1月3日 閉塞性睡眠時 無呼吸症候群(OSAS)その3

閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)に対するCPAP療法は、健康保険の適応がありますが、そのためには条件があります。

 

わが国では、ポリソムノグラフィ(PSG)によるAHI20以上か、簡易診断装置によるAHI40位上の場合に保険適応になります。

 

国民皆保険ではない米国ではAHI15以上であれば自覚症状の有無にかかわらずCPAP療法の適応だということを知ると、保険医療制度というのは制限医療であるということを改めて認識させられます。

 

そして、CPAP療法は、閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)の根本療法にはなりません。根本療法と併用することによって、CPAP療法から離脱できるように導くことが望まれます。

 

そこで閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)に対するCPAP以外の治療法にはどのようなアプローチがあるでしょうか。

 

肥満改善のための食事療法、就寝時体位の改善(仰臥位から側臥位へ)、アルコールやベンゾジアゼピン系睡眠薬を控えるなどがあります。その他に、各種の呼吸刺激薬がありますが、根本療法ではなく、効果も限定的なので、あまりお勧めできません。

 

この症例は、水氣道®を開始すると、睡眠の質が改善し、寝酒の習慣を絶ち、また他院から処方されていたベンゾジアゼピン系睡眠薬が不要となりました。また10㎏の減量にも成功し、糖尿病に対して経口血糖降下薬も減量できました。そして、最終的には、ポリソムノグラフィ(PSG)を再度行い、AHIが10以下となったため、CPAPも中止することができました。

 

水氣道®が睡眠時無呼吸症候群の根本療法になる可能性は大いにあるものと考えております。

 

<睡眠時無呼吸症候群-完>