(鍼灸)東洋医学の話をしようー脱毛

<脱毛症の治療>

 

 

脱毛症でご相談のあったM様の鍼灸治療を担当しました。

 

 

同様の問題でお悩みの皆様にとっての励みとなるとても貴重な症例でした。

 

 

御本人 (M) のご承諾を得て経過報告させていただきます。

 

 

 

2018/8/24ー第1

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<治療前までの経過>

 

 

2018年7月24日ー洗髪時に左頭部の髪がいつもより抜けていることに気づく

 

 

                   近医ー『円形脱毛症』と診断され東京医大に紹介状

 

 

  8月8日ー東京医大にて『多発性・急速性の脱毛症』と診断される。

 

 

              東京医大で「これからもっと脱毛が進む」と予告されたそうです。

 

 

<所見>

 

 

頭皮が硬い。

 

 

肩より頭部が前にでているため肩の緊張が強い。

 

 

胸椎に硬さがある。

 

 

脈状ー沈で体が冷えやすい  (脈が触れづらい)。

 

 

    虚で「氣」が少ない  (脈拍の拍動の勢いが弱い)。

 

 

<治療内容>

 

 

    <座位>

 

 

頭皮を柔らかくするために頭部に鍼

 

 

肩こり緩和の目的で合谷に灸

 

 

自然治癒力強化のために足三里に灸

 

 

肩を赤外線で温める

 

 

<腹臥位>

 

 

脊中を揺らすーDRTの手技によって全身の筋肉の緊張が緩和されることが確認されました。

 

 

天柱肩井膏肓腎兪仙腸関節部承筋に鍼を実施しました。

 

 

上半身の緊張を緩和するために天柱、肩井、膏肓を、下半身の緊張緩和のために腎兪、仙腸関節、承筋を取穴し施鍼しました。

 

 

 

2018/09/25ー第4

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明らかに脱毛が進んできました。

 

 

東京医大での予告通りの経過でした。

 

 

「ここで脱毛が止まってくれ」と願うばかりの時期でした。

 

 

 

2018/10/23ー第7

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更に脱毛が進行してきました。

 

 

「時間はかかりますが希望を持って治療を続けていきましょう」

 

 

とサポートさせていただきました。

 

 

 

2018/11/27ー第10

 

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最も脱毛が進んだ状態です。

 

 

黒髪が白髪になることによって減少した毛髪量が更に減少したような印象を与えます。

 

 

とても辛かったと思います。

 

 

 

2019/01/29ー第15

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この頃から、脈状が沈、虚から脱し体に「氣」が増えてきました。

 

 

脈状から「氣」の量がわかります。「氣」は体を動かすエネルギーです。

 

 

そのため発毛のためのエネルギーを補給する準備ができつつあるように観察されました。

 

 

 

2019/02/14ー第16

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髪が生え始めてきました。

 

 

Mさんの気持ちに余裕が出てきたようです。

 

 

精神的な余裕も心の安定も「氣」(エネルギー)によるところが大きいといえます。

 

 

この「氣」が発毛を促進してくれることでしょう。

 

 

 

2019/03/07ー第18

 

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次第に白髪が黒髪に変わってきました。

 

 

2019/04/02ー第20

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 かなり、発毛が進みました。

 

 

ここまで、治療を受け続けてくださったことに感謝いたします。

 

 

 

 

<なぜ、症状が改善したのか>

(1) 症状が出てからすぐに治療を開始したこと。

 

 

(2) 東京医大で『多発性・急速性の脱毛症』と診断され、脱毛が進行していくことを了解していたことにより治療が長期になる覚悟ができていたこと。

 

 

そのため互いに焦らず治療にも臨めたことによって、全身の筋緊張の緩和に繋がりやすくなり、頭皮の血流に望ましい影響を与えたのではないかと思わます。

 

 

(3) 鍼灸治療により全身の緊張が緩和し、全身及び頭皮の血液循環が改善し薬が効きやすくなったこと。

 

 

(4) 脈状が虚から脱したことで、「氣」の量が増え「氣」を発毛に向けることができるようになったこと。

 

 

(5) 合谷、足三里の灸を行ったこと。

 

 

今までの円形脱毛症の治療では上肢のマッサージにより上半身の血流を改善させ発毛を促していました。

 

 

今回は合谷足三里の灸をしたことにより、冷えの改善や体全体の活力を高めることができたのだと思われます。

 

 

これからも灸をもっと活用したいです。

 

 

(6) 治療者である私自身、治療の長期化の覚悟ができたこと。

 

 

率直なところ、脱毛が進んでいたときに焦燥感におそわれそうになりました。

 

 

しかし、治療者としての心の修行(治療的自我の育成)と思って焦らぬように努めました。

 

 

過去に私の焦りが患者に伝わり、治療効果に悪影響が出たのではないかということが あり

ました。

 

 

今回はそのようなことは最小限にできたのではないかと思います。

 

 

最後に、ホームページにこの症例の掲載の許可をMさんからいただきました。

 

 

ありがとうございます。

 

 

さらなる発毛、再発の防止のためにもう少し治療にお付き合いください。

 

 

どうぞよろしくお願いします。

 

 

杉並国際クリニック 統合医療部 漢方鍼灸医学科 鍼灸師 坂本光昭