<杉並国際クリニック>準備室から 4月23日(火)

国内地域医療診療所から国際標準クリニックへの変革に向けて②

 

杉並国際クリニック開設に向けて、医療機関として最も大切な強化項目として、第一に医療安全を挙げたいと思います。

 

最近の日本医学会およびその専門分科会が主催する学会プログラムには、必ず医療安全・医療事故・医療法制・医療倫理に関する教育研修会・講演会が準備されています。

 

専門医は高度な医療の担い手であるため、必然的にリスクの大きな専門業務に携わることになるため、専門医資格更新のためには、この領域での研修が必須となっています。

 

概ね退屈な内容なのですが、これまでとは違って、抜群に優れた講演を聴くことができました。リウマチ学会が主催するレクチャーなので、リウマチの臨床を題材にしたものですが、その内容は、日常臨床のあらゆる領域で役立つ内容であることに感服しました。

 

講師の門野先生は1995年に東大医学部卒業後、1999年に東大大学院医学系研究科に進学され、途中、米国ペンシルバニア大学医学部への留学を経て、2006年に医学博士号取得をされた方です。埼玉医科大学の整形外科教授に就任して、大学病院全体のリスクマネジメントの管理者として指名されたとのことで、必ずしもご自分が進んで入りこんだ領域ではなさそうでした。

 

同じような経歴の方でも、話の上手な方と、そうでない方がいます。しかし、頭の良い人の話は、ややもすれば地味で退屈しそうな話題の中にも、キラリと輝くような宝物を掘り当ててくれます。話の展開もとてもすっきりしていてストレスが溜まらず、どんどん話に引き込まれていきます。私は、地頭が悪いせいか、とても彼のようにはいかないので、きっとまわりの人をイライラさせていることでしょう。それでも物事の必要性に気が付けば、<逃げず、避けず、胡麻化さず>取り組むべきことには、好むと好まずとを問わず、きちんと取り組んできたことだけは誇りにしたいと思います。

 

今後も、<日々精進あるのみ、継続は力なり>の<努力より工夫を>の精神で参りたいと思います。

 

 

医療機関の安全性の向上・リスクマネジメントの基本は、従業員に対する徹底した教育にあるようです。しかし、それにはいろいろな工夫と仕掛けが必要になってきます。

 

今後の<Mr.NoGucciの懺悔>のための格好の材料も満載されていました。

 

 

日本リウマチ学会2019アニュアルコースレクチャー

 

4月14日(日)

14:15~15:15am

 

ACL6:

医療安全という観点からみた関節リウマチ治療~何に気をつけるか?~

    

演者:門野多峰(埼玉医科大学整形外科)

 

 

医療安全管理

安全な医療提供のための条件:

1)リスクマネジメント

リスクとベネフィットのバランス

 

例1)リウマチ治療薬は感染症のリスクが伴う

 

例2)リウマチ患者の悪性新生物発生率は低いが、悪性リンパ腫は例外

 

 

有害事象の予防策

例1)腎機能障害があればメトトレキサートの投与量を減らす

例2)免疫抑制をかけている場合は肺炎球菌ワクチン接種を促す

 

 

有害事象の早期治療開始

2)セイフティマネジメント

ヒューマンエラー(標準的行為からの逸脱行為):教育が重要!

ヒューマンエラーのタイプ分類

 

1)知識不足・スキル不足の防止

 

2)意図的な不遵守の防止

①守るべきことを明確にする

②守れるだけの技能を身につけさせる

③守れる環境を整える

④守る必要性・理由を納得させる

⑤監督者等によるパトロール・監督と指導を徹底させる

 

 

対策の基本パターン

エラープルーフ化:

 

目的)人的エラーに起因する問題を防ぐ

 

内容)作業を構成する人以外の要素(薬剤、機器、文書、手順等)の「作業方法」を改善すること

 

原理)

①排除(Elimination)

②代替化(Replacement)

③容易化(Facilitation)

④異常検出(Detection)

⑤影響緩和(Mitigation)

 

 

有害事象の予防対策

コミュニケーションエラーは最大のリスクとなりうる

 

①誤伝達⇒口頭指示を受けて複唱

②誤解釈⇒勘違いを減らすために、普段から思い込みやこだわりを減らす

③確認・注意不足⇒後で実施しようとして忘れることがあるため、備忘システムを構築する:確認・注意のコミュニケーション(情報の共有・意識の共有・スキルの向上・システムによる指摘)

④伝達の欠如⇒

⑤リスクコミュニケーション⇒一方向性でなく双方向性のコミュニケーションに

 

 

チーム活動

ステップ1:改善の機会をみつける

ステップ2:対策案を作成する

ステップ3:対策案を評価・選定する

 

 

エラーがあったときの早期発見・早期対策

患者とのコミュニケーション

知識格差があるので歩み寄るコミュニケーションスキルを

 

1)Teach-back Technic:患者さんに理解した内容を話してもらう

守るべきこと、なすべきことのみでなく、その理由も答えてもらう

 

2)質問することを奨励する雰囲気を形成する

 

 

 

<ボランティア募集>

5月1日(水)の午前中および2日(木)の午後から、杉並区内全域に約100か所に及ぶ無料掲示板「でんごんくん」に水氣道の広報のためのポスター貼付ラリーを始めます。

飯嶋班(担当:高円寺・和田・方南町地区)、野口班(担当:西武線沿線)、金澤班(担当:成田地区)、加藤班(担当:阿佐ヶ谷地区)などがスタンバイしています。

 

目下、ポスター貼付ラリー同行ボランティアを募集中です。