2月20日 パーキンソン病とその周辺(No4)

薬剤性パーキンソニズム

 

パーキンソン病と同じような症状を示す病態をパーキンソニズム(パーキンソン症候群)と呼ぶことは、すでに説明しました、パーキンソニズムを呈する病態のうち医薬品の副作用としてパーキンソン症状が現れるものを薬剤性パーキンソニズムといいます。


薬剤性パーキンソニズムの症状は、動作が遅い、声が小さい、表情が少ない(仮面用顔貌)、歩き方がふらつく、歩幅が狭い、一歩目が出ない、手が震える(振戦)、止まれず走り出す(突進歩行)、手足が固い(筋強剛)などです。


薬剤性パーキンソニズムの特徴は、急速進行性、対称性、姿勢時や動作時の振戦、ジスキネジアやアカシジアの合併、抗パーキンソン病薬の効果不十分、などがあります。

 

原因薬剤には、抗精神病薬、抗うつ薬、抗てんかん薬、抗不安薬、降圧薬、抗不整脈薬、消化性潰瘍治療薬、胃腸機能調整薬、抗悪性腫瘍薬など多くのカテゴリ―の薬剤がパーキンソニズムを惹起させることが報告されています。

 

ただし、原因薬剤には薬剤添付文書に未記載のものもあり、被疑薬に関する知識と不断の警戒が必要です。