最新の臨床医学 9月7日(金)アレルギーの病気についてQ&A

ここで掲載する内容は、一般社団法人日本アレルギー学会の

ホームページ<一般の皆さま>から引用したものです。

 

 

最後に高円寺南診療所からのメッセージを加えています。

 

 

気管支喘息(小児)③

 

Q4

喘息は治りますか。

 

A

小児期に喘息になった人の6~7割は思春期までに治ると考えられてきました。

 

しかし、一時的によくなっても、また成人になってから喘息になる人がいます。

 

成人の喘息をみると50%の人が子どもの時から喘息があります。

 

海外のデータでは、子どもの時にひどい喘息発作を繰り返した人は成人になった時に、呼吸機能の低下がみられると報告されています。

 

自然に治るものではなく、正しい治療(気道の炎症を抑える)を行って喘息を治すことが最も大切です。

 

 

【高円寺南診療所からのメッセージ】 

成人喘息の50%が子どもの時から喘息だとされていますが、実際にはもっと多くて2/3 くらいではないかという感触です。

 

発作が見られなくなると、治った、と思いたくなるのが人情というものでしょう。

 

しかし、喘息発作が活火山だとすると、発作がなくなっても死火山になったと考えて油断するのではなく、休火山の状態になったのに過ぎないと考えて、ふだんから心身の養生や鍛練を継続するなどコンディションを整えておくことが望ましいのではないでしょうか。

 

Q5

喘息の子供にとって良い環境とは、どんな環境ですか。

 

A

タバコの煙は喘息をおこしやすくするし、発作もひきおこします。

 

換気扇の下で吸っていても、お子さんに影響します。家族は禁煙するのが一番ですが、もし、どうしても無理な場合は室外で吸うようにしましょう。

 

また、お子さんが大きくなってきたときには、喫煙は喘息に悪いということを説明して、成人になっても吸わないように早めに指導しましょう。

 

喘息の原因として、ダニによるアレルギーがあるお子さんが多くいます。

 

室内のダニ量が増えると喘息発作がおこる場合があります。

 

掃除機によりホコリを吸い取るのが効果的です。ジュータン、布製ソファー、古い布団や座布団にはダニが多くいので、なるべくこれらを使用しないほうがいいでしょう。

 

カーテンやぬいぐるみなども、洗濯機で洗いましょう。

 

水槽で飼育できるペットは問題ありません。

 

アレルギー症状をおこしやすいネコ、イヌ、ウサギ、ハムスターなどには注意が必要です。

 

外国の論文で出生時早期からイヌやネコを飼育しているとその後のアレルギー発症が少なかったと報告されていますが、わが国では証明されていません。

 

動物の毛そのものもアレルギーの原因となるし、毛にはダニがつきやすいので注意は必要です。

 

どうしても飼育する場合は室外で飼育し、シャンプーすることがすすめられます。

 

また、実際にペットと接触してアレルギー症状がでてしまった場合には飼育を中止する覚悟が必要です。

 

家庭環境以外に、運動や冷気は喘息発作をおこす誘因となります。

 

特に冷たく乾いた空気を吸う冬季のマラソン、スキーやスケートでおこりやすいです。

 

予防するには、鼻で呼吸、マスク着用、少しずつ運動することが有用です。

 

運動前に喘息治療薬を使用した方がいい場合もあります。

 

運動した時に発作がでる(運動誘発喘息)場合には普段の長期管理薬が十分でない場合があるので、担当医に相談しましょう。

 

 

【高円寺南診療所からのメッセージ】 

タバコは百害あって一利なし。そういわれ続けてきているのに、大切な家族の健康までも脅かしている喫煙者がいます。

 

タバコをやめようとしない喘息患者に対しては、アレルギー専門医でも処置なしです。

 

また、ペットのための医療費にはお金を惜しまないにもかかわらず、保険が効く自分の健康管理には消極的な患者さんにもしばしば遭遇します。

 

喘息患者が身体を鍛錬することはとても意味があります。

 

しかし、冷たく乾いた空気を吸う冬季のマラソン、スキーやスケートで喘息発作がおこりやすいことは良く知られています。

 

そこで新たに何らかのスポーツを始めたいと考える喘息患者の皆様には、是非、水氣道®をお勧めしたいところです。

 

年間を通じて水温、室温ともに30℃程度、湿度はほぼ100%であり、埃やダニ、花粉などのアレルゲンに晒されないために喘息発作は起こりにくい環境で安心して運動することができるからです。