慢性呼吸不全についてNo2 12月3日(火)

先日は、慢性呼吸不全のガイダンスをしました。簡単に理解していただくためには、それでよいのですが、診療においては、もっと詳しいデータが必要になります。

 

慢性呼吸不全は、動脈血中の二酸化炭素(PaCO₂)の分圧によってⅠ型とⅡ型に分類します。

 

慢性呼吸不全Ⅰ型とは、PaCO₂≦45Torr

 

慢性呼吸不全Ⅱ型とは、PaCO₂>45Torr

 

 

我が国では、慢性呼吸不全の原疾患として、慢性閉塞性肺疾患(COPD)がおよそ半数近くを占めているといわれています。

 

少し古いデータではありますが、在宅呼吸ケア白書(2010)によると、
COPD45%、間質性肺炎18%、肺結核後遺症12%が主要な原疾患であることがわかります。

 

 

杉並国際クリニックでは、前身の高円寺南診療所の時代から、徹底して禁煙指導を続けてきた結果、喫煙者が少なく、そのためCOPDの割合も少ないです。

 

しかし、自らが喫煙者ではなくとも、家族、同僚に喫煙者が多いとCOPDに成り易いです。

 

とくに小規模の飲食店経営者には、この傾向が強いようです。店内禁煙をお勧めして、病状が軽快する方が少なくありません。

 

また、杉並国際クリニックは、リウマチ専門医療機関でもあるため、呼吸器科を除く一般的なクリニックよりも間質性肺炎の患者さんの頻度は若干高いです。

 

慢性呼吸不全の治療としては、在宅酸素療法がありますが、明日、解説することにします。