最新の臨床医学 2月10日(日)心療内科についてのQ&A

大学病院の心療内科のHPを紹介します。

 

まずは、東北大学心療内科です。

 

<杉並国際クリニックの立場から>でコメントを加えることにしました。

 

東北大学付属病院のホームページから

 

心療内科のご案内

 

対象疾患と診療内容

消化器疾患 (その1)

消化器症状が持続するにもかかわらず、内視鏡、消化管造影、CTなど一般的な検査では異常が見つからないものを機能性消化管障害と呼びます。【過敏性腸症候群】や【機能性ディスペプシア】がその代表です。それだけでなく、機能性便秘、機能性下痢、中枢性腹痛症候群、機能性食道障害など、多くがストレス関連疾患の要素を持っています。慢性に経過するため、患者さんの生活の質(QOL)が著しく低下する病態です。機能性消化管障害を医療従事者側が比較的軽い病態と考えているのに対し、患者さん側が極めて重大に感じている”unmet medical needs”であることも判っています。

 

 

<杉並国際クリニックの立場から>

消化器心身症診療(消化器疾患の心療内科診療)の国内のメッカである東北大学心療内科は、最初に消化器疾患の案内を掲載し、機能性消化管障害について詳しく説明しています。

 

機能性消化管障害とは、<消化器症状が持続するにもかかわらず、内視鏡、消化管造影、CTなど一般的な検査では異常が見つからないもの>という説明で十分だと思います。東北大学心療内科のように大学病院などの総合病院の心療内科の強みは、内視鏡、消化管造影、CTなど一般的な検査態勢が整っているため、除外診断(機能性消化管障害以外の、明らかな器質的疾患の有無を診断すること)が容易であるということです。

 

これに対して、高円寺南診療所30年の歴史で経験してきた典型例は『胃腸の具合が悪いので、大病院で精密検査を受けたのですが、異常が見つからず困っています』というパターンです。

 

除外診断は、心療内科の診療にあたっての大前提なので、このようなケースでは、初期から心身医学的アプローチを開始することができます。ただし、機能性消化管障害に関しては形ばかりでなく機能を評価しなければならないのですが、それが十分に検討されていないケースが多いことを知りました。そのため杉並国際クリニックでは、消化管造影検査をテレビ画像で観察することを、高円寺南診療所時代以上にしっかりと行っていく計画をたてています。

 

<機能性消化管障害を医療従事者側が比較的軽い病態と考えているのに対し、患者さん側が極めて重大に感じている”unmet medical needs”である>ということで、これが原因で患者さんが医療不信に陥ったり、ドクターショッピングを繰り返すようになったりするので現代医療に関する社会問題にまで発展しています。たしかに<慢性に経過するため、患者さんの生活の質(QOL)が著しく低下する病態>であるといえます。

 

杉並国際クリニックは、こうした不条理に悩む患者さんを温かく迎え入れ、一つ一つの診断および治療のステップを大切にする過程で、相互の確かな信頼関係を築き、真の意味での主治医機能を果たせるようになることを目指しております。