1月29日 急性白血病をめぐって(No3)

―B細胞性急性リンパ性白血病-

 

急性リンパ性白血病(ALL)は、小児と成人で発症します。骨髄にリンパ性白血病細胞が25%以上認められれば診断できます。


ALLも一様ではないため従来から白血病細胞の形態による分類(FAB分類)が行われていましたが、WHO分類では、造血器腫瘍をその起源で4つのカテゴリーに分類し、その一つであるリンパ系腫瘍はさらにB細胞腫瘍、TおよびNK細胞腫瘍、ホジキンリンパ腫に再分類されます。

 

ALLは、その起源によりB細胞腫瘍あるいはTおよびNK細胞腫瘍に属し、リンパ芽球性リンパ腫瘍と同じカテゴリーに分類されています。

また最近では表面形質による分類が主体となりました。これは白血病細胞の表面形質によりB細胞性(B-ALL)とT細胞性 (T-ALL)に分けます。 T-ALLのほうがB-ALLより予後がよいとの報告が多いようです。

 

ALLの治療は、まず完全寛解に導入し、その後、地固め療法、さらに維持強化療法を行なって白血病細胞の根絶を目指すのが原則ですが、標準的な治療は存在しません。

こうした、従来の治療法に加えて、抗体(特定の標的に結合するたんぱく質)を利用する治療法があります。この治療法は既に抗体療法は関節リウマチやがんをはじめ、さまざまな疾患の治療薬として用いられています。抗体療法が液性免疫をつかさどる特異的免疫グロブリンという蛋白質を用います。

 

予後不良因子は、完全寛解までの期間の長いこと、白血球数が多い(3万ないし5万/μL以上)こと、高年齢(30歳ないし35歳以上)、ないし、特定の核型をもつ染色体異常などが参考にされています。

 

<明日につづく>