3月3日(火)呼吸器 非結核性抗酸菌症 ❷

非結核性抗酸菌症 ❷

 

非結核性抗酸菌症 とは、結核菌と癩菌(らい菌)を除く非結核性抗酸菌による感染症のことです。非定型抗酸菌症とも呼ばれます。患者数は年々増加傾向にあり、肺の感染症は、肺MAC症(マック症)とも呼ばれています。

 

肺MAC症は特に中高年女性に好発します。結節・気管支拡張型、線維空洞型、孤立結節型、過敏性肺炎型、全身播種型に分類されますが、結節・気管支拡張型が圧倒的に多く増加し続けています。

 

空洞や高度の気管支拡張、喀血などを伴わない結節・気管支拡張型では通常、化学療法が優先されます。化学療法で用いる薬剤は基本的には結核治療剤と同様です。リファンピシン、エタンブトール、クラリスロマイシン、ストレプトマイシンまたはカナマイシンの併用などが用いられています。

 

治療期間としては少なくとも菌陰性化後1年とされ、より長期の治療が望ましいともされ、菌陰性化後2年弱の治療で再排菌がなくなるとの報告もあります。

 

近年では、少なくとも菌陰性化後1年は継続し、特に切除不能な空洞や気管支拡張が多発する症例では治療期間の延長が望ましいとされています。

 

この治療期間に関して、ごく最近、新しい調査結果が発表されたので、明後日解説します。ただし、空洞や気管支拡張を伴い排菌が持続する場合や喀血を来す場合などには病勢コントロールを目的に外科治療も考慮されます。

 

<明日に続く>