第2週:循環器・腎臓病 10月9日(水) 脳心血管病予防のための血圧管理(管理目標を中心に)

3)家庭血圧測定に関する患者指導

 

初診時の家庭血圧について問診しても、多くの場合は、家庭での血圧測定の習慣はおろか、そもそも家庭に血圧計が備わっていないケースがほとんどです。それにもかかわらず、問診には意味がありそうです。患者指導の切っ掛けとして役立つことも少なくありません。家庭血圧測定の意義を説明して理解していただいたうえで、適切な血圧計を準備していただき、家庭血圧のデータを記録する習慣を身に着けていただくと、それはそのままで、血圧管理の上では、とても効果的な行動療法になることが多いです。

 

家庭血圧は治療開始後も降圧目標の指標として有用です。ですから、測定方法についてしっかりと学習していただくことになります。

 

診察室血圧と診察室外血圧の基準が異なった場合、診断や治療においては診察室外血圧を優先します。この場合、立位で1~3分での起立時血圧の測定をスクリーニング項目に追加します。起立性低血圧は、動脈硬化進展や糖尿病等による自律神経機能低下と関係していることが多く、生命予後にもかかわってきます。特に高齢者では重要です。また、同様の現象として、食後の血圧低下があります。そのため、高血圧の診断のためには、血圧測定時間と食事時間との関係にも注意することが大切です。

 

 <明日に続く>