日本の痛風・高尿酸血症診療の新たな担い手

―熱心な整形外科医に熱いエールを送りたい!-

 

昨日(2月13日)最後の学会プログラムであったシンポジウム1「改訂ガイドラインの評価と今後の課題~関連学会の立場から~」は印象的でした。

 

現在、日本の痛風患者の多くが、痛風を専門としない整形外科を受診していることは知っていました。

しかし、近畿大学医学部整形外科・リウマチ科の森成志先生ご発表の調査報告によると、残念なことに、想像していた以上に一般的に日本の整形外科医は痛風や高尿酸血症について体系的な教育を受ける機会が乏しく、知識も十分でなく、苦手意識をもっているらしい、というのが実情のようです。

 

質疑応答で山中寿先生(前女子医大主任教授)も指摘されていましたが、痛風の患者が集まりやすい整形外科医が専門教育を受けることができるシステムを構築することが望まれます。

 

 

私自身は内科医であり、他の痛風医の多くと同じくリウマチ専門医でもあることから、痛風や高尿酸血症の経験は豊富でした。

しかし、当該学会認定の教育医療機関での研修機会がなかったため、筆記試験を受験し、資格取得までに数年を要しました。

ですから、痛風診療に意欲的な整形外科医も、私と同じ方法で認定痛風医となることが可能なので、知り合いの整形外科医には、勧めていきたいと思います。

そして、今後も一緒に研鑽し、協力し合って質の高い痛風・高尿酸血症の実臨床が全国規模で推進できるようにいきたいと考えています。

 

改めて日本痛風・尿酸核酸学会のホームページを確認し、認定痛風医名簿を確認して、その思いを新たにしました。

 

現在、認定痛風医は全国で55名ですが、東京に限ると14名です。しかも、積極的に痛風診療を行っていると想定される医療機関は6件に過ぎません。

 

新たに杉並国際クリニックが加わっても7件のみです。

東京女子医大のような専門中核医療機関は、症例数が増えすぎたためか、重症のリウマチ患者に特化しつつあるように思われ、軽症のリウマチ患者や痛風・高尿酸血症の患者さんは杉並国際クリニックに逆紹介される時代になってきました。

同じく痛風の専門機関病院である東京慈恵会医科大学病院でも痛風の新患は受け付けていないことが掲示されています。

 

杉並国際クリニックは、昨年5月以来、すでに、新患受付はすべてインターネットを通しての予約制システムを導入しています。

 

そのため、本年4月以降に増加が見込まれる痛風・高尿酸血症の新患対応により、これまで通院されている多忙な皆様の待ち時間が増えないように一層の配慮と工夫を凝らしておりますので、どうぞご安心くださいますように!

 

 

日本痛風・尿酸核酸学会認定痛風医名簿

 

東京の認定痛風医14名(令和2年2月14日現在)

 

「外来を行なっている医療機関」6件

 

令和2年4月1日以降に、杉並国際クリニックが追加されて7件となる予定です。

 

 

東京医科大学腎臓内科

〇 菅野義彦先生

 

 

帝京大学医学部付属病院内科

〇 内田俊也先生(所属:帝京平成大学)

 

 

帝京大学医学部付属新宿クリニック

〇 藤森新先生

 

 

両国東口クリニック(墨田区両国)

〇 大山博司先生

 

 

サクラビアクリニック(世田谷区成城)

〇 寺井千尋先生(所属:自治医科大学)

 

 

長瀬クリニック(板橋区徳丸)

〇 長瀬満夫先生

 

 

「外来を行なっている医療機関」欄が空欄もしくは、現在新患を受け付けていないもの6件

東京大学医科学研究所付属病院

 

東京女子医科大学付属病院

 

東京慈恵会医科大学付属病院

(病院のHPにあるように再診患者さんのみを診療しており、新患の診療は行っていません。)

 

虎の門病院

 

木場病院

 

東京薬科大学