抜毛症について

(平成30年10月3日、高円寺南診療所HPの「お問い合わせ」から)

 

Q:抜毛症の診療は行なっていますか?

 

 

A:お問い合わせありがとうございます。

 

高円寺南診療所は抜毛症の対応が可能ですので、ご安心ください。

 

ご相談はご本人(成人)ご自身でしょうか、それともお子様(未成年)についてでしょうか。

 

もし、お子様(未成年)のご相談でしたら、家族療法が必要になります。

 

つまり、養育者も治療構造の中に参加していただく必要がございます。

 

 

疾患概要:

抜毛症は、円形脱毛症等の身体疾患とは異なり、自分の毛髪を強迫的に抜去してしまう病気です。頭髪の他、眉毛、睫毛、脇毛、恥毛などを抜去する方もいます。

 

女性に多く、とくに学童期後半~思春期前半頃からみられます。

 

毛かみ、爪かみ、夜尿、チックを合併することがあります。

 

身体玩弄癖(からだをもてあそぶ習癖)・自傷の延長にあるとされます。

 

 

治療法:

認知行動療法と薬物療法が有効です。ただし、ストレスや不安が原因である場合は、事前にストレス管理法・対処法のトレーニングを行います。

 

一般的には抜毛症が精神皮膚疾患の一つとされ、そのため精神科医と皮膚科医の連携が必要とされる病気なので、診療構造が複雑になりがちです。

 

そして精神皮膚疾患の治療に用いられてきた治療法としては、局所のステロイドや水酸化塩酸塩、抗ヒスタミン特性をもつ抗不安薬、抗うつ薬、セロトニン物質、そして抗精神薬があります。うつ病があってもなくても、抗うつ薬によって皮膚症状の改善を認めるとされています。

 

 

高円寺南診療所の特色:

当院では医師が心療内科専門医であるため、精神科医が担当する領域と身体医(皮膚科医)が担当する領域を同時に担当することができます。

 

心療内科専門医は、抜毛症を精神皮膚疾患など、皮膚病とは考えず、行動の異常を病気の本態ととらえ心身症の病気として治療に取り組んでいます。

 

アレルギー専門医としても、喘息の他に、アトピー性皮膚炎など皮膚科領域の診療実績もあります。

 

また、漢方専門医でもあるため、漢方薬や鍼灸により心身の調整を図ることも得意にしています。

 

アドバイス:

抜毛症を治す最初の一歩として、まずは意識することが大切です。

 

無意識、または"ほぼ"無意識で行っていた抜毛を「してはいけないこと」と意識するようになっただけで、抜毛症が改善する場合があります。

 

ただし、よく患児の悩みを聞くとともに、毛を抜くことを怒ったりせず家族や周囲の人々が温かく接することが不可欠です。

 

高円寺南診療所ではカウンセリングを通して抜毛症になった原因を探り、必要ならば本格的な治療を開始することが可能です。

 

個人差が大きい病態であるため、絶対的に治る、速効的に良くなるというほどの単独の治療方法は存在しません。

 

しかし、患者さんの特性に応じて有効性が期待できる方法を上手に組み合わせる(統合的療法)ことによって、より確かな成果を挙げることができます。

 

早い段階で何かしらの手を打つことが、その後の経過にとっても大きな意味があると思います。

 

お役にたてることができれば幸いです。