新型コロナウィルス感染症が疑われる方への対応について

この時期、新型コロナウイルスに対する国策が急展開したことを受け、内外の多くの皆様から当クリニックの対応についてお問合せがありました。

 

また、本日の新聞でとてもショッキングな事例を知りました。

 

<東京新聞2月28日朝刊より>


新型肺炎 検査態勢改善求める声 都担当課「できる数が少ない」窓口の保健所「都、判断厳しい」

 

そこで、杉並国際クリニックとしては、どのような対応が可能かを再検討することにしました。情報収集のために、当院事務次長の野口将成が「新型コロナウイルスの感染が強く疑われる場合の杉並区の対応」を確認することにしました。

 

本日(2月28日)午後1時に、杉並保健所へ電話で確認したところ担当保健師の大泉様(女性)より、以下の回答をいただきましたのでご報告いたします。

 

『医療機関から連絡があった場合、保健所より当人に直接、コロナウイルス感染症の専門外来を行っている医療機関を紹介して調整する。紹介された専門外来の医療機関を受診後に検査基準に達していれば検査を行う。発見した医療機関の紹介状は特に必要ない。』

 

詳細は不明ですが、このご回答によると、発見した医療機関とは、外来診療で新型コロナウイルスの感染が強く疑われるような患者さんを受け入れている医療機関ということになります。

 

そのような患者を発見した医療機関から連絡があった場合には、紹介状は不要なうえ、保健所より当人に直接、新型コロナウイルス感染症の専門医療機関を紹介してくださるようです。

 

ただし、紹介先の医療機関を受診しても検査基準に達していなければ検査は受けられないということになります。

 

ここで問題になるのは、新型コロナウイルス感染の検査が受けられるかどうかは、一定の検査基準に達していることが前提である、ということです。

 

これがどのような基準であるのかは、おおよその検討はつきますが、国や自治体あるいは医療現場との調整や相次ぐ緒方針の転換などにより、必ずしも明確に確定されていない可能性があります。

 

つまり、軽症の患者さんは、コロナウイルス感染の可能性があっても検査を受けることができない可能性が高いことを示唆します。

 

また、すでに報告されているように、コロナウイルス感染症は、無症状であっても感染していれば、ウイルス感染症の症状が発現している患者と同程度のウイルスを放出しています。

 

残念ながら、このような対応では、コロナウイルス感染の検査を受けられず未診断のままの感染者が増え続け、コロナウイルスの拡散は防げるどころか、感染を拡大してしまうリスクが高まるだけであることが懸念されます。

 

 

杉並国際クリニックの対応方針

上記の情報をもとに検討いたしましたところ、杉並国際クリニックでは、残念ながら、コロナウイルス感染症の診断が可能な体制が整備できていません。

 

また今後もその見込みも立ちません。

したがいまして、当クリニックは、コロナウイルス感染症の可能性のある方に対する初期対応を実施することは適切ではありません。

 

当クリニックの最大の責務は、現在、当院に継続通院加療中の患者の皆様や当方の職員が当院内でコロナウイルス感染症に罹患しないように最大限の予防策を取ることによって、社会全体に感染者を蔓延させないような工夫と努力をすることに専念すべきであると考えます。

 

当クリニックは令和元年6月以降、初診受付の予約制を導入いたしておりますが、引き続きこの体制をしっかりと堅持しつつ、上記の目的を達成してまいりたいと存じます。

 

ご理解とご協力の程、よろしくお願い申し上げます。

 

杉並国際クリニック 院長 飯嶋正広