3月25日(水)脳卒中の慢性期治療についてNo3

再発予防策❷ 心原性脳塞栓症

 

心原性脳塞栓症

非弁膜症性心房細動(NVAF)患者への脳卒中再発防止

クマリン系抗凝固薬ワルファリン(ワーファリン®)が強く推奨されています。

ただし、ワルファリン投与中に大出血を来すことがあり、その場合にはプロトロンビン複合体(ケイセントラ®)の使用を考慮します。そのためワルファリンの使用に当たっては血中濃度モニタリングが必要で、また他の薬物やビタミンKを含む食品など食物との相互作用が多いため使いにくい側面があります。

標準化プロトロンビン時間(PT-INR)を2~3、70歳以上では1.6~2.6にコントロールします。

 

なおNVAF患者では虚血性脳卒中および全身性塞栓症の発症が懸念されますが、これらの発症抑制のためにDOACが適応になりました。

これらは血中濃度モニタリングの必要がなく、また薬物や食物との相互作用が少ないため使いやすい薬剤です。

 

・トロンビン阻害薬ダビガトラン(プラザキサ®)

 

・直接Xa阻害薬リバーロキサン(イグザレクト®)、アビキサバン(エリキュース®)、エドキサバン(リクシアナ®)

 

 

杉並国際クリニックでの臨床応用

非弁膜症性心房細動(NVAF)による心原性脳塞栓症の再発予防のためには、ワルファリンより出血性合併症の少ないDOACを考慮します。また出血の危険度の高い処置が予定されている場合は、ヘパリンではなくDOACへの置き換えを考慮します。ただし、処置当日のみはDOAC内服は中止とします。