最新の臨床医学 3月25日(月)内科Ⅰ(消化器・肝臓)

日本肝臓病学会ホームページを検索してみました。

 

すると、日本肝臓学会ガイドラインとして、8件が掲載されていました。

 

その中で、杉並国際クリニックの患者さんに情報提供すべき優先順位から考えて、

NASH・NAFLDの診療ガイド2010

 

 を採り上げることにしました。

 

 

そこで、以下のメッセージが書かれていましたので、ご紹介した後、杉並国際クリニックの立場から、解説を加えてみます。

 

NASH・NAFLDの診療ガイド2010要約版の公開について

 

※    NASH・NAFLDの診療ガイド2010 

 

わが国の肝癌はC型肝炎などウイルス性肝疾患が大部分を占めていましたが,最近では非ウイルス性の症例が増加しており,その多くはNASHなど脂肪性肝炎に起因すると考えられています。

 

特に,2014年以降はC型肝炎に対するdirect-acting antiviral agent(DAA)が次々と登場する見込みで,肝癌対策におけるNASH,NAFLDの重要性が増しています。

 

日本肝臓学会は2010年に「NASH・NAFLDの診療ガイド」を発表し,今後はその改訂作業を進める予定です。そこで,同改訂版を発表するまでの期間,診療ガイド2010年の要約版を公開することにしました。日ごろの診療にご利用いただくとともに,改訂版の作成に向けて,ご意見をいただければ幸いです。

 

平成26年10月15日

 

 

 

杉並国際クリニックの立場から

NASH・NAFLDの診療ガイド2010要約版の公開についての巻頭文の主旨は、

<わが国の肝癌は・・・最近では非ウイルス性の症例が増加しており,その多くはNASHなど脂肪性肝炎に起因すると考えられています。>

ということと、

<肝癌対策におけるNASH,NAFLDの重要性が増しています。>

 

これを言い換えると、ウイルスではなく脂肪性肝炎に起因するNASH,NAFLDという疾病が増加していて、これが肝癌の原因になるため、肝癌の予防対策のために、日常の診療に役立つ、脂肪肝炎、NASH,NAFLDの対応のための診療ガイドを公表するということになるでしょう。

 

肝臓に脂肪が多くたまった状態が脂肪肝ですが、お酒をあまり飲んでいなくても脂肪肝は発生し、これが進行すると脂肪肝炎や肝硬変になります。この間の一連の肝臓病のことをNASHやNAFLDと呼びます。これらの病態からもウイルス性肝炎のように肝癌発生しやすくなるという事実があります。

 

次回から、しばらくの間、NASH・NAFLDの勉強を続けてみたいと思います。