アレルギー

 

ここで掲載する内容は、一般社団法人日本アレルギー学会のホームページ<一般の皆さま>から引用したものです。

 

最後に杉並国際クリニックからのメッセージを加えています。

 

 

薬物アレルギー①

Q 

薬物アレルギーの症状にはどのようなものがありますか?

 

A 

薬物アレルギーでは様々な症状が現れますが、最もよくみられるのが皮膚症状です。

 

皮膚症状は8割以上の患者さんに現れ、「薬疹」とよばれます。薬疹は、蕁麻疹や湿疹、ニキビのような赤い斑点ができる軽症のものから、薬を飲むたびに同じ場所が赤くなり、治るとシミになることを繰り返す固定薬疹、水疱やびらん(ただれ)が体中に広がる重症薬疹まで多彩です。

 

他にも呼吸器障害(喘息発作や間質性肺炎、好酸球性肺炎)が現れたり、検査によって肝障害、腎障害、血液障害(貧血、好酸球増多、白血球数異常、血小板減少)が見つかることもあります。

 

薬物アレルギーのなかでも生命を脅かす重篤なのが、アナフィラキシーと重症薬疹です。

 

アナフィラキシーは、全身に起こる即時型アレルギー反応で、薬剤が投与されてすぐに、体のかゆみや赤み、蕁麻疹、鼻水、喘息発作、腹痛、下痢、嘔吐などが分単位で現れ、血圧が下がり、呼吸困難に陥り意識を失うこともあります。重症薬疹については他項をご参照ください。

 

 

〈杉並国際クリニックからのメッセ―ジ〉

 

薬物アレルギー(薬剤アレルギー)は、薬物を適切に使用していても起こり得る異常反応のうちで、薬物あるいはその代謝産物が抗原として免疫反応を引き起こして発症するものです。ただし、薬理作用とは無関係です。

 

薬物アレルギーの病変は、圧倒的に皮膚にみられることが多く、それは薬疹(アレルギー性薬疹)とよびます。薬物アレルギーのうち圧倒的に多いのが薬疹である最大の理由は、皮膚病変がもっとも気づきやすいからです。

 

薬物アレルギーの病変は皮膚だけでなく、肝、肺、腎などにもみられます。これらの臓器では気づかれないまま原因不明の炎症性疾患として扱われている場合がほとんどであると推測されています。

 

薬疹は、皮膚科医でなくとも遭遇しますが、見落とされがちな内臓病変については、一般の内科医でも難しいと思われます。

 

それにもかかわらず薬物アレルギーについてのガイドラインは世界的にも完備されていません。アレルギー症状の発症後に診察した医師により個別の診療が行われているため、正確な情報の収集・解析システムが確立されていません。

 

そのため、診断において特に重要なのは、特殊な精密検査よりも薬剤使用状況と症状を正確に把握するための問診と患者-医師間の対話です。多忙な医療機関ほど問診や対話がおざなりになりがちなので、薬物アレルギーの見落としも、それだけ多く発生している可能性があると思われます。

 

 

りうまち

 

ここで掲載する内容は、公益財団法人 骨粗鬆症財団のホームページから引用したものです。

 

骨粗鬆症についてわかりやすい解説をしています。

 

骨粗鬆症は、長年の生活習慣などにより骨がスカスカになって骨折しやすくなる病気です。最初は、自覚症状はありませんが、ひどくなると骨折を起こし、寝たきりの原因となる場合もあります。

 

多くは腰や背中に痛みが生じて医師の診察を受けてからみつかります。しかし、骨粗鬆症になってから治すのはたいへんです。骨粗鬆症にならないように、日ごろから予防を心がけることが大切です。骨粗鬆症を予防することが、ほとんどの生活習慣病を予防することにつながります。

 

そのために、高円寺南診療所では女性では、45歳以上、男性でも50歳以上の皆様に骨量計測を推奨し、骨年齢を算出し、骨粗鬆症の早期発見、早期対応に力を注いでいます。それでは、骨粗鬆症についてもっと詳しく勉強していきましょう。

 

 

それぞれのQ&Aのあとに【杉並国際クリニックからのコメント】を加えました。

 

 

Q

リンとカルシウムの摂取比率を教えてください。

また、リンのほかにたんぱく質や食塩もカルシウムの吸収を阻害するのでしょうか

 

A

リンはカルシウムと仲がよすぎて、すぐ一緒になってしまうのです。

 

骨の中でも、リンとカルシウムはリン酸カルシウムとして結晶になっています。大量にリンを摂り、腸の中でカルシウムとくっついてしまうとやはり結晶になるので、腸管に吸収されて体の中には入らず、そのまま便に混じって出てしまいます。

そのため、リンを取りすぎるとカルシウムの吸収の邪魔をするのです。ですからリンは摂り過ぎない方がよく、カルシウムの2倍ぐらいまでが良いとされています。

 

しかし、この基準は厳密なものではなく、カルシウムの吸収率はいろいろな影響をうけますので、3倍ぐらいでも差し支えない場合もあります。リンは肉、魚のほか、牛乳や清涼飲料水にも入っているため、自然に多めに摂ってしまいます。

 

なお、たんぱく質も食塩も大切な栄養分で、ある程度の量は必要ですが、たんぱく質で1日80グラム以上、食塩10グラム以上など、摂りすぎるとカルシウムを尿の中に出してしまいます。とはいえ、適量であればカルシウムの腸からの吸収にはあまり影響しません。むしろ適当な量のたんぱく質はカルシウムの吸収を助けるので、バランスの良い食事を心がけましょう。

 

 

 

【杉並国際クリニックからのコメント】

 

①リンとカルシウムの摂取比率

カルシウムとリンの摂取比率は、ほぼ同量が望ましいとされています。その理由は、リンの摂り過ぎはカルシウムの吸収を妨げ、カルシウムの摂り過ぎはリンの吸収を妨げるからです。そのため加工食品の摂取が多い場合には注意が必要です。

 

植物性食品には、カルシウムの吸収を阻害するシュウ酸(ほうれん草に多い)、フィチン酸(豆、穀類に多い)などが含まれるので、カルシウムの吸収率はよくありません。また、リンの他に食物繊維もカルシウムの吸収を阻害します。

 

現在の日本の食生活では、加工食品の利用が増えていることに伴って、食品添加物として使われている各種リン酸塩の摂取が多くなっているため、リン欠乏よりもむしろリンの過剰摂取の方が問題となっています。

 

特に腎機能に障害がある場合は、尿へのリンの排出量が減るために、血液中のリン濃度が増加するので、注意が必要です。

 

また副甲状腺機能が低下して副甲状腺ホルモンの分泌が低下したり、成長ホルモンの分泌が亢進したり、ビタミンDが過剰に存在することによっても、リンの濃度は増加します。

 

リンは牛乳・乳製品、卵黄、小魚類、豆類、肉類、ぬかや胚芽などに多く含まれています。

 

大豆(乾燥)50gで290mg、ワカサギ生80g(3~4尾)で280mg、プロセスチーズ30gで219mg含まれます。

 

 

②たんぱく質や食塩とカルシウムの吸収

蛋白質のなかでも、とりわけCPP(カゼイン・ホスホ・ペプチド)という牛乳中のたんぱく質はカルシウムの吸収を促進させます。またビタミンD、クエン酸、などもカルシウムの吸収を促進させることが知られています。

 

食塩はカルシウムの吸収を妨げます。他に食物繊維やホウレンソウのようにシュウ酸を多く含む野菜、砂糖、アルコールも、カルシウムの吸収率を低下させます。

Q1-2 高血糖をどのように判定するか?

 

【要点】

  • 空腹時血糖値、75gOGTT2時間値の組み合わせにより、正常、境界型、糖尿病型のいずれかを判定する。

 

  • 空腹時血糖100~109mg/dLの場合、正常域の中で正常高値とする。

 

  • 糖尿病疑い、境界型、空腹時血糖が正常高値、HbA1c5.6%以上の患者や、

肥満や脂質異常症の患者、家族歴が濃厚な患者に対しては、積極的にOGTTの施行を検討する。

 

  • POCT(point of care testing)機器によるHbA1cの測定値は、現時点で診断に用いないものとする。

 

 

【 杉並国際クリニックの実地臨床からの視点 】

このガイドラインは、理論的には参考すべきですが、実際的ではありません。

 

空腹時血糖値の測定だけならまだしも、75gOGTT2時間値の測定などは、なかなか日常的に行えるものではないからです。

 

そもそも75gOGTTとは、75gのブドウ糖を摂取して血糖値等を検査する負荷試験です。実施のためには患者さんがルールを順守してくださることが前提ですが、それがなかなか難しいのです。その理由は以下の手順を読んでいただければわかると思います。下線部は脱落しやすいルールです。

 

実施の手順として

①糖質を150g以上含む食事を3日以上摂取、

②10~14時間の絶食、

③採血して血糖値(空腹時血糖値)を測定する

④早朝空腹時に75gブドウ糖を含む250~350mLの溶液を5分以内で服用、

⑤服用後30~60分おきに採血して血糖値を測定する。検査中は禁煙とする。

 

あなたは、これらをすべてクリアできる自信がありますか。

これができるような方は、糖尿病タイプの方には少ないと思います。

 

なおガイドラインは

<空腹時と2時間値の測定は必須で、臨床の場では途中時点の血糖値や尿糖も調べるのが望ましい。>

<可能であれば空腹時と30分後のインスリン値を測定して、初期インスリン反応を調べる。>

としていますが、患者さんに以上のような負担を掛けておいて、それを調べないのは理不尽な話です。

 

しかし、実際にそこまで検査すると保険請求で却下され、医療機関にとっても大きな痛手となります。

林 亮博 二段より寄稿があり掲載いたします。

 

<初心に帰る>

 新年に当たり初心の頃を思い出しました。

 

ドクター飯嶋、並びに諸先輩からの指導を受けて現在まで15年間水氣道を継続中です。

 

創成期の頃は、まだ体系化されていなかった(ドクターの頭の中には構想があったかもしれませんが)のですが、現在までに徐々に体系化されています。

 

その中で私が大事に思っているのは、素歩きを始め水氣道の基本となる航法(基本五航法)です。

 

そこで、稽古で私が気をつけている点を以下に記述します。

 

<基本五航法>

①第一航法から第五航法まで共通することです。

開始時に下半身特に両脚のつま先と踵は離さず、ぴったりつけてから行う。

両脚を離さず一度静止してから足を動かす。

呼吸も大事です。

 

②起承転結の順番はありますが、起又は承の型を使い基本をしっかりと体得する。

 

③水中では、肉眼で分かるところ所、分かりにくい所があります。

意識を集中して特に分かりにくい所にも最新の注意を払う。

 

④常に基本を思い出すことが重要です。

忘れてしまって自分勝手に替えて楽な方法で型を崩さない。

上級者の指導が足らず、自分勝手に替えて楽な方法で型が崩れたら、上級者の指導力不足も原因です。

 

⑤毎週水気道の稽古の他に、日々の自主練を行うことも重要です。

しかし間違った自主練はしないように気をつける。

 

⑥最後に第一航法、素歩きを大事に稽古すること。(注意集中して稽古する) 

 

 

以上、私が日々注意している事柄です。

ご参考になれば幸いです。

 

<杉並国際クリニック>準備室から

 

 

診療所改称の理由

 

高円寺南診療所は本年5月1日に、<杉並国際クリニック>となります。

 

 

高円寺南診療所は杉並区高円寺南3丁目46番5号に立地しています。

 

<高円寺南>という地名を冠する医療機関を引き継いだ医師として、開院以来30年間、常に意識せざるを得なかったことがあります。

 

それは、地域への医療貢献でした。

 

24時間医療、往診、在宅医療、介護などすべての柱を確立することが達成できれば、地域医療として立派な責任を果たすことは可能だと思い、地域密着型のプライマリケアの確立に心がけていた時期がありました。

 

プライマリケアとは患者の抱える問題の大部分に対処でき、かつ継続的なパートナーシップを築き、家族及び地域という枠組みの中で責任を持って診療する臨床医によって提供される、総合性と受診のしやすさを特徴とするヘルスケアサービスです。

 

しかし、開院以来<高円寺南>診療所の受診者の圧倒的多数が現役世代でした。初期の受診者のほとんどは、家族や地域とのつながりも乏しい単身生活者で、かつ局所的症状に対しての応急的対応を望まれる方が多かったためです。

 

特に、午前中の受診者は開院初期には長期にわたり一桁台で夕方以降の時間帯に受診者が集中する状況でした。無料の禁煙指導なども努力すればするほど患者を遠ざける結果を招きました。

 

その限られた夕刻以降の混雑時間帯に限って複合的で長期化した持病についての窮状を長々と訴える方が多数来院されるようになり、そのため待ち時間に耐えられない多くの患者さんを失いました。このようにして経営状態は一挙に暗転していきました。

 

もっとも、こうした経験がなければアレルギー専門医、リウマチ専門医、漢方専門医ばかりでなく心療内科専門医・指導医の資格取得し、より高度な医療水準の達成は果たせなかったと思われます。

 

 

このようにプライマリケアの実践のためには教科書的なひな形はなく、優れた指導者も皆無に等しいことを知りました。そして置かれた現場ごとに医師が自ら手探りで展開し、現場に必要な知識や技能は、そのつど貪欲に習得していかなければならないものであるという現実に直面しました。

 

そこで自分なりの新たな方向性を模索する必要に迫られ、今日のシステムを展開していくことにしました。

 

そのお蔭で現実の困難から逃げず、避けず、誤魔化さず、ピンチの状況にあって、チャンスを生み出す技を学び続けるという姿勢を確立することができたことは感謝すべきことです。

 

 

最近の診療所の傾向としては、超高齢社会を反映してか高齢者さらには後期高齢者に達した皆様も徐々に比率を増しています。しかし、それでもほとんどの皆様が生涯現役を望み、私を生涯の主治医として選んでくださっています。

 

診療圏については、地元高円寺という貴重な方はごく少数で、23区内よりも都下をはじめ、千葉、埼玉、神奈川など近県から長期間定期通院されている方が多いことが特徴です。

 

生涯現役を目指したいという多くの患者の皆様の願いと私自身の健康維持の必要性が独自の「生涯エクササイズ」着想を得ました。そうして平成12年(2000年)水氣道が誕生しました。

 

水氣道を創始し継続していなければ、開業医の日常業務の傍ら以下の3つの学位を立て続けに取得することは叶わなかったと思います。

 

 

〇東京大学修士(保健学)平成16年(2004年)3月25日

 

〇American Holistic College of Nutrition Doctor of Philosophy in Holistic Nutrition

米国栄養ホリスティック大学博士課程(通信制)ホリスティック栄養学博士

平成17年(2005年)10月30日

 

〇東京大学博士(医学)平成22年(2010年)3月24日

 

 

この中で、最もハードだったのは、率直なところ米国大学の博士取得でした。この大学は、米国の権威主義的な大学リーグには登録されていませんが、斬新でユニークな内容で時代の最先端の情報が詰まっていました。

 

英文の指定テキスト(教科書)30冊以上の熟読と短答式、論文式の英文レポートが課されました。そこでの集中的訓練を断念していれば、査読審査の厳しい英語の医学専門誌に1回でアクセプトされることはなかったでしょう。

 

そして、幸いにもそれが叶ったことが東大の博士(医学)号を取得に不可欠な条件の一つであった経緯については、事務長の家内(薬学修士、薬剤師)と事務次長の野口将成が詳しいです。

 

 

水氣道の活動会員は現在何とか70余名を維持している状況です。発足以来20年近くを経過しているにもかかわらず会員が100名にも達していない理由は、水氣道の真価を伝えることが難しいからだと思います。

 

水氣道は、身体のコンディションを向上させるだけでなく、精神を涵養し、さらに芸術や学問的活動のための潜在的能力を引き出す効能を持っています。

 

それは、多忙でストレスフルな毎日を送っている向上心に満ち溢れた方には特に有効です。

 

杉並国際クリニック(高円寺南診療所改め)や水氣道会員に御縁があるすべての皆様に水氣道をお勧めしたい理由がここにあります。

 

 

さて、現状としては、国際化を背景としてか外国籍の方の受診が顕著に増えて参りました。

 

特にアジア圏からの皆様は知識層が多く、待合室でもお名前を伺うまでは余り目立ちません。また欧米圏の出身の方の増加も同様に顕著です。

 

こうした傾向とともに英語での診療の必要性は急激に増加しています。私がデザインする「生涯エクササイズ」とは体一つで実践できる全人的習慣をベースとしているのが特徴なので、水氣道の他、外国語学習、歌唱を併行しています。

 

水氣道によって人体を楽器(人生を楽しむ器、他者を幸福にできる器)化することで歌うことの素晴らしさを再発見し、特にクラシックの声楽は、イタリア語、ドイツ語、フランス語その他の外国語の歌詞を伴います。

 

これが、平成27年(2015年)発足の聖楽院の活動を生み、外国語診療を促進する契機となりました。

 

 

高円寺南診療所は、水氣道、聖楽院の誕生とともに当初のからの使命追及を終え、新たなる時代に向けての体制を整え、杉並国際クリニックが誕生します。

 

院長である私自身が水氣道と聖楽院活動を継続発展させることによって生涯現役を確かなものとしていきたいと思います。

 

 

地域限定の母国語である日本語による従来のプライマリケア思想の呪縛から解放され、多言語による医療・保健・文化を統合するグローバルな創造的活動によって広く国際社会に向けて、皆様とともに楽しく有意義な貢献への第一歩を踏み出していきたいと思います。

 

日本循環器病学会のHPで特筆すべきことは、この学会では、禁煙推進委員会がHPにコーナーを設けていて、広く会員その他一般の方に禁煙の必要性を訴えていることです。

 

高血圧症や心臓病などで循環器科を受診する必要のある方はもちろんのこと、すべての患者さんに禁煙を前提とする医療の推進を訴えていくか否かは個々の医師の良心の在り方に関わってくる重要事項だと思います。

 

 

喫煙は喫煙者自身と周囲の非喫煙者にさまざまな喫煙関連疾患を引き起こすが、ニコチン依存と心理的依存を生じて強固な習慣性を持つにいたることが多い。

 

2006年度からはニコチン依存症が治療の対象となる疾病とされ、「ニコチン依存症管理料」が新設されると同時に、保険診療が開始された。

 

現在、ニコチン依存に対してはニコチン製剤やニコチンを含まない内服薬(バレニクリン)による薬物療法が、心理的依存に対しては行動療法が利用されその治療効果を上げている。

 

こうした個人を対象とした禁煙支援に加えて医療機関における敷地内禁煙など環境的な因子に対する取り組みの強化は、喫煙者の禁煙動機や非喫煙者の受動喫煙防止に有効であり、循環器専門医師として積極的に取り組むべき課題である。

 

 日本における成人喫煙率は年々減少し、平成22年には19.5%と初めて20%を割った。男性は32.2%、女性では8.4%と、前年の平成21年(男性38.2%、女性で10.9%)に比べ大幅な減少が認められている。

 

しかし、最も高い年代は、男性は30歳~40歳代でまだ42%、女性は30歳代で14.2%であった。若い女性および未成年の喫煙の増加が問題であったが、未成年者の喫煙率はようやく減少の傾向となっている。

 

ニコチン依存症は確立された疾患として捉えられるべきものであり、喫煙はニコチン依存をもとに心理的依存を生じた結果、強固な習慣となり禁煙が困難となる。

 

喫煙による超過死亡は,2010年には全世界で540万人と推計されている。日本国内では少なくとも19.6万人と推計され、これは死亡者全体の16.3%にものぼる数字である。

 

 

 喫煙者では非喫煙者に比べて平均寿命が短く壮年期死亡が多いことは従来から指摘されてきたが、喫煙者の半数が喫煙に起因する死因で死亡することや、喫煙者の40%は69歳までに死亡することから、壮年期の死亡の1/3から1/2は喫煙が関連しているといわれ、喫煙が多くの早死の原因となっている。

 

中でも循環器疾患の大きなリスクファクターであることは疫学的研究からも明らかであり、日本で1980年から実施された大規模循環器疾患追跡調査(14年間)のNIPPON DATA80においても観察当初年齢が30~60歳の喫煙者の死亡の相対危険度は2倍以上となっている。

 

また受動喫煙の有害性も広く知られるようになってきた。しかしながら、喫煙と喫煙関連疾患の関連についての知識を問う調査では肺がんと妊娠以外のリスクの増加を知っているものの割合は低い。

 

こうしたことから、禁煙希望者のみならず禁煙を希望しない喫煙者や非喫煙者に対しても、正しい知識と喫煙習慣からの離脱のための広範囲の支援を提供するとともに、喫煙しにくい環境整備による禁煙への動機付けは今後ますます重要となる。

 

 

さて、この学会のHPで気になる点を発見しました。

 

国際名誉会員の中に日本人医師が一人も見られないということです。

 

アジア圏では、韓国5名を筆頭に、中国、台湾、パキスタンが各1名ということでした。率直に申し上げて、その理由がとても気になるところです。

 

日本の循環器病学の国際的権威の凋落を直ちに意味するものではない、とは言い切れないのではないかと思われます。

 

日本消化器病学会ホームページを検索してみました。

すると以下の情報が得られました。

 

2017年09月19日 患者さんとご家族のためのガイド

 

ガイドライン特設サイトを公開いたしました。

10疾患の「患者さんとご家族のためのガイド」を公開しています。

 

具体的には、以下からアクセスして閲覧することができます。

日本消化器病学会ガイドライン患者さんとご家族のためのガイド

 

 

しかし、これを皆様のために転載するためには、以下のような所定の手続きが必要です。

 

掲載記事の内容は、全て発行当時のものです。

本ガイドは日本消化器病学会の著作物であり、無断転載・無断複写を禁じます。

本ガイドへのご意見・ご要望等については、今後の改訂時の参考とさせていただきます。下記メールアドレスまでお寄せください。

個別の医療相談・健康相談にお答えするものでないことをご理解ください。

原則としてご返信いたしませんので、あらかじめご了承ください。

患者さんとご家族のためのガイド 担当者宛

 

 

そこで、今回は、10疾患の「患者さんとご家族のためのガイド」

のテーマをご紹介して、簡単なコメントを加えることにとどめることにします。

 

消化性潰瘍ガイド

胃食道逆流症(GERD)ガイド・・・消化器心身症

 

慢性膵炎ガイド

 

NAFLD/NASHガイド

 

機能性ディスペプシア(FD)ガイド・・・消化器心身症

 

過敏性腸症候群(IBS)ガイド・・・消化器心身症

 

大腸ポリープガイド

 

クローン病ガイドブック

 

肝硬変ガイドブック

 

胆石症ガイドブック

 

10疾患のうち胃食道逆流症(GERD)機能性ディスペプシア(FD)

 

過敏性腸症候群(IBS)は消化管の機能性疾患であり、代表的な消化器心身症です。そこで、この3疾患については、

 

日曜日:心療内科(ストレス病・心身症、心身医学療法)

にて採り上げていくことにします。

 

 

月曜日:内科Ⅰ(消化器・肝臓)では、次回から当面の間、

消化性潰瘍について紹介していきたいと思います。

<年末年始>

 

昨年末にドクトル飯嶋より、年末年始をどう過ごすか、具体的な注意をいただきました。

 

実家に帰省した際、食べすぎと運動不足で体重が増えることを繰り返しておりました。

 

注意事項は2つ

①夕食を食べない(食べてもモヤシと豆乳くらい)

②朝、夕に10分間のジョギングをする

 

という、とてもシンプルなものでした。

 

年末の帰省する前から早速スタートしました。

 

①については家族に説明して協力を得ました。

 

普段ですと夕食がメインでしたが昼をメインの食事として、夕食はモヤシ豆乳で乗り切りました。

家族はせっかく帰ってきたのだからと、毎年豪華な食事を用意してくれていました。

今回は帰省する前に伝えてあったので協力が得られ、意外と楽に実行できました。

 

 

②については「1回10分、1日2回なんて楽勝だな」と侮っていました。

 

スタートしてみると、

「3分持たずに息があがる」

「2日後にジョギングするのが辛いくらいの筋肉痛が発生」

という有様でした。

 

自分の運動不足で体力の低下を実感しました。

 

今でも筋肉痛は残っていますが、なんとか続けられてます。

 

①より②の方が楽に実行できると思っていましたので、想定外で驚きました。

 

今でも筋肉痛で走るのが辛いことがあります。

 

辛い思いをしましたが、年末年始に体重が増えずにスタートできました。

 

上記2つをしっかりと続け、目標体重をクリアしたいと思います。

 

 

 

心療内科についてのQ&Aをご紹介いたします。

それは日本心療内科学会のHPです。

 

 心療内科Q&Aのコラムを読むことができます。

そこで、

Q&Aは、想定した事例です。Q&Aや疾患についてのご質問、病院の紹介等は、受け付けておりませんのでご了承下さい。※「質問」をクリックするとが表示されます。

と書かれています。

 

高円寺南診療所に通院中の皆様が、一般論であるこのQ&Aを読んでいただくためには、実際に即した具体的な解説が必要だと考えました。そこで、「質問」「答え」の後に、<高円寺南診療所の見解>でコメントを加えることにしました。

 

「質問21」親の介護によるストレスのせいか、24時間急き立てられている感じでイライラし、よく眠れず、疲れが取れずまいってしまっています。心療内科で相談できますか?

 

「答え」

日本人成人の約21%が不眠の訴えを持っていて、不眠で悩んでいる人が医療機関を受診するのはその中の45%に過ぎないといわれております。

 

不眠に悩んだときに医療機関を受診するとしてもどこの科にいけばよいかわからないものです。

 

睡眠外来を開いている医療機関もありますが多くはありません。

 

ところで、睡眠不足は生活習慣病の発症リスクを高めるといわれております。

 

睡眠障害のない人と比較すると、糖尿病は3倍、高血圧は3.9倍、心筋梗塞は1.3倍の発症リスクがあります。

 

心療内科は心身症を診ますが、生活習慣病の多くは心身症としての対応が必要であります。

 

また、心身症の代表的な疾患の機能性ディスペプシア、過敏性腸症候群、慢性疼痛、自律神経失調症などでも不眠を伴う場合があります。

 

介護ストレスがあってイライラするとのことですが、上記のように心療内科では不眠で悩んでいて身体疾患や身体症状のある方の相談に広く応じておりますので受診なさってみてください。

 

不眠のみで身体疾患や身体症状のないいわゆる不眠症の方は、不眠症を専門にする精神科を受診なさってください。

 

医療機関を受診する際に医師に伝えておいたほうがよい点が幾つかあります。

 

不眠はタイプによって対応が異なります。寝つきが悪い(入眠困難)、途中で何度も目が覚める(中途覚醒)、早朝に目が覚める(早朝覚醒)、あるいは休息感が伴わない(熟眠障害)なのかを確かめておきましょう。

 

また、不眠があると、眠れた時間は数時間しかなかったなどと訴えますが、眠れないでいた時間を補おうと、早寝遅起きとなり、8時間以上も寝床に入っている人もいます。

 

何時に床についているか、何時に床から離れているかも大事です。

 

不眠の治療ですが、最近は鎮静作用によらない薬剤や、必要に応じて心理療法の認知行動療法も行われています。

 

睡眠薬の依存が気になる方は心理療法についても医療機関でお尋ねになってみることをお勧めします。

 

(佐々木大輔)

 

 

<高円寺南診療所の見解>

介護ストレスで悩む方は、まっすぐ心療内科を受診していただいてよいと思います。その根拠は、要介護者を支える方は、自覚症状が現れる前から周到な健康管理が望まれるからです。

 

とくにこのケースのように「疲れが取れずまいってしまっている」という訴えには、相当な心理社会的ストレッサーに長期間晒されている可能性が高いからです。疲労も一過性のものなら良いのですが、これが反復したり、蓄積したり、といた状態が続くと様々な病気に罹りやすくなります。

 

介護者は、まず定期検診を受けて自らの健康状態を把握しておきましょう。次に、慢性的な疲労やストレスは、免疫力の低下をもたらすことが常ですから、インフルエンザのワクチン接種は励行しましょう。そして、老老介護という言葉に示されるとおり、介護者自身が一定の年齢以上であれば、肺炎ワクチン(2種類とも)を接種しておくことが最低条件だと思います。

 

生活習慣の振り返りも重要です。喫煙はもっての外です。喫煙者は、ご自分のためにも要介護者のためにも禁煙に踏み切ってください。

 

さて、この方は「よく眠れない」ことも訴えておられます。「良く眠れない」ことに関して、「24時間急き立てられている感じでイライラ」している状態が背景にあるようです。

 

介護者としての責任感と不安感が強い几帳面な方に多いタイプです。このような症状を訴える方に対して、高円寺南診療所では甲状腺ホルモンのチェックを行うことがあります。

 

バセドー病など甲状腺機能亢進症がストレスで発症することは良く知られています。また、「24時間急き立てられている感じでイライラ」している状態を家族から指摘されて受診される方も少なくありません。

 

佐々木先生もコメントされていますが、高円寺南診療所では、生活習慣病や心身症の方に行動記録を始めていただいています。

 

生活のリズムの乱れを発見して、是正するきっかけになるシンプルな行動療法です。それから、体調と気分のコントロールを図るための様々な支援をしています。

 

体調の安定のためにはご自分の基礎体力を知って、それに応じた対策をすることです。また、気分の安定のためにはご自分の基本的なパーソナリティをよく把握したうえで、自分にあった心理サポートを得ることです。

 

まず気力と集中力とを養わなければなりません。それを可能とするきっかけは希望をもつことと自信を深めることと、信頼できる人的資源を見出すことです。こうした心理的サポートは多くの場合、社会的サポートに繋がっていきます。

 

つまり、社会的資源、福祉制度の有効活用も大切です。高円寺南診療所の事務次長の野口将成は、社会保険福祉士資格取得に向けて昨年から通信講座を受講しています。ときどき、実習に出かけて生きた勉強を続けているようです。

 

介護を苦役としてのみとらえず、「貴重な人生の予習をさせていただけている、と感じられてくる」ようになったら、高円寺南診療所からの卒業は目前です。