2月6日 新型コロナウイルスについて(No4)

コロナウイルスの仲間は、今回発見されたウイルスを含めて7種が同定されています。

 

そのうちの4つ、229E、OC43、NL63、HKU1は、ごく普通の風邪でみられる、いわゆる「風邪の原因ウイルス」です。

しかし、前4者とは明らかに臨床像が異なるコロナウイルスがこれまでにも知られていました。

 

2002年と12年にSARS-CoVとMERS-CoVが感染症を起こしています。

この2つは下気道感染を起こすコロナウイルスです。

ですからSARSやMERSなど重症の呼吸器疾患を起こすウイルス種まで実に広範であることを忘れてはなりません。

コロナウイルスは、さまざまな野生動物からヒトに感染するリスクがあると考えられています。

 

重症の呼吸器疾患を起こす既存のコロナウイルス感染症として注意すべきなのが、上記のSARS-コロナウイルス(SARS-CoV)とMERS(中東呼吸器症候群)-コロナウイルス(MERS-CoV)です。

そして今回の新型コロナウイルス2019-nCoVです。
 

 

SARS-CoVは02年11月に中国の広東省で1例目が発見され、03年の3月までに世界中に広がりました。

SARS-CoVは重症の肺炎を起こし、65歳以上の高齢者では死亡率が50%以上になる危険な感染症でした。

その後、患者の早期発見と厳重な隔離によって、流行は終息しました。
 

このSARS-CoVはジャコウネコやハクビシンといった野生動物からヒトに感染したものではないかと考えられています。
 

 

中国では野生動物を食べる習慣があり、そのための市場も籠に入れた動物を売買するなど非衛生的であり、『動物は病原体のパッケージである(“Each animal is a package of pathogens,”)』というメッセージ表現は意味深長というよりもショッキングですらあります。

 

<明日に続く>