聖楽院<研究科>レッスン報告

1月27日(月)13:00~15:00(ピアノ黒木洋平) 

レッスン会場:東高円寺・音海

ドイツ・リート

 

#1.ベートーベンの歌曲から3曲
      

・Ich liebe dich(君を愛す)

・An den ferne Geliebte(遥かなる恋人に)    

・Andenken(想い)
     

 

#2.シューベルト「冬の旅」から

第1部  

第7曲 Wasserflut(流れの上で)

第9曲 Irrlicht(鬼火)
  

第2部  

第16曲 Letzte Hoffnung(最後の望み)

 

 

まとめ:
今年はベートーヴェン(1770年~1827年)の生誕250年にあたるので、各地でベートーベンの音楽が流れることであろう。3月26日が命日、今年のこの日は木曜日なので、聖楽院基礎科B組のレッスンの予定。Ich liebe dichかAndenkenを教材に選択するのも一考であろう。

本日のレッスンで、An den ferne Geliebte(遥かなるひとに)は、何故か違和感を覚えて、あっさりと諦め、研究課題とした。その理由は、本日の稽古の後に判明。この曲はSechs Gesänge(6つの歌)のうちの第5曲。11節構成で歌詞は6回繰り返しの有節歌曲。これも御縁なので第1曲目をさらう予定。

An den fernen Geliebtenで検索すると、楽譜付きでスペイン語字幕付きのyoutubeがある。

 

ちなみに、全音の楽譜「ベートーヴェン歌曲集(中声用)川村英司編、改訂版」には、An den fernen Geliebten(遥かないとしい方に)とAn die ferne Geliebte(遥かなるひとに)が収載されている。昨日、吉田教授に紹介していただいたのは後者であり、こちらはLieder Zyklusとして最初の作品で、ベートーヴェンの歌曲中でとくに傑出した歌。作詞者ヤイテレス(Alois Jaitteles)はウィーン大学医学部一年生で、自筆のこの詩をベートーヴェンに送ったものとされる。
シューベルトは「冬の旅」の難曲を集中的に稽古した。
第7曲 Wasserflut(流れの上で)は4分の2拍子で、3拍子とは違った独特な難しさがあり、黒木氏が、最も難しい曲の一つであるというのも頷ける。TempoはLangsamだが、シューベルトの自筆譜ではMäßig(中庸に)となっているため、いずれは、そのテンポで歌うことになろう。


第9曲 Irrlicht(鬼火)は8分の3拍子である。リズムがとりにくいことこの上ない。都合6回以上繰り返して歌ってみた。黒木氏が根気強くリズムとりのサポートをしてくれたのが役立った。その難しさは、ドイツ語の単語の一音節の音価が拍の整数倍でない箇所にっ顕著であった。休符のあとの歌い出しも、リズムにかかってくる。

第16曲 Letzte Hoffnung(最後の望み)の難しさも、4分の3拍子にある。これも第9曲の難しさに通じるものを感じる。