最新の臨床医学 8月25日(土)漢方治療についてのQ&A

漢方治療に関しては

 

一般社団法人 日本東洋医学会 一般の方へ

 

のHPを検索してみました。

 

 

ここには<漢方ストーリー>という読み物がりますので、お読みになってください。

 

ただし、具体的なQ&Aは掲載されていません。

 

 

これに対して、慶應義塾大学医学部漢方医学センターの漢方Q&Aは比較的上手にまとめられていると思います。

 

ただし、その記載は概ね一般的ではありますが、慶應義塾大学医学部漢方医学センター受診者を想定して書かれているようです。

 

そこで、高円寺南診療所の立場から、<高円寺南診療所からのメッセージ>を加えてご紹介を試みることにしました。

 

 

Q

漢方治療(漢方薬)は保健がきかないのでしょうか?

 

漢方治療を受ける前に受付あるいは担当医に、保険がきくかどうかをしっかりと確認してみてください。

 

ある調査によると7割以上の人が漢方薬は保険がきかず高い、と思っていらっしゃいます。

 

しかし、漢方薬は昭和51年から保険薬として収載されており、現在では多くの医師が日常診療で使っております。

 

中には煎じ薬でも保険の効く施設もあります。

 

ただし、こじれた病状では自費診療による漢方治療で事細かに診てもらうことが必要な場合もあります。

 

 

<高円寺南診療所からのメッセージ>

高円寺南診療所で処方する漢方薬はすべて保険が効きますからご安心ください。

 

 

Q

漢方薬は値段が高いと聞きますが本当ですか?

 

保険診療で使う漢方薬は、西洋医学的な薬と比べれば、漢方薬のほうがずっと値段が安い場合がほとんどです。

 

最近の医療経済の研究では「漢方薬を使用した方が医療費は安くてすむ」という報告があります。

 

漢方薬は一つの薬で、その患者さんの持つ多くの病気を治します。

 

特に高齢者ではいろいろな訴えを持っていらっしゃる方が、たくさんいらっしゃいます。

 

その訴え一つ一つに対応する薬を使うのが西洋医学のやり方ですので、自然と薬の種類が増えてしまいます。

 

それに対して漢方治療では、体は一つと考えて、その調節をするための漢方薬一つで対応するのが基本です。

 

そういう意味からも漢方薬を飲むことは医療費の節減にもつながるのです。

 

 

<高円寺南診療所からのメッセージ>

慶應義塾大学医学部漢方医学センターの解説で大切なのは、「漢方薬は一つの薬で、その患者さんの持つ多くの病気を治します」というポイントだと思います。

 

医学的に問題のある多剤併用を最近ではポリファーマシーといいます。

 

複数の慢性疾患を抱える高齢者は特にポリファーマシーが生じやすく,潜在的な不適切処方も増えます。

 

ポリファーマシーは,薬剤有害事象(副作用)や服薬アドヒアランス低下(医師の指導通りに服用しない)などにつながる恐れが指摘されています。

 

漢方処方を個々人に併せて適切に駆使することによって、ポリファーマシーを減少させることができ、安価で安心・安全で納得のいく医療に寄与することができると思います。