Nogucchiの懺悔録 No.114

<インフルエンザ予防接種>

 

10月に入り、インフルエンザ予防接種がスタートしました。

 

今年は例年よりも早い時期にインフルエンザが流行の兆しを見せているようです。

 

9月初めに茨城県の小学校で、今シーズン初のインフルエンザによる学級閉鎖。

 

次いで東京都江戸川区立船堀の小学校、福岡県の中学校でも学級閉鎖。

 

また、同時期に山形県の幼稚園、高知県の幼稚園でもインフルエンザの集団発生が報じられています。

 

 

このような状況で、ワクチンの数は不足ぎみだった昨年と同じ数が入りました。

 

 

ワクチンの効果を厚生労働省のページから引用します。

 

ウイルスが増えると、数日の潜伏期間を経て、発熱やのどの痛み等のインフルエンザの症状が出現します。この状態を「発病」といいます。

 

インフルエンザワクチンには、この「発病」を抑える効果が一定程度認められていますが、麻しんや風しんワクチンで認められているような高い発病予防効果を期待することはできません。

 

発病後、多くの方は1週間程度で回復しますが、中には肺炎や脳症等の重い合併症が現れ、入院治療を必要とする方や死亡される方もいます。これをインフルエンザの「重症化」といいます。

 

特に基礎疾患のある方や高齢の方では重症化する可能性が高いと考えられています。インフルエンザワクチンの最も大きな効果は、「重症化」を予防することです。

 

国内の研究によれば、65歳以上の高齢者福祉施設に入所している高齢者については34~55%の発病を阻止し、82%の死亡を阻止する効果があったとされています。

 

 

 「インフルエンザワクチンの有効性」は、ヒトを対象とした研究において、「ワクチンを接種しなかった人が病気にかかるリスクを基準とした場合、接種した人が病気にかかるリスクが、『相対的に』どれだけ減少したか」という指標で示されます。

 

6歳未満の小児を対象とした2015/16シーズンの研究では、発病防止に対するインフルエンザワクチンの有効率は60%と報告されています。「インフルエンザ発病防止に対するワクチン有効率が60%」とは、下記の状況が相当します。

 

 

・ワクチンを接種しなかった方100人のうち30人がインフルエンザを発病(発病率30%)


・ワクチンを接種した方200人のうち24人がインフルエンザを発病(発病率12%)


→ ワクチン有効率={(30-12)/30}×100=(1-0.4)×100=60%

 

 

 ワクチンを接種しなかった人の発病率(リスク)を基準とした場合、接種した人の発病率(リスク)が、「相対的に」60%減少しています。すなわち、ワクチンを接種せず発病した方のうち60%(上記の例では30人のうち18人)は、ワクチンを接種していれば発病を防ぐことができた、ということになります。

 


現行のインフルエンザワクチンは、接種すればインフルエンザに絶対にかからない、というものではありません。しかし、インフルエンザの発病を予防することや、発病後の重症化や死亡を予防することに関しては、一定の効果があるとされています。

 

 

インフルエンザ予防接種では、予防だけでなく、かかってしまっても軽く済む効果もあるようです。

 

ワクチンの数も不足が予想されるので、早めの接種をお勧めします。