循環器・腎臓病 ⇒ 慢性腎臓病(CKD)について 

11月4日 脳心血管病予防における慢性腎臓病(CKD)の考え方

 

      

令和時代の医療は、少なくとも10年後の自分の健康に自信が持てる医療を目指さなければ、本人も家族も、そして国の帳尻も合わなくなってしまう瀬戸際にたっています。

 

いつまでも、昭和の健康観《今、働けていれば健康》は言うに及ばず、平成の健康観《今、症状がなければ健康》といった低次元の健康観のままでは、将来の認知症、介護、腎透析、心不全、脳卒中などからわが身を守ることが難しくなります。《備えあれば憂いなし》という言葉は昔からありますが、

 

少なくとも10年後の自分の健康と幸福のために、誰もがきちんと健康管理を継続しておくことが望まれる時代になりました。

 

      

昭和や平成の健康観のままでいると、アルブミン尿や軽微な腎機能障害は、ほぼ完全に無視され、見落とされることになります。

 

そうすると、将来の脳卒中、虚血性心疾患、心不全などの新血管病や死亡と強く関連していることに気づかないままリスクをさらに高めるという結果を招きます。

 

そうした認識の上に、これらのリスク病態としての慢性腎臓病(CKD)の概念が確立されました。

 

      

現在CKDの該当者は全国で1,300万人を超えると推計されています。この数字は糖尿病患者数や東京都の人口に匹敵します。

有効かつ包括的なCKD対策の実施が、透析導入の減少・心血管病の予防に重要な手段となります。

 

わが国における腎疾患患者全体も年々増加傾向にあり、国民の死因の第8位を占め、2016年末で、すでに約33万人が透析療法を余儀なくされています。

 

透析に至る3大原因疾患は糖尿病、慢性糸球体腎炎、腎硬化症です。なかでも糖尿病患者の急増、糖尿病性腎症および腎硬化症が、高齢化・超高齢化を背景として増加しています。

 

そのための有用な対策ツールとして、日本腎臓病学会より、2018年に「エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2018」が5年ぶりに改訂されました。

 

杉並国際クリニックは、このガイドラインに基づき、外来診療用の<慢性腎臓病重症度分類>シートを作成して現在すでに有効活用しております。

 

該当する方には説明と共に、検査所見と評価結果、対策などを個別に記入し、お渡ししています。

 

  <明日に続く>