3月13日(金) 新型コロナウイルス(COVID-19)感染症対策を検討するNo5

はじめに、この記事は2月25日に記載しました。この記事がアップされるまでの間に、新しい情報が公開される可能性があることを予めお断りしておきます。

 

短報:中国の肺炎患者から検出された新型コロナウイルス(COVID-19)

 

ニューイングランドジャーナル オブ メディシン 

 

Lirong Zou, et al. NEJM. 2020 Feb 19. [Online ahead of print]

 

< 無症状でも発症者と同等のウイルス量 >
 

中国・広東省疾病管理予防センターのLirong Zou氏らが、COVID-19の患者18例の症例報告がNEJM誌オンライン版2020年2月19日号CORRESPONDENCEにて発表。

COVID-19の患者18例の鼻と喉から採取したサンプルを調査。

 

対象:

中国・広東省珠海市で新型コロナウイルス陽性と確認された患者18例

 

方法:

❶ 鼻腔スワブと咽頭スワブから検体を採取

 

❷ 発症日とウイルス量の相関を連続的にモニタリング

 

 

結果:

18例中1例が無症状。

1例を除く17例の鼻腔スワブ72本と咽頭スワブ72本から検体を採取。
 

主な疫学的・臨床的特徴は以下のとおり。

 

・患者の年齢中央値は59歳(範囲:26~76)
男性・女性ともに9例ずつで、うち4例は2つの家族内における2次感染例。

 

・初めに発症した14例は2020年1月7日~26日までに武漢市帰りで37.3度以上の発熱が見られ、COVID-19と診断。

このうち13例については、CTで肺炎の所見あり。

その後3例はICUでの治療を要した。

他の10例はいずれも中程度~軽度の症状。

 

・1例は臨床症状が見られなかったが、発症者との接触7~11日後に採取された鼻腔スワブ(サイクル閾値[Ct]:22~28)および咽頭スワブ(Ct:30~32)から新型コロナウイルス陽性の反応が確認。

 

・発症者17例については、発症直後に高いウイルス量が検出。
また、咽頭よりも鼻腔においてより多くのウイルスが検出。

 

・COVID-19におけるウイルス核酸の放出パターンはインフルエンザと類似。
ウイスルの広がり方は、ゲノム配列が類似しているSARS-CoVよりもインフルエンザに近い。

 

・無症候者から検出されたウイルス量は、発症者のウイルス量と同程度。

 

 

考察:

無症候者およびごく軽症者からの感染の可能性が示唆。

 

 

杉並国際クリニックの見解

いかがでしょうか。中国からの論文ですが、信用に足る有益な報告です。

 

誤解が多いようですが、中国の医師や研究者の中には、政府からの迫害や自らの生命の危機をも顧みずに、使命を果たそうとする立派な方々が多数活躍しています。

 

国家からの不当な干渉を受けていなければ、現代の中国の医学のレベルは日本と同様に決して低くないことが理解できると思います。

 

日中共に医学研究者は輝かしい業績を挙げ、医学は今日でも進歩を続けています。低いのは現場の医療をコントロールする行政機構の水準です。医学水準と医療水準との大きな格差を生み出しているのが行政機構です。

 

年明けの正月5日の時点の新聞情報で、都内の片隅の一開業医ですら、早くも想定できていた事態は、どのように推移していったでしょうか。

 

内閣総理大臣や厚生労働省その他の担当大臣の分析・管理能力の水準は、彼らの動静を冷静に観察するならば、おおよそその知れてきます。

 

いまや日本国の言論封殺・情報統制は、中国以上であるという見方もあながち誇張した意見ではないと考えます。

 

このような為政者が憲法改正を主張していますが、笑止千万、危険極まりない、ということの認識を国民一般が持ち得ていないとしたら、それこそ一大事ではないでしょうか。

 

自分たちや将来の子孫たちの運命に直結する医療・環境・平和に関する課題について、国民の側から真剣に考えていく動きが生まれなければなりません。

 

そうしたステップを踏まえて改憲すべきであれば、しっかりと改憲に向けて踏み切るための明確な意思表示をすることが必要だと考えます。