第2回日本心身医学関連学会合同集会

16日(土)のいま、学会会場近くのベローチェから土佐堀川を眺める窓の席からです。

 

何と聞き覚えのあるメロディーが流れていました。

 

シューマンの歌曲「女の愛と生涯」の1曲

中川あいさんが、14日の音楽祭の第一部で私の新訳で歌ってくれた、

<私の指輪さん>です。とてもうれしい気持ちでいっぱいです。

 

 

 

初日11月15日(金)の報告

 

9:00‐10:20:合同集会 各会長リレー講演

 

 

10:25‐11:05:議長講演

テーマ/日本の心身医学、これまでの60年、これからの60年

 

演者の久保千春先生(九州大学学長)にCD(小倉百人一首で歌うコンコーネ50番)をお渡ししました。

 

とても興味をもってお受け取り下さいました。

 

前日が私の還暦の誕生日で、改元記念杉並令和音楽祭も大成功のうちに終えることができました

 

私の生まれた60年前の11月に日本の心身医学が九州大学で誕生したことを思うにつけても感慨ひとしおでした。

 

これからの60年の後には私は120歳になるので、この世には存在しないと考えていましたが、私たちの思いだけは百人一首やコンコーネの曲のように、この世にプレゼントできるのではないかと、そんな気持ちにさせていただけるご講演でした。

 

 

 

11:10‐11:50:合同集会 招待講演

 

テーマ/心身医学の未来ー今後の60年間のオプション、展望、リスク

 

演者のHans-Christian Deter教授(私が昨年ベルリンのドイツ心身医学会で講演したときに司会をしてくださったドイツ医学会の重鎮)

 

日本とドイツの両国は世界の心身医学会を牽引しているリーダーです。

 

医学や人間に対する社会の考え方にかかっていて、世界の国々が日本やドイツのように調和や幸福に焦点を合わせるなら心身医学の発展は明るいはずだが、楽観はできないとのメッセージでした。

 

それから、とても興味深かったのは、

Deter先生のスライドの1枚に、診療で疲れ切った後の医師がCDで音楽を聴きながら自分自身を癒やしている画像がありました。

 

医師自身も癒されなければ、患者さんのために良い仕事を続けていくことができないでしょう、と話されていました。

 

ですから、私自身も数少ない指導医の一人として、今後も十分に責任を発揮していかなければならないことを改めて自覚しました。

 

こうした偶然も重なり例のCDをプレゼントしましたが、とても喜んでくださったことはもちろんです。

 

先生は、私のことをとてもよく覚えてくださっていました。

 

それもそのはずです。

昨年ドイツ心身医学会の会期中にベルリンの連邦議会議事上の階上にあるレストランでDeter教授は、私たち日本の指導医たち数名をディナーに招いてくださったのですから。

 

 

12:00‐13:00:ランチョンセミナー

慢性便秘の治療ガイドラインのお話、<便秘症のガイドラインはできたがエヴィデンスはほとんどない>という本音トーク。

 

杉並国際クリニックの従来のメソッドを超えるガイドラインは、国際的にもできていません。

 

 

13:40‐14:30:日本心身医学会教育講演1

 

 

14:30‐15:30:日本心療内科学会教育講演1

 

テーマ/心身医学におけるバリントグループーその歴史と臨床的意義―

 

演者のThomas Klonek先生は10年来の知己で、何と流暢な日本語で講演をされました。

 

小倉百人一首のCDを最も喜んで受け取ってくださったドイツ人医師の一人です。

 

 

17:20‐19:00:日本心身医学会シンポジウム5

 

テーマ/高度情報化社会における心身の内的プロセスと内受容感覚

 

このテーマは、水氣道にも深くかかわる専門的なディスカッションでした。

 

アレキシソミア(失体感症)、アレキシサイミア(失感情言語症)、マインドフル・アプローチ、アイデンティティ、フォーカシング、ボディ・スキャンなどの用語の意味と具体的な活用法については水氣道の指導者(四段以上)を目指す会員には是非習得していただかなければなりませんが、今後10年のうちにそのような指導者を育成できるかどうかに、水氣道の明暗が掛かっています。

 

一人でも多くの水氣道会員の皆様が、水氣道の指導者を目指してくださることを願っております。