最新の臨床医学 2月14日(木)骨粗鬆症についてQ&A

りうまち

 

ここで掲載する内容は、公益財団法人 骨粗鬆症財団のホームページから引用したものです。骨粗鬆症についてわかりやすい解説をしています。

以下のHPで確認することができます

 

骨粗鬆症は、長年の生活習慣などにより骨がスカスカになって骨折しやすくなる病気です。最初は、自覚症状はありませんが、ひどくなると骨折を起こし、寝たきりの原因となる場合もあります。多くは腰や背中に痛みが生じて医師の診察を受けてからみつかります。しかし、骨粗鬆症になってから治すのはたいへんです。骨粗鬆症にならないように、日ごろから予防を心がけることが大切です。

 

骨粗鬆症を予防することが、ほとんどの生活習慣病を予防することにつながります。そのために、高円寺南診療所では女性では、45歳以上、男性でも50歳以上の皆様に骨量計測を推奨し、骨年齢を算出し、骨粗鬆症の早期発見、早期対応に力を注いでいます。それでは、骨粗鬆症についてもっと詳しく勉強していきましょう。

 

 

それぞれのQ&Aのあとに【杉並国際クリニックからのコメント】を加えました。

 

 

Q

カルシウムのサプリメントの吸収率はどれくらいでしょうか。

また、サプリメントで骨粗鬆症は予防できますか

 

 

A

不足しがちなカルシウムを補給するためには、毎日3度の食事のバランスが重要です。しかし、どうしても補えない日があればサプリメントからの補給もやむを得ないでしょう。

 

サプリメントに含まれるカルシウムの吸収率は、第6次日本人の栄養所要量におけるカルシウム所要量の算定に適用されたデータによると、乳児は50%、1~11歳は40%、12~17歳は45%、18~29歳では35%、30歳以降は30%となっています。

 

生体内におけるカルシウム吸収は、カルシウム源の違いや、同時に摂取する食物の栄養因子や、さまざまな生体の内因性因子(生体のカルシウムに対する必要度、健康状態、年齢、身体活動量など)によって、その吸収率は異なります。なお、サプリメントを摂取するタイミングは、空腹時よりも食事時のほうが吸収率がよいことから、食事のときに補給しましょう。

 

普段の食事に加えて、サプリメントからカルシウムを補給した介入試験では、骨量が増加し、さらには骨折予防効果も示したとする結果が、国内外において数多く報告されています。

 

食品でいえば、たとえば、牛乳は、カルシウム供給源として含有量のみならず吸収率においても優れた食品です。ヒトを対象にした食品別カルシウム吸収に関する研究結果においても、カルシウム吸収率は、牛乳39.8%、小魚32.9%、野菜19.2%を示し、牛乳に含まれる乳糖およびCPP(カゼインホスホペプチド:牛乳のタンパク質の主成分であるカゼインが消化される過程で生成される代謝産物)がカルシウムの吸収を促進していると考えられます。

 

 

【杉並国際クリニックからのコメント】

カルシウムのサプリメントの吸収率が、乳児は50%、1~11歳は40%、12~17歳は45%、18~29歳では35%、30歳以降は30%となっているとのことです。

 

ここで、検討すべきは、30歳以降の吸収率が一律30%なのかどうか、ということです。また、その根拠を第6次日本人の栄養所要量におけるカルシウム所要量の算定に適用されたデータに求めていますが、摂取するサプリメントに含まれるカルシウム量と吸収率の積が重要な意味を持つはずです。

 

しかも、カルシウム吸収率は、平均値に過ぎません。また、空腹時より食事次の吸収率が高い、ということは、サプリメントは食事の代わりにはならないことを意味します。つまり、食事を補完するというサプリメントの本来の意味に立ち戻る必要があります。

 

サプリメントで骨粗鬆症は予防できるか、という問いに対しても、サプリメント単独で骨粗鬆症を予防できる証拠はありません骨量が増加し、さらには骨折予防効果も示したとする結果が、国内外において数多く報告されていますが、それは、あくまでも「普段の食事に加えて」ということが重要です。これらの介入試験では、「普段の食事に加えて」サプリメントからカルシウムを補給していることを改めて確認しておくべきでしょう。