<はじめに>

 

 

前回は「目に効果のあるツボ」を紹介しました.。

 

 

「攅竹」は眉頭のくぼんだ部分にあり、

 

 

「晴明」は目頭の内側やや上方のくぼんだ部分にあり、。

 

 

「天柱」は首の後ろ側、中央のくぼみの両脇にある太い筋肉の上、左右両方外側のくぼみにありるというお話でした。

 

 

今回は「頭痛」に効果のあるツボを紹介していきましょう。

 

 

 

<頭痛に効果のあるツボ>

 

2019-11-26 13-35

 

 

今回は「列缺(れっけつ)」「陽陵泉(ようりょうせん)」を紹介します。

 

 

「列缺」は手首の後ろの高い骨のそばにあります。

 

 

「陽陵泉」膝の外側下にある骨の出っ張りのすぐ下の凹んだところにあります。

 

 

 

 

杉並国際クリニック 統合医療部 漢方鍼灸医学科 鍼灸師 坂本光昭

3) SLEの臓器診察と診断

 

SLEは、皮膚・関節症状の他に、漿膜炎(胸膜炎、心膜炎)、腎炎、神経症状(けいれん発作、精神病、多発単神経炎、末梢・中枢神経障害、急性錯乱状態)に加え、血液疾患(溶結性貧血、白血球減少、血小板減少)、膀胱炎や腸炎がみられることもあります。

 

このように、SLEは特有の腎臓病や脳神経症状をも伴うので、腎臓や血液、神経内科・心療内科・精神神経科領域にも及ぶ知識や経験も求められる疾患です。

 

 

2010年に欧州リウマチ学会(EULAR)は、SLEに伴う神経精神症状(NPSLE)、2012年に欧州腎臓学会・欧州透析移植学会と合同でSLEに伴う腎炎(ループス腎炎)の管理に関する推奨、米国リウマチ学会(ACR)はループス腎炎のスクリーニング・治療・管理に関する推奨を、それぞれ発表しています。

 

また、2014年にEULARは、寛解とその維持を目標とする(Treat to Target)治療方略に関する推奨と問題点について報告しています。

 

 

重要な臓器病変としてループス性腎炎はSLEの約50%の症例にみられます。発症機序として、DNAと抗DNA抗体による免疫複合体形成が主因と考えられています。

 

これは免疫複合体性糸球体腎炎であり、持続性タンパク尿(0.5g/日以上)からネフローゼ症候群になります。

 

強力な免疫抑制療法がおこなわれるため、致命的な合併症として感染症が問題となります。また抗リン脂質抗体症候群が合併することが多いです。

 

 

診断にあたっては、ウイルス感染症や血液疾患、他の膠原病などとの鑑別をしながら進めていきます。

 

厚労省基準(1987年改訂ACR分類基準)にかわって、最近では、より早期からの分類が可能となる国際基準(SLICC)分類基準が用いられます。

 

診断基準には、臨床的基準の11項目の他、免疫学的基準が6項目あり、このうち4項目を満たせばSLEと分類されます。杉並国際クリニックでは、免疫学的基準が6項目のうち、抗核抗体、抗DNA抗体、補体(C3,C4)、直接クームス試験の4項目をスクリーニングしていますが、他にも抗Sm抗体、抗リン脂質抗体の2項目があります。

 

 

SLEの診断がついたあとに、計画的に確認しておくべきなのは、重症度と疾患活動性の評価です。

 

重症度の評価は、臨床症状の重症度で判断しますが、ループス腎炎については、生検による組織所見により評価します。ループス腎炎は、SLEの予後を左右する主要臓器病変であり、腎生検でⅠ型からⅥ型に分けられています。

 

 

SLEの疾患活動性の評価は、日常診療においては、発熱、関節痛、皮膚粘膜病変、血球減少、低補体血症、抗二本鎖DNA抗体上昇、尿所見などにより活動性を評価します。尿検査では尿蛋白0.5g/日以上、赤血球円柱などはSLEの診断の臨臨床的基準の項目の一つです。

 

<明日に続く>

2) SLEの皮膚・関節の診察

 

全身性エリテマトーデス(SLE)は国の指定難病であり、国内の推定患者数は10万人程度とされています。

 

しかし、国内でのSLE治療ガイドラインは担当研究班により作成中です。SLEで出現する症状や重症度は患者間で大きく異なります。

 

また、寛解の後にも再発が高頻度であることも特徴です。リウマチ膠原病疾患という内科疾患であって、皮膚科的所見や整形外科的関節所見にも対応できるのがリウマチ内科専門医です。

 

 

SLEの早期診断は、重症化を防ぎ、予後を左右するため重要です。臨床症状としては、まず、全身症状として発熱、倦怠感、多関節痛(炎)がみられます。
 

とくにSLEに特徴的皮疹として、頬部紅斑(蝶形紅斑は特異疹)、円板状エリテマトーデス型皮疹(ディスコイド疹)を伴うことが多いです。なお、特定の疾患との関連が強い皮膚症状を特異疹とよびます。

 

その他、レイノー症状(註1)などの皮膚症状は多様です。また、無痛性口腔内潰瘍(註2)や非瘢痕性脱毛(かつては、診断基準に含まれていました)は膠原病の中でもSLEに特異性が高いです。


そして、それらが診断、活動性や重症度の評価、予後予測に有用です。膠原病でみられる皮膚症状の多くは痛みや痒みなど自覚症状を伴わず、患者自身が気付いていないことも多いです。

 

ただし、自然軽快するため経過観察が基本ですが、全身疾患(ベーチェット病、サルコイドーシスなど)との鑑別、皮下脂肪炎を呈する結節性疾患(結核の硬結性紅斑、血栓性静脈炎、結節性動脈炎など)と深在性エリテマトーデスとの鑑別をします。

 

(註1)レイノー現象:SLEの50%程度にみられるが、強皮症や混合性結合組織病ではいずれも90%以上と高頻度に認められます。これは、寒冷刺激や精神的なストレスにより手指の皮膚の色の変化が認められる現象です。それは皮膚の色調の変化が認められる点が重要です。
典型的には、まず蒼白となり、その後チアノーゼ(暗紫色)、最後に血流が戻るために赤くなるといった三相性の変化をたどります。実際には、すべてが三相性を示すとは限らず、このうち、少なくとも二相性の変化が認められる場合、レイノー現象陽性とします。
左右対称に現れ、痛みを伴う場合もあります。
一次的に小動脈の血流不足が発生するために起こる現象です。
ただし、その機序は十分に解明されていません。

 

(註2)口腔内潰瘍:硬口蓋に好発し、痛みを伴わない場合が多いです。通常、疾患活動性と相関するため、ステロイド治療後には消失することが多いです。

 

 

 

SLEでは滑膜炎や関節炎も伴います。炎症性単関節炎を発症する頻度が高いです。単一の関節炎であっても、SLEに伴う関節炎は炎症性ではあっても関節変形を伴わないので、日常診療で頻繁に遭遇する非炎症性で関節変形を伴う変形性関節症とは区別されます。

 

SLEでは関節破壊のない関節変形(Jaccoud変形)がみられることがあります。またPSSなど他の全身性結合組織病と同様に、非びらん性多発関節炎を伴うことがあります。

 

<明日に続く>

1) SLEの臨床
 
 

全身性エリテマトーデス(SLE)は、代表的な全身性自己免疫疾患です。

 

男女比は1:9程度で、10代後半から40代までの妊娠可能年齢の女性に好発します。

 

多彩な臨床症状を呈するため、内科全般をも超える臨床力がなければ対応できない疾患の一つです。

 

 

杉並国際クリニックの前身である高円寺南診療所の初期の時代には、「小児科」、「皮膚科」の他に「整形外科」をも標榜していた時期がありました。

 

アレルギーやリウマチなどの膠原病は、小児期から発症するものがある他、皮膚や関節に病変や症状が現れるものが多いため、貴重な経験ができました。その後、平成8年には、「アレルギー科」、「リウマチ科」、「心療内科」の標榜が可能となりました。

 

そのたため、「アレルギー専門医」、「リウマチ専門医」という高度に専門的な資格を取得しました。

 

そして、自分の専門性をさらに高めるとともに、近隣に、「小児科」、「皮膚科」、「整形外科」を標榜する医療機関が少しずつ増えてきたため、新規開業の先生方を応援する気持ちもあって、これらの標榜を一つずつ外していきました。

 

 

令和の時代の幕開けと共に杉並国際クリニックとして新体制に移行してからは、小児を新たに診療する機会は皆無となりました。

 

ただし、当時小児科として受診された方が、体質改善に成功し、現在では立派な成人となって、健康管理のために折々の受診をされている方は多数に上ります。そして、彼らのお子さんたちの相談に乗ることもしばしばです。

 

 

「皮膚科」標榜時には多数を占めていたアトピー性皮膚炎の患者さんたちも、いまではすっかり良くなり、水氣道などで元気に活躍しています。

 

特定のアレルギー疾患だけというのではなく、アレルギー体質者としてのケアの重要性にいち早く気づいていたため、わが国でも相当早い時期から、鼻炎に合併する喘息について着目し、学会発表しましたが、当時は完全に無視されていました。

 

水氣道を継続してきた患者さんたちは、アトピー性皮膚炎だけでなく、気管支ぜんそく、アレルギー性鼻炎をはじめ全身に及ぶアレルギー体質が改善していったことは、実に喜ばしい限りです。

 

しかし、現在では、アトピー性皮膚炎をはじめ尋常性乾癬、乾癬性関節炎、膠原病に伴う皮膚疾患での新規の相談はほとんど見られなくなりました。

 

また、アレルギ―専門医資格をもつ内科医としては、喘息の症例数は大きな変化がありませんでした。その代わり、他の病気で受診された方が気付いていなかった所見を発見し、喘息や膠原病などの早期診断・早期治療の機会が増えました。

 

慢性化した難治化したケースを診ることばかりでなく、こうした初期の段階で診断が可能であることも専門医の強みであることを実感するようになりました。

 

 

アレルギー・リウマチ専門医が担当する膠原病および類縁疾患の患者では、多彩な皮膚症状や関節症状が出現します。高円寺南診療所時代に「皮膚科」「整形外科」を標榜して臨床経験を積んでいたことが、専門医としての今日の基礎となったことは、図らずも幸運であったと思います。

 

<明日に続く>

<はじめに>

 

 

前回は耳鳴りに効果のあるツボを紹介しました。

 

 

「完骨」は「耳のすぐ後ろにある出っ張った骨(乳様突起といいます)のすぐ下にあり、

 

 

「風池」は後頭部中央のへこみと、耳のうしろにある骨の"でっぱり"をむすんだラインの中間にあるというお話でした。

 

 

今回は「目に効果のあるツボ」を紹介しましょう。

 

 

 

<目に効果のあるツボ>

2019-11-19 11-53

 

 

 

今回は「攅竹(さんちく)」「晴明(せいめい)」「天柱(てんちゅう)」を紹介していきます。

 

 

「攅竹」は眉頭のくぼんだ部分にあります。

 

 

「晴明」は目頭の内側やや上方のくぼんだ部分にあります。

 

 

「天柱」は首の後ろ側、中央のくぼみの両脇にある太い筋肉の上、左右両方外側のくぼみにあります。

 

 

特に「晴明」は目の疲れが取れるので試してみてください。

 

 

 

杉並国際クリニック 統合医療部 漢方鍼灸医学科 鍼灸師 坂本光昭

5) 家族性高コレステロール血症(FH)

脂質異常症の中でも病因により甲状腺機能低下症やステロイド治療などに合併した続発性(二次性)脂質異常症では、原疾患の治療が優先されるべきです。

 

これに対して原発性脂質異常症の主たるものは家族性高脂血症(FH)です。

 

家族性高脂血症(FH)は、冠動脈疾患発症のリスクが極めて高いため、早期発見による厳格な管理が基本となります。

 

 

家族性高脂血症(FH)の診断は、15歳以上であることを前提として、


① 高LDLコレステロール血症(未治療時のLDL-C180㎎/dL以上)

 

② 腱黄色腫(手背、肘、膝など)やアキレス腱肥厚あるいは皮膚結節性黄色腫

 

③ FHあるいは早発性冠動脈疾患の家族歴(2親等以内の血族)

 

以上の3項目のうち2項目以上が当てはまれば診断できます。

          

 

家族性高脂血症(FH)は脂質異常自体が高度であることに加え、若年期から発症することから、厳格な脂質管理が必要です。

 

生活習慣が原因ではないですが、生活習慣が良好でない場合はリスクをさらに高めますので、その是正を並行します。しかし、生活習慣の是正だけでは管理することができないため、薬物療法を用います。

          

 

治療指針としては、原則として、

 

① LDL-コレステロールの管理が最も重要であること、

 

② non-HDL-コレステロールの管理を二次目標とすること、

 

③ 脂質以外の動脈硬化危険因子も考慮すること、

 

が挙げられます。

          

 

 

経過観察時の脂質検査項目としては、原則として脂質値に加えて副作用のチェックのため肝・腎機能、CKなどの検査を行います。

          

 

原発性脂質異常症は生涯にわたる薬物療法が必要となることが多いです。

 

脂質異常症への治療は、短期間で終了することはなく、生涯にわたり継続することが重要です。

          

 

わが国では、欧米に比べて心筋梗塞発症率・死亡率が低く、治療に対する効果も比較的良好です。

 

その背景には、日本の食習慣が維持されていることによって動脈硬化性疾患の危険因子が欧米に比べて良好な状態で管理されてきていることが指摘されています。

          

 

治療においては、①できるだけ生活習慣の変容を促すこと、②薬物療法においては効果と安全性を考慮して、できるだけ薬剤数および投与量を減らすことがポイントです。

 

生活習慣の変容のためには、行動変容が前提ですが、その前提として認知の変容が求められます。

 

杉並国際クリニックでは、複数の生活記録表フォーマットを準備して、各人の目的にマッチしたチェック・シートにより、行動療法ないし認知行動療法を行なっています。

 

認知行動と運動療法をリンクさせたのが水氣道®であるということもできます。

 

水氣道®の実践継続によって、薬剤数および投与量を減らすことができた事例数は枚挙に及びません。

 

 

< 脳心血管病予防のための脂質管理・完 >

4) 生活習慣改善

わが国において、脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病が増加している最大の要因として、食生活、運動不足などの生活習慣の悪化が第一に挙げられています。

 

これを受けて、脂質異常症においても一次予防、二次予防を問わず管理の基本は、食事を含む生活習慣改善です。とりわけ、脂質異常症の改善には、適正なカロリーの摂取、肥満の是正、飽和脂肪酸、コレステロール制限が必要です。

 

高トリグリセライド血症(高TG血症)がある場合には、上記に加え、アルコール、ショ糖、果糖の制限も必要です。

 

また、運動習慣の確立も重要です。運動習慣はTG低下、HDLコレステロール増加などの血清脂質値の改善や、血圧降下、インスリン抵抗性改善などのリスクファクターの改善とともに動脈硬化性疾患の予防に効果的です。

 

運動は安全で長期にわたって継続しうることが重要です。

 

この観点から、全天候型といって、天候や気象などの影響を受けにくい屋内で、かつ、一般の陸上あるいは床上の運動より、高齢者や虚弱者にとっても長期に継続しやすい水中での恒常的な保護的環境(室温、水温ともに30℃程度)という諸条件を満足する運動として、室内温水プールを主として活用する水中運動である水氣道®が誕生しました。

 

脂質異常症の治療のためには、中強度の有酸素運動を1日30分以上行うように指導することとなっていますが、実際に、一人で単独でこれを正しく理解して実践できる人は限られています。

 

そこで、様々な工夫を凝らして生涯学習型で心身共に成長することができるシステムの構築と維持・発展が必要なのだと思います。

 

血清脂質の管理目標値は、あくまでも目安であるとはいえ、臓器障害を有する糖尿病やコントロール不良の糖尿病、二次予防が必要な患者など高リスク群では、確実な管理目標値達成を目指すべきです。

 

これらの患者さんにとって、安全で、確実な陸上での運動を単独で実施することが困難なことがあります。

 

水氣道®であれば、ベテランから初心者までがそろった集団運動であり、プール施設には監視員等の人的資源に囲まれているので安全・安心な環境で、無理なく楽しく効果的な運動を続けていくことができます。

 

こうした非薬物療法開始後は2~3カ月ごとに、治療の効果を確認することが必要です。杉並国際クリニックでは、フィットネス・チェックと医学検査を、概ね3か月ごとに実施しています。

 

脂質異常症の治療は、食事、運動の他に禁煙も必須です。こうした、生活習慣改善と、その改善された習慣の維持が鍵になります。

 

<明日に続く>


3) 脂質異常症の管理目標値

 

「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2017年版」では、脂質管理目標値設定には、冠動脈疾患の絶対リスクによる層別化を用いています。

 

これは、LDLコレステロールの管理目標を軸としたフローチャートにしたがって、鑑別を進めていきます。

 

まず、二次予防(冠動脈疾患再発防止)と一次予防(冠動脈疾患発症予防)の鑑別を行ないます。これは、冠動脈疾患をすでに発症したことがあるかのみで判断します。

 

冠動脈疾患を経験していない一次予防群でも、糖尿病、慢性腎臓病、非心源性脳梗塞または末梢動脈疾患のいずれかを有している場合は「高リスク」とします。

 

また、これらのいずれにも該当しない場合には、「吹田スコアによる冠動脈疾患発症予測モデル」によって、絶対リスクとよばれる今後10年間における冠動脈疾患発症確率を求めます。

 

それに必要な入力データは、年齢、性別、血清HDLコレステロール、LDLコレステロール、血圧、および耐糖能異常、喫煙、早発性冠動脈疾患の家族歴の有無に関する情報です。

 

今回の「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2017年版」では、10年間の冠動脈疾患発症率によって、低リスク(2%未満)、中リスク(2%以上9%未満)、高リスク(9%以上)に区分しました。ただし、このスコアは35歳以上75歳未満までの患者に対して適応できます。

 

このリスク区分にしたがい、区分ごとに設定された脂質管理目標が示されます。これらの管理目標値は、長期的にみた到達努力目標です。そこでは、目標値到達に向けて、LDLコレステロールでは、少なくとも20~30%の低下を当面の目標とします。

 

<明日に続く>

2) 脂質異常症の管理目標値決定のためのリスク・カテゴリー

 

脂質異常症とは、血液中の脂質濃度が異常値を示す疾患であり、わが国における脂質異常症の頻度は、男性約23%、女性約18%といわれています。その診断・治療の目的は動脈硬化性疾患および急性膵炎の予防です。


とりわけ、脂質異常症の治療の最大の目的は、将来起こりうる動脈硬化性疾患の予防にあります。

 

脂質異常症は、冠動脈疾患などの動脈硬化性疾患を起こす主要リスクの一つです。

 

わが国でも総コレステロール(TC)、LDLコレステロールが高値の場合に、冠動脈疾患の発症率、死亡率を増加させることが示されています。

 

同様に、低HDLコレステロール血症、高トリグリセライド(TG)血症も冠動脈疾患や非心源性脳梗塞を増加させることが示されています。

また高度の高TG血症は急性膵炎を起こす可能性があり、その診断・治療は重要です。


日本動脈硬化学会では、脂質異常症を中心とする治療指針を改定し、「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2017年版」を発表しました。


改訂のポイントは、
① 吹田研究に基づく10年間の冠動脈疾患の発症をエンドポイントとして行い、絶対リスクの算出を行なったこと、

 

② 高尿酸血症、睡眠時無呼吸症候群をリスクとして考慮すべき状態として取り上げたこと

 

③ 家族性高コレステロール血症(FH)の診断・治療に関する記載を充実させたこと、

 

④ FHや急性冠症候群など、二次予防までの高リスク病態において、LDLコレステロール100㎎/dL未満より、さらに厳格な脂質管理目標を提言したこと、

        

<明日に続く>