

 

支援員トレーナー:水氣道正弐段下 林亮博

 

修錬生インストラクター:水氣道2級 坂本光昭、同、高橋千晴

 

報告担当ファシリテーター:水氣道5級(中等訓練生)植田栄喜

 

受付:主当番支援員・林亮博、副当番なし、副々当番訓練生・野口将成

 

 

<稽古内容>

1) 親水航法

 

2) 準備体操(イキイキ体操)一列縦列行進方式   
  修練生2名を頭尾位に配置し、支援員トレーナーがサポート
  稽古参加者全員に対し、「イキイキ体操」新項目の周知した。

 

・・・以後2班を編成し、班単位での稽古となる・・・

 

以下はB班(5名)の稽古内容です。

 

 

3) 基本五航法(短縮版):一列縦列行進方式

   動作確認に心掛けた。

 

 

4) 各種航法:名宣り稽古方式
   実施航法(理気、調血、活水、将成、舞踊)の各航法
   訓練生の「脇伝」名宣りによる稽古を実施
   舞踊航法は3枚目、活水航法は15枚目まで実施

 

5) 整理体操(のびのび体操)

 

 

【所感】

今日はプールの室温と水温がいつもより暖かく感じた。

寒いと余計な力が入ったりしているのかわからないが、今日はいつもよりリラックスして稽古が出来た。

「活水航法」で久しぶりに水中に身体を沈める動きを行った際に、水の流れで身体が横に動かされた。それを稽古後に指導トレーナーに伝えると<体幹がしっかりしていると流れないようになる>とアドバイスをいただきました。(H.U)

来月『リウマチ専門医』の資格を更新します。

 

本日、一般社団法人日本リウマチ学会から、リウマチ専門医の認定書が届きました。

 

riumati

 


1998年3月1日にリウマチ専門医の資格を取得して以来、5回目の資格更新です。
認定期間は2020年3月1日から2025年2月28日までです。

 

『リウマチ専門医』は、厚生労働省が承認した「広告可能な専門医」の一つです。
英文表記:JCR-board certified rheumatologist


リウマチ科は、決して難しい難病や珍しい病気ばかりを扱っているわけではなく、増え続けつつある国民病の診療にも力を入れている診療科です。

ですから、東京都では約660名のリウマチ専門医が活躍しても、まだ足りません。

 

 

リウマチ科とは?

リウマチ科では、関節リウマチ(全国で70万人程度)をはじめとする膠原病(全身性エリテマトーデス、ループス腎炎、多発性筋炎/皮膚筋炎、全身性硬化症、シェーグレン症候群、ベーチェット病、混合性結合組織病、掌蹠膿疱症性関節炎、抗リン脂質抗体症候群、血清反応陰性脊椎炎など)、骨粗鬆症(全国で1300万人以上)、変形性関節症(全国で3000万人程度)、痛風(全国で110万人以上)などの診療を担当します。

 

また、全国で200万人にものぼる線維筋痛症は、本来であればリウマチ専門医を中心に積極的に受け入れるべき疾患であると考えます。

 

しかし、実際には国際的にみても、リウマチ専門医の苦手意識は根強く、ほとんどの患者さんは受け入れを拒否されているのが現状です。

 

線維筋痛症は、決して難病ではなく、心身医学・東洋医学・リハビリテーション医学などに精通したエキスパートであれば対応な疾患です。

 

杉並国際クリニックは、水氣道®や聖楽療法などの独自の心身医学療法を開発し、有意義な診療経験を重ねています。

 

このように、リウマチ科は、特殊な病気のみを扱う難病診療科ではなく、増え続けつつある日常的な国民病の診療にも力を入れている身近な診療科なのです。

 

 

 

リウマチ専門医とは?

たとえば関節リウマチを例に挙げてみるならば、関節リウマチという名称からイメージされがちですが、症状は関節だけではなく全身にあらわれ、また患者さん一人ひとりによっても、症状のあらわれ方は異なります。

 

そのような病気を診る医師には、専門的な知識と経験が求められます。

そこで、日本リウマチ学会では、リウマチ専門医の育成をしています。

学会では、受験資格を定め、その資格を有した医師がリウマチ専門医の試験に臨みます。その試験に合格して、リウマチ専門医と認定されます。

 

リウマチの専門医には、「日本リウマチ学会認定リウマチ専門医」の他に「日本整形外科学会認定リウマチ医」があります。
 

 

また、日本リウマチ財団は、リウマチ性疾患の征圧を目指して設立された団体で、いくつかの条件を満たした医師を日本リウマチ財団登録医として登録する制度を設けています。こちらからは、日本リウマチ財団に登録された医師のいる施設を検索することが可能です。

 

 

◎「杉並国際クリニック」が正しく掲載されているサイト3件

 

 日本リウマチ財団HP

日本リウマチ財団登録医が勤務する医療機関一覧

 

 

 東京都医療機関案内サービスひまわり(東京都福祉保健局)

杉並区の「リウマチ科」を診察する病院・クリニック

 

 

 Q Life リウマチ専門医のいる杉並区(東京都)の病院一覧

リウマチ専門医のいる杉並区(東京都)の病院(10件)

 

 

▲ 旧名称:高円寺南診療所のまま掲載されていたサイト4件

⇒「杉並国際クリニック」との訂正を御願いしました。

 

 病院なび



杉並区・リウマチ科/膠原病内科 - 病院・医院・薬局情報病院・医院・薬局 22件

 

 

 ドクターズファイル

杉並区のリウマチ科のクリニック・病院19件

 

 

 Caloo(カルー)

杉並区のリウマチ科の病院・クリニック 18件

 

 

 お医者さんガイド



東京都 杉並区のリウマチ科の病院とクリニック22件