最新の臨床医学2019 1月19日(土)漢方治療についてのQ&A

漢方治療に関しては一般社団法人 日本東洋医学会 一般の方へ

のHPを検索してみました。

 

ここには<漢方ストーリー>という読み物がりますので、お読みになってください。

ただし、具体的なQ&Aは掲載されていません。

 

そのため、以下のQ&Aを採り上げ、解説を加えてきました。

慶應義塾大学医学部漢方医学センターの漢方Q&A

 

富山県立中央病院 内科和漢・リウマチ科-Q&A

 

 

三和生薬株式会社のHP「よくあるご質問」をご紹介いたします。

 

 

最後に<杉並国際クリニックからのメッセージ>を加えてきました。

 

今回は関連するQ6とQ7を掲載します。

 

Q6

妊娠の可能性があるので漢方薬なら安心と思いますが?

 

A

漢方薬が胎児に影響を及ぼしたという報告は現在のところありません。

 

但し、妊娠が判明した時点で、その後の服用については必ず医師または薬局・薬店にご相談ください。

 

 

Q7

妊娠中でも漢方薬を服用出来ますか?

 

妊娠中の体はとてもデリケートです。また、妊娠後12週に入るまで は赤ちゃんへの影響が最も大きい時期なので、どんな薬を服用する場合 も必ず専門家へご相談ください。

 

漢方薬には妊娠前~妊娠中~出産後を通してずっと服用できる『安胎薬(あんたいやく)』と呼ばれる薬や、妊娠中のつわり、風邪、便秘、貧血、尿路感染などに服用可能な処方があります。

 

詳しくは医師または薬局・薬店にご相談ください。

 

 

<杉並国際クリニックからのメッセージ>

妊娠可能性がある女性に対する漢方処方の目安は、妊婦への処方が可能な漢方薬であれば安心です。ただし、妊婦への漢方投与は治療上の有益性が危険性を上回ると医師が判断した場合のみに行うのが原則とされます。

 

しかし、これは、ナンセンスな原則です。なぜならば、漢方薬に限らず、すべての薬剤についての原則だからです。ただし、短期間の漢方処方で問題が生じることは少ないことは知られています。

 

 

急性の病気で、たとえば妊婦の感冒などの治療では、桂枝湯、香蘇散などを処方する機会は多いです。

 

また、つわり(妊娠嘔吐・悪阻)の漢方として、16半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)、21小半夏加茯苓湯(しょうはんげかぶくりょうとう)、32人参湯(にんじんとう)、116茯苓飲合半夏厚朴湯(ぶくりょういんごうはんげこうぼくとう)などを処方することは昔から広く行われていて安全です。

 

 

習慣性流産に対しては、古くから安胎薬(あんたいやく:胎児の発育を保護し、助ける薬)として、23当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)は殊に有名です。

 

この薬は、不妊外来へ永年通院したあげく、挙児を諦めたという女性が、水氣道を始めると同時に処方したところ、3か月を待たずにご懐妊という経験を立て続けに3度しています。

 

この経験は科学的にみれば、単なる偶然として評価されてしかるべきでしょう。ただし、挙児へのこだわりから解放された、一種の悟りの境地に至ることができたこと、水氣道をはじめて、プールの温水を羊水に、自分自身が胎児になったような疑似体験を楽しめたこと、などの条件が整った上で、当帰芍薬散を服用したことが相乗的に作用した可能性は完全には否定できないのではないか、とも思っています。