最新の臨床医学 3月18日(月)内科Ⅰ(消化器・肝臓)

日本消化器病学会ホームページ

 

を検索してみました。

すると、

患者さんとご家族のためのガイド

が公開されていますので、ご参考になさってください。

 

 

規定により直ちに転載できませんので、「消化性潰瘍」の概要を紹介し、コメントを加えることにしました。

 

Q10 

消化性潰瘍の予防は、どのようにするのでしょうか?

 

Q10-1

消化性潰瘍の予防は、どうするのでしょうか?

 

 

消化性潰瘍の多くは、ヘリコバクター・ピロリ菌感染症が原因です。

ですから、原因菌であるピロリ菌の除菌治療が再発予防のためには有効です。

除菌療法のメリットは、除菌に成功すれば、その後は長期間にわたる潰瘍治療の必要がなくなると考えられているからです。

 

 

Q10-2 

消化性潰瘍の再発を予防するには、どうしたらよいでしょうか?

  

脳卒中や心筋梗塞の再発予防のために少量のアスピリンを長期間処方されている患者さんの場合、以前に消化性潰瘍を発症したことのある人では、アスピリンによる潰瘍再発のリスクが高いといわれています。アスピリンは非ステロイド性抗炎症薬の一種です。このような人にもプロトンポンプ阻害薬もしくはP-CABを併用することが潰瘍の再発予防に有効とされています。

 

なお、変形性関節症や関節リウマチなどで非ステロイド性抗炎症薬の服用を続ける必要がある場合は、なるべくCOX-2選択的阻害薬に変更することを試みます。そして、酸分泌抑制薬(プロトンポンプ阻害薬、P-CAB)により胃酸の分泌を抑えたり、プロスタグランディン製剤により粘膜を保護したりすることによって潰瘍の再発を予防します。

 

潰瘍発症の原因は、他に喫煙やストレスが依然として重要です。ヘリコバクター・ピロリ菌や非ステロイド性抗炎症薬ばかりが注目されていますが、禁煙指導は臨床医としては基本的任務であり、ストレス・マネジメントの重要性は軽視されてはならないものと認識すべきだと思います。