第1週:呼吸器・感染症 10月4日(金) 現代の肺炎について

4)杉並国際クリニックが推奨する究極の肺炎予防法

 

一般の外来クリニックの初診として最もしばしば遭遇する肺炎は市中肺炎(CAP)です。

 

この種の肺炎は,医療施設または医療環境との接触が限られているか皆無の場合に発症する肺炎です。

 

同定される頻度が最も高い病原体は,インフルエンザ菌,インフルエンザ菌,非定型細菌(すなわち,肺炎クラミジア,肺炎マイコプラズマ,レジオネラ),およびウイルスです。

 

診断は,臨床像および胸部X線に基づいて行います。症候は,発熱,咳嗽,喀痰産生,胸膜性胸痛,呼吸困難,頻呼吸,および頻脈です。

 

 

ただし、治療は,経験的に選択した抗菌薬によらなければなりません。

すなわち、めくら撃ちをすることになるので、的から外れて効かないこともあるのは止むを得ないことです。

 

予後は比較的若いまたは健康な患者では極めて良好です。

 

ただし、より高齢でより状態の悪い患者において,特に肺炎球菌,レジオネラ,黄色ブドウ球菌またはインフルエンザウイルスによって引き起こされる肺炎の多くは重篤または致死的です。

 

 

初診の受付を予約制にすることによって、このタイプの肺炎を診ることはほとんど無くなってきました。

 

そこで、肺炎のなかで杉並国際クリニックが現在最も重視しているのが、医療・介護関連肺炎(NHCAP)です。

 

このタイプの肺炎は、長期療養型病床群もしくは介護施設に入所、90日以内に病院を退院した介護を必要とする高齢者・身体障碍者の他に、通院で継続的に血管内治療(透析、抗菌薬、化学療法、免疫抑制薬など)を受けている人も該当します。

 

 

当クリニックでは透析は行っていませんが、糖尿病による腎不全のため透析クリニックにも通院中の方がいます。

 

非定型抗酸菌症で抗菌薬を持続的に内服しなくてはならない方、がんの手術後の化学療法を受けている方、関節リウマチなどの膠原病で免疫抑制剤を使用している方などは、すべて上記の血管内治療を受けている人に相当します。

 

 

通院で継続的に血管内治療している方を肺炎から守るために大切なことは、まず市中肺炎の可能性の高い新患を同じ待合室に入れないことだと思います。

 

初診を予約制にした理由の一つがこの目的の達成のためでもあります。

 

それから、肺炎やインフルエンザのワクチンを接種していただくこと。そして禁煙そのたの生活習慣の改善です。

 

 

杉並国際クリニックでは、その他に、水氣道®による水中有酸素運動や聖楽院によるヴォイストレーニングによって肺炎に罹りにくい体づくりの継続的サポートをしております。

 

水氣道では、水中の全身加圧トレーニング効果により心肺機能が向上し、スタミナ(持久力)が向上し、免疫力(ウイルスや細菌に対する抵抗力)が増強します。

 

 

他方、声が小さい、滑舌が良くない、息が続かず声に声が出しにくい、こんな方は誤嚥性肺炎が心配です。

 

誤嚥性肺炎の主たる原因は嚥下反射や呼吸筋の衰えなので、正しい姿勢と呼吸法で歌えば、心肺機能も向上し、認知症予防にも通院繋がります。

 

適切な楽曲をアレンジして楽しく続けることが肝心です。ピアニストの生伴奏付きで楽しく歌って、心と体の健康を増進することができます。

 

 

<現代の肺炎について(完)>