最新の臨床医学 12月21日(金)アレルギーの病気についてQ&A

ここで掲載する内容は、一般社団法人日本アレルギー学会の

ホームページ<一般の皆さま>から引用したものです。

 

最後に高円寺南診療所からのメッセージを加えています。

 

Q

花粉症の治療にはどんなものがありますか。

 

A 

花粉症は、原因となる花粉が鼻に侵入してこなければ症状は起きませんから、治療の第1歩は原因花粉と接触しないことです。

 

そのためには、花粉飛散情報を利用して外出や窓の開閉の工夫をして花粉曝露を避ける、マスクや眼鏡を利用して侵入する花粉の量を減少させる、職場、学校、自宅の中に花粉を持ち込まない、などの対策が重要です。

 

しかし、完全に花粉曝露をシャットアウトするのは困難です。たとえマスクをしても呼吸や会話に伴ってマスクの隅から花粉は侵入してきます。その他、もっとも広く行なわれているのは薬物療法です。いろいろな特徴をもった薬剤がありますので症状に合わせて使うことで高い効果がみられますが、

 

ただあくまで症状を抑えるもので、根本治療にはなりません。現在唯一根本治療の可能性を持つのは特異的免疫治療(減感作療法)と呼ばれるものです。さらに、薬物などの治療に改善がみられない方には手術治療も検討されます。

 

治療に当たっては当然ですが、ご自分の症状や困っていることを正確に伝え的確な治療、アドバイスを受けるためにも医師とのコミュニケーションを十分に取ることが大切です。

 

 

【高円寺南診療所からのメッセージ】

たしかに、完全に花粉曝露をシャットアウトするのはほぼ不可能です。個人的な努力によって、ある程度までの対応は可能ですが、極論すれば、国家的あるいは国際的レベルでの環境改善などの抜本的な対策が必要です。

 

花粉症対策を現実的に考えるならば、薬物療法を活用することになります。花粉症に対して現在唯一根本治療の可能性を持つのは、特異的免疫治療(減感作療法)です。最近では、アレルゲン免疫療法と呼ばれることが一般的です。

 

このアレルゲン免疫療法とは、アレルギー疾患の病因アレルゲン、つまりアレルギーを引き起こす原因物質を投与していくことにより、アレルゲンに暴露された場合に引き起こされる関連症状を緩和する治療法です。

 

これには大きく分けて、皮下免疫療法(SCIT)と舌下免疫療法(SLIT)があります。高円寺南診療所で採用しているのは、アナフィラキシーショックが生じるリスクが低く、より安全な舌下免疫療法(SLIT)です。

 

ただし、すべての花粉症患者さんが舌下免疫療法の対象となるわけではありません。現在までのところ、花粉症としてはスギ花粉症のみに限定されています。

 

さらにすべての医療機関で実施できる治療法ではありません。施行医は、アレルギー領域の専門的知識と経験を十分に持った医師であることが要求されているからです。

 

高円寺南診療所所属の医師はアレルギー専門医資格を持っていますが、それだけでは認められないため、専用の講習会を受講し、試験をパスして処方医としての認定を受けることができたため、すでに実施しております.

 

スギ花粉以外の花粉症は、薬物療法が中心です。これについては、次回解説します。