1月6日 感染症・アレルギー・膠原病 ①

肝機能障害を認めたために問診方法に苦渋した50代男性(その1)

 

数日前より全身倦怠感、食欲不振があるため、初めて来院された方でした。

 

体温37.0℃(平熱36.2℃)、脈拍数84/分、血圧134/88㎜Hg(普段と変わらず)、身長172㎝、体重88㎏. 尿検査で糖(⧺)、蛋白(+)、潜血(-)、pH6.5.眼瞼結膜は貧血なし、眼球結膜は黄疸なし.頸部リンパ節は蝕知せず.心音・呼吸音に異常なし.腹部は全体的にやや膨満、右季肋部に軽度の圧痛、ただし、筋性防禦や反跳痛は認めませんでした。

 

肝硬変などで見られる羽ばたき振戦はみられず、その他神経学的な異常も認めませんでした。

 

尿検査で明らかに糖(⧺)が検出されたため、受診歴を尋ねたところ、某総合病院の内分泌代謝科に受診中とのことでした。

 

糖尿病治療薬グリベンクラミド(オイグルコン®)、高血圧治療薬アムロジピン(ノルバスク®)を処方され内服継続中であることがわかりました。また主治医の勧めにしたがい最近はほとんど飲酒していないとのことでした。

 

患者さんは、「検査は不要なので、だるさと食欲不振だけでも何とかしてほしい」と切望されました。だるさと食欲不振の背景には、何らかの原因があるはずです。低血圧や糖尿病患者にみられがちな低血糖症状ではなさそうでした。


<明日につづく>