最新の臨床医学:8月3日(金)アレルギーの病気についてQ&A

アレルギーの病気についてQ&A

 

 

ここで掲載する内容は、一般社団法人日本アレルギー学会のホームページ<一般の皆さま>から引用したものです。

 

https://www.jsaweb.jp/

 

最後に【高円寺南診療所からのメッセージ】を加えています。

 

 

アレルギーの病気についてQ&A 

No.1

気管支喘息(成人)①

 

Q1

吸入ステロイド薬の使用方法について教えてください。

 

A

吸入ステロイド薬には、自分の力によって薬剤を吸入するドライパウダー製剤(フルタイドディスカス®、パルミコート®)と加圧ガスによって吸入するエアゾール製剤(フルタイドエアー®、キュバール®、オルベスコ®)があります。

 

ドライパウダー製剤は、薬剤を吸い込むときにある程度強く吸入する必要があります。

 

一方、エアゾール製剤は、タイミングを合わせる必要があり、うまく吸入できない場合は補助器具を使用すると効率よく吸入できます。

 

いずれの製剤も気管支の末梢まで薬が達しないと十分な効果が得られないので、それぞれの吸入薬にあった吸入法で適切に吸入する必要があります。

 

また、声がれや口腔カンジダなどの副作用予防のため、吸入後はどの製剤もうがいが必要です。

 

 

【高円寺南診療所からのメッセージ】

高円寺南診療所で処方する吸入薬は、かつては、上記のステロイド吸入薬を使用していました。

 

しかし、最近では薬単剤のものはほとんど使用しなくなりつつあります。少しずつ吸入ステロイド・β2刺激薬配合剤(シムビコート®、レルベア®)に切り替えてきました。

 

配合剤の導入によって、吸入ステロイドの減量も可能となり治療成績も改善されています。

 

 

 

Q2吸入ステロイド薬の副作用について教えてください。

 

A

吸入ステロイド薬の副作用は、局所性には咳、のどの違和感、声のかすれ、口腔内真菌(かび)症などがあり、予防や症状軽減対策のためにうがいやスペーサーなどの吸入補助具が使用されます。

 

吸入ステロイド薬は病変部に直接作用するため使用量が微量で、吸入に伴い消化管から吸収されるわずかの薬剤も肝臓で分解されるため、一般的な吸入量では注射薬や内服薬に比べ成長障害、骨粗鬆症、肥満、免疫機能の低下、白内障などの全身性の副作用はきわめて少ないとされます。

 

 

【高円寺南診療所からのメッセージ】

吸入ステロイド薬は内服ステロイドのような全身性の副作用は極めて少ないとされます。

 

ただし、局所の副作用にはしばしば遭遇します。とくに鼻炎合併喘息の場合には、要注意です。

 

鼻炎の治療を併行して行わない限り、喘息の治療成績は満足のいくものでなく、副作用の頻度も少なくありません。