最新の臨床医学 1月14日(月)内科Ⅰ(消化器・肝臓)

日本消化器病学会ホームページを検索してみました。

 

すると、「患者さんとご家族のためのガイド

が公開されていますので、ご参考になさってください。

 

規定により直ちに転載できませんので、「消化性潰瘍」の概要を紹介し、コメントを加えることにしました。

 

Q1

消化性潰瘍ってどんな病気ですか?

 

A 

消化性潰瘍は、食物を分解する働きを持つ胃酸や消化酵素が、胃や十二指腸の壁を傷つけてしまうことによって起こる病気です。

  

潰瘍のうちでもっとも傷が浅いものは「びらん」という胃炎です。

 

 

Q1-1 

消化性潰瘍の原因は?

 

A-1 

主に胃の粘膜がヘリコバクター・ピロリ菌に感染することが原因です。

   

他に、非ステロイド系抗炎症薬によって起きる薬剤性潰瘍もあります。

   

ヘリコバクター・ピロリ菌の発見以来、「ストレス性潰瘍」という表現が減っていますが、消化性潰瘍と精神的・身体的ストレスとの関連はに密接です。

 

 

Q1-2 

消化性潰瘍の症状は?

 

A-2 

おなかの上の方やみぞおちのあたりに鈍い痛みを感じることが多いです。

 

胃潰瘍では食後に痛みを感じることがあります。

  

十二指腸潰瘍では空腹時、夜間に痛みを感じることがあります。

  

その他の自覚症状としては、吐き気や胸焼けを感じることもあります。

  

また重要な他覚所見としては、嘔吐物に黒いスス(少量の血液)や血液(中等量の血液)が混じったり、吐血(大量の血液)をみたりすることがあります。便にでるときには黒い便になります。

   

血液に赤い色を与える赤血球は、胃酸に触れて酸化すると変色して黒っぽくなります。消化管の出血のうちで、色が黒っぽいものは胃酸に暴露された出血ということがいえます。