最新の臨床医学 11月24日(土)漢方治療についてのQ&A

漢方治療に関しては一般社団法人 日本東洋医学会 一般の方へのHPを検索してみました。

 

ここには<漢方ストーリー>という読み物がりますので、お読みになってください。

 

ただし、具体的なQ&Aは掲載されていません。

 

これに対して、慶應義塾大学医学部漢方医学センターの漢方Q&Aは比較的上手にまとめられているので独自のコメントを付して紹介して参りました。

 

これに引き続き、富山県立中央病院 内科和漢・リウマチ科-Q&Aをご紹介いたします。

 

 

そこでも、高円寺南診療所の立場から、<高円寺南診療所からのメッセージ>を加えてご紹介を試みることにしました。

 

 

Q

漢方薬に副作用はありますか?

 

A

漢方薬は天然資源を材料に作られており、何千年も前より使用されてきたものが多く、化学薬品に比べてはるかに安全性は高いのですが、薬である以上、不適切な使用やアレルギ-反応によって副作用は起こり得ます。

 

また、漢方薬には「瞑眩(めんげん)」という、効き目が現れる前に一時的に症状が悪化する場合があります。

 

したがって、漢方薬はその使用に詳しい専門家(医師、薬剤師)に相談して体質に合わせ使用すること、また内服していてなにか異常を感じたらすぐに専門家に相談することが大切です。

 

 

<高円寺南診療所からのメッセージ>

「漢方薬に副作用がありますか?」と質問されることは、高円寺南診療所でも、ときどきあります。

 

こんなとき、イエス・キリストのような医師であったら、「あなたは、なぜ副作用を恐れるのか?」とか、「あなたが問う副作用とは何を意味するのですか?」と尋ね返すかもしれません。

 

広辞苑によると、副作用とは、『胃薬の一定の作用を利用して治療しようとする時、それに伴って、治療の目的にそわないとか、または生体に不都合な作用が起こること。また、その作用。』とあります。

 

そして、胃薬とは、同様に広辞苑によると『治療・予防に用いる薬品』とあります。

 

 

漢方薬を構成する生薬の多くは食材や薬味など食品とも共通しています。

 

そうすると、副作用とは『食品の一定の作用を利用して治療しようとする時、それに伴って、治療の目的にそわないとか、または生体に不都合な作用が起こること。また、その作用。』と置き換えることも可能かもしれません。

 

実際に、その通りなのです。なぜならば、食物には食物アレルギーや、甚だしい場合には、食物によるアナフィラキシーショックによって死亡する場合もあるからです。

 

そこで、「漢方薬に副作用がありますか?」という質問に対しては、次のように答えることも可能でしょう。

 

すなわち「漢方薬は食品と同様に、副作用があります。なぜなら、食品には食物アレルギーがあることなどから、漢方薬で副作用がもたらされることがあります。」ということです。

 

また、「口にはいるものは人を汚すことはない。かえって、口から出るものが人を汚すのである。」(マタイ15章11節)そして「口にはいってくるものは、みな腹の中にはいり、そして、外に出て行くことを知らないのか。」(マタイ15章17節) 「だから、言っておく。命のことで何を食べようか、体のことで何を着ようかと思い悩むな」(ルカ第12章22~34節)とイエス・キリストは語られました。もちろん、これらは聖書の引用の仕方としては正しくありません。

 

ただ言えることは、「漢方薬に副作用がありますか?」と尋ねてくる患者さんは、「副作用の無い漢方薬を処方してくれますか?」と尋ねているのではないかということです。

 

ですから、次のようにこたえるべきかもしれません。「漢方薬にも副作用がありますが、必ず副作用が起こるわけではありません。必ず起こるとしたら、それは薬ではなく毒ということになります。

 

あなたにとって毒としてではなく、薬になるように、さらには食べ物のように体の助けになるように、専門的に判断して処方することを心掛けています。」と。