号外:学会速報第<52回日本痛風・核酸代謝学会総会>

会場:帝京大学板橋キャンパス臨床大講堂および講義室

 

1日目:2019214日(木)

 

 

毎週木曜朝の心理カンファランスを終えて、板橋の会場に向かいました。

午後2時からの診療に間に合うように、以下のプログラムに参加しました。

 

 

一般口演2「尿酸と腎・トランスポーター」

 

特別講演「オートファジーの分子機構と生理的意義」

 

ランチョンセミナー1「糖尿病の病態における尿酸代謝の役割」

 

 

とりわけ、有意義だったのは、

 

ランチョンセミナー1「糖尿病の病態における尿酸代謝の役割」でした。

 

演者の朝日生命成人病研究所糖尿病代謝科の櫛山暁史先生(平成12年東大医学部卒)は、

 

<糖尿病専門医は、一般的に高尿酸血症や痛風に関心が無い>との発言(裏話?)されたのが特に印象的でした。糖尿病専門医が血清尿酸値にすら大した関心を払わないとすれば、糖尿病の患者さんにとっては極めて不利益な現状といえるでしょう。

 

 

このセミナーをチョイスしたのは、私の臨床経験上かねてから<痛風患者には糖尿病が少なく、糖尿病患者で痛風発作を訴える方が少ないのはなぜか>という疑問があったからです。

 

 

高尿酸血症は2型糖尿病発症のリスクがあることは知られていますが、実際には、高血糖状態では血清尿酸血が低くなります。その原因は、高血糖に伴う尿糖排泄の増加は尿酸排泄増加を伴うからです。また、糖尿病合併症である最小血管障害、大血管障害は血清尿酸血との相関関係があり、尿酸、あるいは尿酸の産生状況が関与する可能性が示されつつあります。

 

 

今後は、たとえ糖尿病専門医を受診中の方であっても、むしろ、そのような方であるからこそ、しっかりと、血清尿酸血の確認をし、潜在的な高尿酸血症を見落さないようにすることを心掛けたいと思います。

 

 

今回のテーマに関しては、研究をさらに深めて、水曜日の内科Ⅱなどで再度記事を掲載したいと思います。

 

明日の午前中も、第2日目も有意義な講演を聴きに行く予定です。