最新の臨床医学 5月12日(日) 心療内科・統合診療科の実践

今月の論点:リウマチ膠原病診療の盲点

―心療内科指導医・専門医 兼 リウマチ専門医 の立場からー

 

 

②NPSLEの見立てのプロセスについて

 

NPSLEとは全身性エリテマトーデス(SLE)による神経精神症状(NP)です。

 

NPSLEの治療のためのポイントは、NPSLEの精神症状の診たてとマネジメント、精神科医との連携の重要性ということのようです。

 

リウマチ医は神経精神症状の診たて、マネジメントに苦慮しているのが現状であるため、精神科医との連携が重要である、ということはよくわかります。

その場合、NPSLEの患者さんは一つの病気のために複数の専門医を受診しなければならないことになります。

 

しかし、NPSLEは膠原病という身体疾患をベースとして神経精神症状を出現させていることから、心身症の延長であるという見方ができます。

 

もし、心身症を専門とする心療内科医が同時にリウマチ医であれば、NPSLEの患者さんは一人の主治医で済むということになるはずです。

しかし、両方の専門医の資格と臨床経験を持つ医師は国内で数名のみであるので、注目されるどころか、誰にも気づかれずに日蔭の存在に追いやられています。

 

一般に身体疾患患者における精神症状の診断は「症候群診断」と「病因診断」の2ステップで行われることを西村先生は説明していますが、その通りだと思います。