最新の臨床医学:8月2日(木)関節リウマチについてQ&A

関節リウマチについてQ&A

 

 

ここで掲載する内容は、アステラス製薬提供の患者さん・ご家族の皆さまなるほど病気ガイドから引用したものです。

 

関節リウマチについてわかりやすい解説をしています。

 

以下のHPで確認することができます。

 

関節リウマチQ&A

 

 

関節リウマチは、免疫の異常により関節の腫れや痛みを生じ、それが続くと関節の変形をきたす病気です。

 

関節リウマチを治療することで、炎症や痛みを最小限に抑え、毎日の生活を快適にすることができます。

 

現在と将来の生活の質を保っていくためにも、病院・診療所を受診し、きちんと治療を受けましょう。

 

監修医:東邦大学医学部医学科 内科学講座膠原病学分野 川合 眞一 先生

 

 

解り易い解説であること、日本リウマチ学会では一般患者向けQ&Aが掲載されていないため、これを採り上げました。

 

ただし、記述内容が古いままで改訂されていないため、それぞれのQ&Aのあとに【高円寺南診療所からのコメント】を加えました。

 

 

 

関節リウマチの症状・検査値について①

 

リウマトイド因子が陰性でも、関節リウマチと診断されることはあるのですか?

 

○関節リウマチの患者さんの20%は、リウマトイド因子が陰性ですから、リウマトイド因子が陰性でも関節リウマチと診断されることはあります。

 

 

○関節リウマチの原因はまだ完全には分かっておらず、これがあれば必ず関節リウマチである、というような検査はありません。

 

リウマトイド因子は、関節リウマチの患者さんの約80%が陽性を示し、診断に役立ちますが、リウマトイド因子だけで診断はできないのです。

 

【高円寺南診療所からのコメント】

リウマトイド因子の感度は70%程度です。

 

健常者でも陽性者が存在し、特に高齢者では10%以上がリウマトイド因子陽性です。関節リウマチ以外でリウマトイド因子が高率に陽性となる疾患があります。

 

シェーグレン症候群(50%以上)、全身性エリテマトーデスや全身性硬化症などの膠原病、慢性肝炎、結核(20~30%)などが知られています。

 

リウマトイド因子が陰性でも関節リウマチを否定することはできません。

 

逆にリウマトイド因子が陰性であることが診断根拠になるリウマチ性疾患があります。

 

強直性脊椎炎を含む血清反応陰性脊椎関節症,乾癬性関節炎、成人発症スティル病、リウマチ性多発筋痛症などが代表的です。

 

 

 

関節リウマチの症状・検査値について②

 

数ヶ月前から階段を上る時に両ひざに痛みが出るようになりました。

 

人間ドックで、リウマトイド因子陽性といわれていますが、これは関節リウマチの症状ですか?

 

○関節の痛みが関節リウマチの症状かどうかは、医師がリウマトイド因子やその他の要素も考え合わせて、総合的に診断します。

 

リウマトイド因子は健康な方の5%でも陽性になるため、両ひざの痛みが関節リウマチによるものかどうかは、リウマトイド因子だけでは判断できません。

 

その他の血液検査の結果や画像診断の結果などもみて総合的に医師が診断します。

 

【高円寺南診療所からのコメント】

関節リウマチの診断は、1か所以上の臨床的滑膜炎(関節腫脹)があるかどうかからはじまります。

 

両ひざに痛みがあっても関節腫脹がなければ関節リウマチは否定的ですが、臨床的滑膜炎の有無の診断は簡単ではないので血清学的診断をすることで関節リウマチの早期発見ができることもあります。

 

関節リウマチの血清学的診断には、リウマトイド因子の他に、現在では抗CCP(シトルリン化ペプチド)抗体を検査します。

 

この2項目のいずれか一方が高値陽性(基準上限の3倍超)であれば、それだけで関節リウマチ新分類基準(2010年米国リウマチ学会/欧州リウマチ学会)のスコア3点と評価されます。

 

スコアは6点以上で関節リウマチの診断は確定します。他には関節病変の有無(0~5点)などが重要な診断項目になります。